Special Issue
日立(中国)信息系統 中国市場で商機増す「JP1」 拡大する自動化・監視ニーズに対応
2014/09/11 19:55
週刊BCN 2014年09月08日vol.1545掲載
運用管理の需要が広域化
軟件事業部副事業部長
拡大する自動化・監視ニーズに対応
運用管理のなかでも、とくに増えているのがシステムの自動化と監視に関する引き合いだ。人手を介しての運用管理は、コスト上昇によって費用対効果が希薄化したり、どうしても誤操作が出てきたりという問題もある。「JP1」は、日々のITシステム運用の自動化を実現する「JP1/AO(※1)」を提供。林副事業部長は、「とくにデータセンタービジネスを手がける企業では、従来のユーザーのシステムを見守るハウジングから、ホスティングやクラウドサービスへとビジネスを移行させるケースが多く、システム構築・運用操作の自動化に対するニーズが急増している」と説明する。「JP1/AO」では、データセンター、クラウド、企業内システムでよく使われる一連の運用操作のパターンをコンテンツとして提供。コンテンツに沿って運用操作を自動化する。また、コンテンツを作成することで、自動化の対象とする運用操作を追加していくことができるという特徴を持つ。さらに、夜間などのバッチ処理のスケジューリングに対しては、「JP1/AJS3(※2)」を提供。業務運用の自動化により、作業ミスも減少させることができる。
監視に関しても、企業の成長につれてシステムが複雑化したことで、人手による監視の負担が大きくなったことから、ソフトウェアに置き換えたいという要望が増えた。そのため、昨年新たにラインアップに加わったネットワーク監視「JP1/Cm2」が好調となっている。この製品により、ネットワーク設備やサーバー、パソコンなどのハードウェアの監視が増強され、「JP1」はミドルウェアやデータベース、アプリケーションも含めて、システム全体の監視に対応可能となった。監視範囲もユーザーの要望に合わせて柔軟に設定できる。
サポート体制も万全
軟件事業部技術本部本部長
保守サポートも同様だ。日本側とHISSのサポートメンバーは密接に連携。そのうえ、陶晶・軟件事業部客戸支援中心高級項目経理が、「毎年数百件の運用・管理に関連する問い合わせを受けるが、この約90%はHISS側で自己解決している」というように、中国側のサポートレベルは高い。HISSの保守サポートメンバー人員は、全員が日本語能力試験の1級(N1相当)を保持しているため、問い合わせを日本側にエスカレーションする場合も意思疎通はスムーズで、ユーザーに対しても日本語と中国語の2か国語で応対できるようになっている。また、定期的にユーザーを訪問し、保守サポートの品質に関する不満・意見をヒアリングすることでサポート品質の改善も行っている。
日系SIerの付加価値提案を支援
軟件事業部客戸支援中心高級項目経理
また、日系企業に提案する場合にも、「JP1」は魅力的な商材だ。ネットワーク監視の機能が新たに加わり、システム全体を監視対象とすることが可能になり、「中国でも日本と同じ品質の運用管理を実現したいというユーザーのニーズにお応えできるようになった」(林副事業部長)。
日系企業・中国企業のどちらに対しても販路が拡大しつつある「JP1」。今後も、中国で売れる日系IT企業の商材としての立ち位置を高めていきそうだ。
※1 JP1/AO:JP1/Automatic Operation
※2 JP1/AJS3:JP1/Automatic Job Management System 3
- 1
関連記事
日立(中国)、中国最大規模の金融展に参加、還流式ATMなどを展示
日立製作所 中国の現地企業にも導入が進む「JP1」 顧客ごとのニーズに対応
<日立製作所 JP1>認定技術者育成に力を入れる 上海の復旦大学に全面協力
<中国市場のキーパーソンを取材>日立の「JP1」、海外でも存在感を示す