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<NTT Com特集>サン・システム、NTTコミュニケーションズ 「Biz ホスティング Enterprise Cloud」で協業 医療機関における物流管理のIT化を推進
2014/03/20 19:55
週刊BCN 2014年03月17日vol.1522掲載
サン・システムは1997年の設立以来、大学病院をはじめとする全国の基幹医療施設に、物流管理システムを中心としたコンサルティング、システム開発から導入・運用支援までの一貫したサービスを提供している。
医療業界では近年、改正薬事法の全面施行などを契機に、薬品や医療材料に対するコスト管理の重要性が高まり、それに伴い物流管理のニーズも拡大しているという。しかし、施設や倉庫内にある物品を一元管理する物流管理システムを導入している医療機関は、まだ一部の中核病院にとどまっているのが現状である。「一般企業に比べて、医療業界の物流管理のIT化は10年遅れています」と語るのは、サン・システムの取締役副社長の松本康雅氏だ。そこでサン・システムでは、医療業界における物流管理のニーズ拡大を受け、自社開発で提供していた医療機関向け物流管理システムのクラウド化を決定した。
クラウド基盤選定のカギは
「高い信頼性」
医療業界の物流管理に多くの実績とノウハウをもつサン・システムだが、自社でインフラを用意し、クラウド基盤を構築するには費用面でも時間面でも非常に大きな負荷が生じる。そのため、同社はNTTコミュニケーションズと協業し、クラウドのサービス基盤にNTTコミュニケーションズの「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を選定した。 サン・システムの医療ソフトウェア本部主任の島田仁嗣氏は、「医療機関に提供するサービスには、高い信頼性が求められます。高品質で安定したサービスを提供するためのクラウド基盤として、NTTコミュニケーションズのインフラ以外は考えられませんでした」と、協業を決めた理由を説明する。
さらに、「Biz ホスティング Enterprise Cloud」を活用したことにより、物流管理システムを安定的かつ低価格で提供できるようになったとし、「従来、当社の物流管理システムのターゲットとしていた中核病院は、全国でおよそ800施設ほどしか存在しませんでした。それがクラウドによる提供を開始したことで、ユーザーのすそ野が中小規模の病院から調剤薬局、診療所まで拡大しました」(松本氏)という。
特定分野に強い
パートナーとの協業を強化
サン・システムでは、3年前からクラウド上で利用できる医療機関向け物流管理システム「Medical Stream 総合物流グループ管理版」を、中核病院から薬局など幅広い規模の医療施設に向けて展開している。例えば、250を超えるグループ傘下の医療施設に医薬品を提供している中央医科薬品では、「Medical Stream」を採用したことにより、グループのなかで購買情報やマスタ更新を集約化でき、物流管理の“見える化”を実現できたという。 サン・システムでは、すでに400を超える施設にシステムの導入を行っている。現在は、医薬品の管理を中心に物流管理システムをクラウドで提供しているが、今後はさらに診療材料管理や原価管理などもクラウド形態に置き換えていく予定だ。これにより、医療施設内のモノの管理がすべてクラウド上で完結できるようになる。
一方、NTTコミュニケーションズの第五営業本部営業推進部門長/企画部門長の工藤潤一氏は、「サービス構築のためのインフラを提供する当社にとっては、特定分野に特化し、独自の強みをもっているサン・システム様との協業はとても重要です。今後はパートナーの皆様の商材を組み合わせたり、当社の海外拠点を利用したグローバル展開を図ったりと、協業によるシナジーをさらに拡大させていきたい」と、特定分野に強いパートナーとの協業ビジネスに期待を込める。
今回の協業が医療業界における物流管理のIT化を強力に後押しすることは間違いない。
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