Special Issue

高速性と静音性を高レベルで両立した卓上A4スキャナ「KODAK ScanMate i1150/i1180 Scanner」

2014/10/23 19:55

 コダック アラリス ジャパン(飯島栄三社長)が、7月に発売した卓上型A4ドキュメントスキャナの新モデル「KODAK ScanMate i1150 Scanner」と「KODAK ScanMate i1180 Scanner」が注目されている。コンパクトながら高速性と静音性を両立し、特に窓口業務やシンクライアント環境で活躍する。ドキュメントイメージング事業本部の赤井誠・DI営業部シニアマーケティングアナリストは、「従来の上・中位市場に加え、両製品の投入を機に、新たなパートナーを募ってエントリ市場を本格的に開拓していく」と意気込みを語る。

高速性と静音性を高レベルで両立した卓上A4スキャナ

 コダック アラリス ジャパンは、イーストマン・コダックから2013年9月に独立したコダック アラリスの日本法人。最近は、とくに分散型スキャナに力を入れている。

 赤井シニアマーケティングアナリストは、「金融機関やカード会社のようにデータセンターで大量の文書を処理する集中型スキャナに対し、最近は、銀行・保険、病院、通信会社、旅行会社などの店舗の窓口で利用する分散型スキャナの需要が増えている」と、スキャナの活用状況を説明する。

赤井 誠・DI営業部 シニアマーケティングアナリスト

 「受付業務では、身分証明書などとともに、顧客が記入した申込書や契約書をスキャンして、データ化しながらサービスについて説明する。その際、スキャン処理に時間がかかると、業務効率を悪化させるだけでなく、顧客のストレスにもなる。分散型スキャナに求められるのは、窓口やオフィスの狭いスペースに設置できる大きさと静かさ、そしてスキャンのスピードだ」

 こうした課題に対応する製品として、コダック アラリス ジャパンは、コンパクトで高速スキャンができる卓上型A4ドキュメントスキャナ「KODAK ScanMate i1150 Scanner」(税別4万9000円)を発売した。顧客と対面で直接やり取りする業務に最適化して開発した製品だが、実は幅広いビジネスシーンでも活躍する。

 「KODAK ScanMate i1150 Scanner」は、最初の10ページのスキャン速度を通常より60%も高速化する独自の「トランザクションモード」を搭載。卓上A4ドキュメントスキャナで、クラス最速の40枚/分を実現した。11枚以降も25枚/分でスキャンでき、一日の推奨スキャン枚数は最高3000枚と、窓口業務で使うには十分余裕のあるスペックだ。

KODAK ScanMate i1150 Scanner

 「窓口業務で一度にスキャンするのは数枚程度。10枚を高速処理できれば、ほぼカバーできる。しかも静かなので、顧客との会話の妨げにならない。推奨スキャン枚数を公表するメーカーはあまりないが、当社は公表していることも特徴。これは、高い信頼性の表れだ。『i1150』には、集中型で培った製品技術をフィードバックしたイメージ処理技術、耐久性には自信がある」と、赤井・DI営業部シニアマーケティングアナリストは優位点をアピールする。

 ただ、分散スキャナ市場における課題もある。「成長する仮想化デスクトップ環境では、シンクライアントを利用することも多く、スキャン業務が非力なCPUに高い負荷をかけるため、スキャナを接続するPCにはシンクライアントを導入しないといったユーザーも多い。しかし、この場合は、運用と管理が一元化できずコスト増になる」と、赤井シニアマーケティングアナリストは語る。

 「KODAK ScanMate i1180 Scanner」は、イメージ処理機能をスキャナ本体に搭載することで、PC側の負荷を大きく軽減する。これによって、高性能なCPUを搭載していないシンクライアント環境でも問題なく使用できる。スキャン性能も、40枚/分のスキャン速度で、一日の推奨スキャン枚数は最高5000枚という高い処理能力を備える。

 また、EMC CAPTIVA Cloud Toolkitのフルライセンスデバイスなので、開発者はソフトウェア開発キット(SDK)を使用してブラウザベースのキャプチャアプリケーションを作成できる。ウェブベースで業務システム環境を統一する企業にとって、大きなメリットがある。コダック アラリスにおいても、ウェブベースのキャプチャアプリケーション「KODAK Info Input Solution」に対応し、近く発表予定だ。

 「金融、官公庁、医療など、よりセキュアな要件が課せられる業務で、既存のビジネスアプリケーションと連携したドキュメントの利活用を促進するとともに、安全でスケーラブルな集中管理の実現に貢献する」という。

使い勝手に強く配慮し、生産性向上に貢献

 2機種とも、PC上でCapture Pro Desktopを利用してスキャン操作するだけでなく、スキャナのカラー液晶モニタの操作で紙文書を電子化できる「スマートタッチ」機能を搭載するなど、使い勝手に配慮し、幅広いビジネスシーンに対応する機能を盛り込んだ。スマートタッチ機能は、最大9個の設定を保存。スキャンしたデータは、PDFやWord/Excel形式での保存、メール添付、PC内やネットワーク上のフォルダへの出力、ネットワークプリンタと連係したコピーなど、用途に応じ柔軟に出力方法を選択できる。

 フィード時に破損の恐れがある紙を検知して停止する機能や、自動傾き補正、書類ごとのコントラスト/濃度自動調整、パンチ穴の除去などを一度に行う独自技術「Perfect Page」も搭載。各種バーコードの読込みにも対応する。

 Windows、Linux に対応済み。Mac OSにも近々対応する予定だ。このほか、スキャン業務を高める「KODAK Capture Pro Software Limited Edition」や「KODAK Capture Pro Software」のトライアル版が付属する。

「KODAK Capture Pro Softwar」の画面イメージ

評価機でよさを理解してもらい、店頭販売を視野に新パートナーも

 「KODAK ScanMate i1150」は、現在は窓口業務での利用が中心だが、企業の経理部門や塾での答案用紙のスキャンなど、大量のドキュメントを処理する業務での活用が増加しつつあるという。そして、「i1150」は、紙の搬送性能や高いイメージ処理が評価されて、紙の書籍・雑誌の「自炊」など、パーソナルユースでも活用されているそうだ。また、「KODAK ScanMate i1180」は、従来からのドキュメントイメージング分野に強いパートナー以外の仮想化ソリューションに強いパートナーからの問い合わせが増えているそうだ。

 赤井シニアマーケティングアナリストは、「コダック アラリスのスキャナは、集中型市場でグローバルNo.1を獲得してきた。新製品の2台は分散型市場、さらにはパーソナル市場も視野に入れて、ビジネスをさらに強化する。そのためにも、既存のパートナーの先にいる業種に特化したリセラー、独自のバリューをもつSIerの方々との関係を強化したい。また、店頭販売を視野に新たなパートナーも募りたい。まずは、パートナーの方々に製品のよさを理解してもらうため評価機を用意したので、ぜひ、問い合わせてほしい」と、市場開拓への強い意欲を語った。
  • 1

関連記事

コダック アラリス ジャパン 分散型スキャナの新製品を投入 窓口業務やシンクライアント環境向けに提案

コダックアラリス、新型ワークグループスキャナと新ソリューション

コダックアラリス、ラルフ・ゲルベルシャーゲン氏をCEOに任命

コダック ミッドレンジの新製品を発売 「どこでも誰でも分散入力」を実現

コダックが推奨するかんたん電子データ化! SharePointと連携したパック製品を投入 中小企業でも安価に業務フローを完成!

外部リンク

コダック アラリス ジャパン=http://www.scan-at-work.com/

「KODAK SCANMATE i1150」

「KODAK SCANMATE i1180」