Special Issue
サイオステクノロジー クラウド環境での高可用性ソリューションを提供 「LifeKeeper」「DataKeeper」でクラウド戦略を強化
2014/06/19 19:55
週刊BCN 2014年06月16日vol.1534掲載
高可用性の確保がクラウド移行の課題に
事業継続ビジネス
マーケティングマネージャー
「多くの企業がオンプレミス環境で業務システムを構築し、すでにSLA(サービス品質保証)やサービスの可用性についてのポリシーをもっている。システムをそのままクラウドに移行するとき、これまでのサービス品質を落とすという選択はあり得ない。しかし、現状のクラウドベンダーが用意している可用性のレベルでは、定められたSLAの基準を満たさない可能性が高い。こうした課題が、企業にとってクラウド導入の障壁となっている」と話すのは、サイオステクノロジーの大野洋介・事業継続ビジネスプロダクトマネージャー。セキュリティレベルの維持と並んで、サービスの可用性を確保することは、企業のクラウド環境構築にあたって欠かすことができない最重要要件なのだ。
HAクラスタでサービスの可用性を担保
事業継続ビジネス
プロダクトマネージャー
HAクラスタソフト「LifeKeeper for Linux」では、Amazon EC2とFUJITSU Cloud IaaS Trusted Public S5、ニフティクラウドの三つのクラウド環境を認定済み。「LifeKeeper for Windows」は、5月に公開した「LifeKeeper for Windows 8.1」で、Amazon EC2に加えてMicrosoft Azureをサポートした。さらに、7月にリリースする「LifeKeeper for Linux 8.3」では、サブスクリプションライセンスを導入し、オンプレミスとクラウドの混在環境、クラウドとクラウドの組み合わせなど、構成の垣根を越えてデータミラーリングを行う仕組みを提供することで、さらにクラウドへの最適化を促進する予定だ。
大野プロダクトマネージャーは、「今後もユーザーの要望に応えて、国内で人気があるクラウド環境へのアプローチを進めていく。こうしたHAクラスタの提供によって、クラウド利用の敷居を下げていきたい」と意欲をみせる。
クラウドパートナーを新たに設置
企業のクラウド利用の敷居を下げるために、サイオステクノロジーはパートナープログラムの拡充にも取り組んでいる。ディストリビューションパートナー、SI&サポートパートナー、SIパートナー、ハードウェアパートナー、ソフトウェアパートナー、アソシエイトパートナーという六つのパートナーカテゴリに加え、「クラウドパートナー」を2013年10月に新設した。大徳貴子・事業継続ビジネスマーケティングマネージャーは、「パートナー様には、セールス支援、テクニカル支援、マーケティング支援をテーマに、個別案件への支援や無償テクニカルトレーニング、評価・検証用製品の提供や共同プロモーションなどの支援を提供している」と説明する。自社にマーケティング部門がない、もしくはマーケティング予算の確保が難しいパートナーでも、パートナープログラムを利用してプロモーションができるという。
大徳マーケティングマネージャーは、「当社は、ベンダーニュートラルの立場を採っている。さまざまなパートナー様といっしょにクラウドの分野でも協業し、安心してご利用いただけるクラウド環境を提供していく」と強調する。
【事例】ガリバーインターナショナル
「DataKeeper」と「WSFC」の組み合わせで
共有ストレージなしでクラウド上の高可用性を実現
中古車販売のガリバーインターナショナルは、全国に約420店舗を展開しており、2017年度(18年2月期)末までに国内外で計1600店舗まで拡大する計画だ。急速な事業の成長に迅速・柔軟に対応できるIT基盤を目指して、オンプレミスで構築してきた業務システムを全面的にクラウド環境に移行している。 Amazonのクラウドサービス、AWS(Amazon Web Services)を基盤としてデータレプリケーションソフトの「Data Keeper Cluster Edition(DKCE)」と、Windows Serverフェールオーバークラスタリング(WSFC)を組み合わせて、共有ストレージを使わずにクラウド上でのHAクラスタ構成を実現。AWS上の稼働システムと待機システム間でリアルタイムにデータを複製することで、障害が発生した際もデータの保全と安定したシステム稼働環境を維持する。
ガリバーインターナショナルは、2014年度中に残りの既存システムをクラウドに移行する一方で、AWSに新規開発のシステムも実装し、クラウドファーストを実践していく。
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