Special Issue
櫻楓天(上海)貿易 ぐるなび上海が「Handbook」を採用 最新の営業資料を常備し商機をつかむ
2014/09/11 19:55
週刊BCN 2014年09月08日vol.1545掲載
非効率な紙の営業資料
ぐるなび上海
総経理
「Handbook」の導入前は、顧客への提案に紙の営業資料を使用していた。しかし紙の資料は営業活動を非効率にしていた。まず、量が膨大であることだ。ぐるなび上海は商材の種類が豊富なうえ、中核商品の「ぐるなび上海」は飲食店の紹介ページが他媒体よりも詳細であることを強みとしており、営業に使うサンプル資料は1店舗につき複数種を用意していた。趙総経理は「営業担当者は最低でも提案先1社につき5~10種類の資料を持ち歩かなければならなかった。一日あたり20~30件の飛び込み営業も行っていたので、持ち歩く資料は100枚を超えていた」と当時を振り返る。
ぐるなび上海
経営企画部 高級経理
総経理特別助理
さらに、紙の営業資料には重大な欠陥があった。それは、情報をリアルタイムに更新できないということだ。例えば、ぐるなび上海は、毎年、飲食業界向けの展示会を開催しているが、「イベントの出展社の募集では、どのスペースにどの会社が出展するのかという情報が絶えず更新されていく。紙では、営業担当者が最新情報をリアルタイムに把握できず、確認に手間がかかって非効率だった」(趙総経理)のだ。ひとたび情報が更新されれば、以前の営業資料は使いものにならないので廃棄するが、このコストロスも問題だった。
こうした紙資料の非効率性を払拭するために、ぐるなび上海は営業資料の電子化を目的にiPadを導入。営業活動の効率化を実現しようと試みた。しかし結果は失敗。紙は削減できたものの、「営業資料を画像として1枚ごとに保存していたので検索しにくい。またそれぞれのiPadに入っている画像は一元的に管理できないので、1台ごとに情報を更新する作業も大変だった」(趙総経理)。使い勝手が悪いうえ、リアルタイムの情報更新は実現できなかったのだ。
「Handbook」上位利用者が営業成績のNo.1に
途方に暮れかけた矢先、ぐるなび上海は、コンテンツ配信・管理ソフト「Handbook」の提案を受けた。「Handbook」は、サーバー側でコンテンツを管理して、スマートデバイス向けに一斉に配信できるソフトウェア。サーバー側でコンテンツを更新すれば、端末側でも瞬時に最新のコンテンツを閲覧することができる。ぐるなび上海にとって、まさにうってつけの製品だった。導入後、すぐに顕著な効果が現れた。ぐるなび上海では、サーバー側で営業資料を更新した際に、メッセージアプリの「微信」と連携して、各営業担当者に更新情報を自動で通知する環境を整備。これによって、営業担当者は営業資料が更新されたことを迅速に把握して、常に最新の資料を使って顧客に提案できるようになったのだ。
「Handbook」のコンテンツ管理を担当している強蓓妍・経営企画部高級経理総経理特別助理は、「UI(ユーザーインターフェース)がわかりやすくて使い勝手がいいうえ、コンテンツの配信先をグループ分けできる機能が役立っている」と語る。ぐるなび上海は、営業組織を五つのチームに細分化している。各チームに最適な資料を配信したり、各営業担当者がチーム内で情報を共有したりできるのだ。
また、強総経理特別助理は、「資料を管理する負担も軽減できている」という。以前は情報を更新すると、資料を印刷し直す手間がかかっていたが、「Handbook」によって、営業資料を従来の5分の1に削減。印刷にかかる手間とコストの削減に成功している。
さらに、管理者側では、「Handbook」の活用履歴を収集する機能を使って、各資料の活用度合いを測って新たな資料づくりに役立てたり、営業の行動を管理したりしている。強総経理特別助理は、「資料の活用履歴を分析して、興味深いことが判明した。『Handbook』を最も利用していた営業担当者が、No.1の成績を収めていた」と顔をほころばせる。「Handbook」を活用すれば、資料忘れで営業機会を失うことがないし、いつも最新の資料で提案できるので、案件獲得までのリードタイムを短縮することができる。営業担当者の成績の向上に直結しているのだ。
「Handbook」の活用で、営業活動の効率化に成功したぐるなび上海。趙総経理は「これまでは画像を中心としたコンテンツで提案を行っていたが、今後は動画を用いたプレゼンテーションも実施したい」と構想を語る。「Handbook」は、今後もぐるなび上海の成長を支えていきそうだ。
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