Special Issue
日本IBM、VADとともに変革することでパートナービジネス拡大を目指す
2014/03/06 19:55
好調な滑り出しを見せる商流変更
VADとして契約しているディストリビュータは、JBグループのイグアス、日本情報通信(NI+C)が設立したVAD新会社エヌアイシー・パートナーズ、トッパン エムアンドアイと兼松エレクトロニクス、東京日産コンピュータシステムによるITディストリビューション事業の合弁会社グロスディーの3社。これまで日本IBMと直接取引してきたソリューション・プロバイダは、VAD経由で商品を仕入れることになった。日本IBMは、この商流の変更で、VAD経由での売上高の倍増を目指しているが、今のところ滑り出しは好調なようだ。これまでそれほど大きくなかったVAD経由のビジネスだが、すでにVAD経由での売上高は、日本IBMが手がけるパートナービジネスの大半を占めるようになった。
実績を積み上げて販売パートナーの満足度をさらに向上
日本IBMと直接取引していたSIerからは、「VADから、日本IBMと同じレベルの支援を受けられるのか」と、質問を受けることもある。しかし、パートナー事業ビジネス・オペレーションズ部長の小栗良介氏は、「まだ開始したばかりで、想定していない事態も起きてはいますが、迅速かつ柔軟に対処しております。販売パートナー様にもさらにご満足いただくために、実績を積み上げていくしかないと考えております」と力を込める。日本IBMは、例えば各製品のエキスパートである社員をVADに出向させるなど、VADへの支援を手厚く行っている。同時に、VADの販売パートナーの声を日本IBMにも伝えてもらえるよう経営層同士の定期的会合を開くなど、実担当者と経営層が一体となった連携をスタートさせた。販売パートナーの窓口はVADになったが、日本IBMも販売パートナーのスキル支援やマーケティング活動に対する直接的な投資を拡大しており、日本IBMとVADが一体となって販売パートナーの支援を加速させている。
販売パートナーは自社の強みを生かした提案に経営資源を集中できる
VAD経由の商流は、ソリューション・プロバイダにもメリットをもたらす。VADが、販売パートナーの営業活動や提案力・技術力の向上をサポートするようになるだけでなく、販売パートナーが複数ベンダーから製品を引くことで発生する、さまざまな業務の煩雑さから解放するからだ。また、コンサルティングやSI、カスタマイズなど、ユーザー企業の課題を解決する付加価値の高いサービスは販売パートナーが担当するので、自社の経営資源をソリューション提案に生かし、ユーザー企業に自社の強みを生かした提案ができるようになる。商流の変更で、これからVADの役割は大きく変わっていくだろう。VADは、販売パートナーのビジネス拡大はもちろん、日本IBMのパートナービジネスの拡大にも欠かせない存在となるはずだ。日本IBMの新たな挑戦に注目だ。
日本IBMとVADが協力してこれまで以上にパートナーをサポート
IBMは、パートナービジネスの拡大に多額の投資を継続しております。今回、ビジネスモデルを各国のIBMと共通にしたことで、IBMがグローバルで展開している施策を、国内のパートナー様がさらにスピーディーに活用できるようになります。「日本IBMとの距離が遠くなるのでは」というパートナー様の声もありますが、今回の変革により、新しい市場、新しい分野におけるパートナー様のビジネスをいっそう拡大できると確信しております。現在、日本IBMとVADは、パートナー様への具体的なご支援について、日々、経営層を含めた踏み込んだ話し合いを続けています。当社とVADが一体となって、これまで以上にご満足いただけるサポートを提供してまいります。
ソリューション・プロバイダ様や当社製品のお取り扱いを検討されている企業様には、今回の商流変更へのご理解を深めていただき、ぜひ日本IBMとともにビジネスを拡大していただきたいと考えています。
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