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大塚商会「実践ソリューションフェア2014」 展示方法を製品別からソリューション別に来場者が自らの課題に気づく場を提供

2014/03/13 19:55

週刊BCN 2014年03月10日vol.1521掲載

 大塚商会(大塚裕司社長)は、2月5日~7日の3日間、恒例の自社イベント「実践ソリューションフェア2014」を、東京都内のホテルで開催した。今年のテーマは、「ITでコストを見直し、元気をおとどけ。」とした。パソコンやサーバーなどのハードウェアをはじめとして、業務システム、モバイルデバイスの活用、節電対策、セキュリティ、ウェブサービス、ネットワークなどの各ソリューションまで、同社が取り扱う最新の有力製品・サービス300種類以上を展示した。3日間合計で、7684社、1万410人が来場し、イベント会場は大きな盛り上がりをみせた。

300種類以上の製品・サービスを展示

メインステージとなった「テーマステージ」

ステージでのデモを拡充

 今回の「実践ソリューションフェア」の特徴は、従来のような製品別の展示から、「ソリューション」の提案に重きを置いたことだ。大塚商会ならではのIT商材の組み合わせやアイデアを生かして、ソリューションプロバイダとしての側面を強調したかたちになった。

 マーケティング本部を担当する後藤和彦・上席執行役員は、「経済環境が好転してきていることもあって、お客様のニーズはコスト削減だけでなく、企業の成長にどうITを生かすかという観点も重要になってきている。そのため、新たな価値を感じてもらえるソリューションを強調した」と、ポイントを語る。

 その端的な例が、デモンストレーションを行うステージの拡充だ。コミュニケーションツール、ネットワーク、照明など、既存のオフィス内システムと最新IT技術の統合を提案するメインステージ「テーマステージ」に加えて、ソリューション別に4種類のステージを展開した。

 オフィスの節電ソリューションにフォーカスした「LED&BEMS スマート節電ステージ」では、LED照明の多彩なラインアップや、スマートコンセントでの照明コントロール、BEMS(ビル管理システム)を利用した空調制御などを披露。複合機を核に業務効率の向上を提案する「複合機活用ステージ」では、タブレット端末やクラウドサービスとの組み合わせ方法をシーン別に紹介した。

 また、「業務システム活用ステージ」で、大塚商会の子会社であるOSKが展開する基幹業務システム「SMILEシリーズ」や、統合型グループウェア「eValue NS」と、さまざまなデバイスとの連携の仕方をわかりやすく解説した。このほか「3D活用ステージ」では、製造業向けのCADや、話題を集めている3Dプリンタなどの3D設計ソリューション、建設業向けBIM(ビルディングインフォメーションモデリング)、CIM(コンストラクションインフォメーションモデリング)などのツールを導入するメリットもアピールした。

3Dプリンタ周辺には大きな人だかりが

目玉となった
「最新ソリューションパーク」

 さらに、今回の展示で多くの来場者から人気が高かったのが「最新ソリューションパーク」コーナーだ。「成果につながるクライアント活用」「安全強化で会社の信頼アップ」「新しいワークスタイルで機動力アップ」「Webサービスで今すぐはじめる」という四つのテーマで、文字通り、IT製品・サービスを組み合わせたソリューションの展示を行った。後藤上席執行役員は、「商材別に並列で展示するのではなく、製品を組み合わせてお客様が何を実現できるかをわかりやすく示すことにこだわった」と説明する。

 テーマごとに展示内容を細かくみていくと、「成果につながるクライアント活用」では、パソコンやタブレット端末の活用方法を提案。販促物などを、営業担当者のタブレット端末などにタイムリーに配信し、現場からのフィードバックを販促物の制作にも生かす「コンテンツ配信ソリューション」は、とくに大きな注目を集めた。

「成果につながるクライアント活用」のコーナー

 セキュリティソリューションを紹介する「安全強化で会社の信頼アップ」のコーナーでは、Windows XPのサポート終了を大きなテーマに据えた。延命策であるソフト型のIPS/IDSによる仮想パッチ機能のコーナーで足を止める来場者が目立った。また、資産管理ツールによるセキュリティの統合管理や、ウェブからの脅威への対策として、ゲートウェイ対策や感染被害拡散防止ソリューションに対するニーズも高いようだった。

「安全強化で会社の信頼アップ」のコーナー

 「新しいワークスタイルで機動力アップ」については、テレビ会議/ウェブ会議や、無線LANソリューション、リモートアクセスソリューションなどを組み合わせることで、業務効率の向上を実現できることをアピール。さらに、LTEなどの普及で、年々高速・大容量の通信環境が整ってきており、音声、映像を組み合わせたスムーズなコミュニケーションにより、外出先でも効率的な業務ができることを訴求した。

「新しいワークスタイルで機動力アップ」のコーナー

 さらに、「Webサービスで今すぐはじめる」では、大塚商会が取り扱っているサブスクリプション(長期契約)で使えるウェブサービスを網羅的に紹介した。とくに、ASPサービスで提供する業務アプリケーションやオンラインストレージサービスと、サーバー管理、ネットワークなどのインフラ系サービスをまとめて展示したことは、来場者の支持を得たようだ。

「Webサービスで今すぐはじめる」のコーナー

 「最新ソリューションパーク」全体の展示の手応えについて後藤上席執行役員は、「会場中央に当社技術者がお客様からの相談に答える『ITなんでも相談コーナー』も設け、多数の相談に対応できた。また、これまで当社の営業担当者がお客様のニーズを個別にうかがって、該当製品の展示場所に案内していたが、今回は、ソリューションを前面に押し出したことで、営業がアテンドしていないお客様にも、的確な訴求ができたと感じている」としている。また、自分たちの課題を明確には認識していなかった来場者が、ソリューションの展示を目にすることで、製品カットではみえなかった課題に気づくケースも多かったという。新たな展示方法は、来場者のニーズを的確に捉えたようだ。

講演・セミナーも好評

 なお、展示のほかには、講演・セミナーも充実した内容が来場者の好評を博した。3日間で特別セミナーを9コース、一般セミナーを51コース、CADセミナーを体験型・聴講型合わせて23コース用意した。特別セミナーでは、東京大学大学院情報理工学系研究科の江崎浩教授や読売新聞の橋本五郎特別編集委員など、著名な識者を講師に招き、社会・経済の将来展望や、IT産業の市場トレンドなどを解説。一方、一般セミナーは、新優遇税制の解説など、ユーザーのIT導入に関する実務面にフォーカスした幅広いプログラムで構成し、多くのセミナーが満席となった。
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外部リンク

大塚商会=http://www.otsuka-shokai.co.jp/