Special Issue

<プリンタメーカー座談会 2014>2014年は回復から成長を目指す年に パートナーと一緒になって新しいソリューションの構築を目指す

2014/02/27 19:56

週刊BCN 2014年02月24日vol.1519掲載


●他社の気になる
製品、サービスとは?


──ここからはフリートークでいきたいと思います。まずは、他社の技術、製品やサービスについて、気になっていることをお互いに質問してみませんか。

鈴村(エプソン販売) それでは私から。ブラザーさんは「ビジネス応援祭」で、製品の購入者にホームページをプレゼントするという企画をされていますが、その狙いを教えていただけますか。

大澤(ブラザー販売) 当社の主なお客様である中小規模の事業所では、自社のホームページがないことも少なくありません。しかし、市場調査ではホームページがほしいという要望があることがわかりましたので、キャンペーンに取り入れました。キャンペーンの反響がわかるのはこれからですが、それなりのニーズはあると考えています。

沢田(キヤノンMJ) 私は、HPさんの「インク定額パック」が保守まで含めたモデルでインクカートリッジの上限を設定されているということで気になっています。どのように上限本数のカウントをされているのですか。ビジネスモデルとして非常に興味深いです。

松本(日本HP) インクカートリッジ補充は、基本的にはEメールで通知される仕組みがあり、窓口からお客様に連絡をして必要なインクカートリッジの色を確認しております。万が一Eメールが設定できない場合も、お客様から窓口にインクカートリッジ補充の連絡をいただくことになりますので、マニュアルでカウントできる仕組みを構築しております。また、採算が取れないビジネスは決してやれませんので(笑)、多少ではありますが、儲かるようにがんばっております。では、私からはブラザーさんにおたずねしますが、インクジェットのA3モデルは、どのようなユーザー層に売れていますか。

大澤(ブラザー販売) コンパクト・多機能を売りにしたA3モデルなので、省スペース性が求められる事業者が中心です。例えば、建築事務所、設計事務所などで、図面の試し刷りなどに活用されているようです。

●クラウドはまだ非現実的
ビジネスには至らない


細谷(リコージャパン) 皆さんにお聞きします。クラウド対応のニーズが盛んに語られていますが、現時点では、私自身はあまり実感できません。実態としては、どれほどのニーズがあると感じておられますか。

鈴村(エプソン販売) クラウドが関わる案件はありますが、まだこれというモデルを確立できているわけではないですね。

松本(日本HP) 確かに、まだ現実的に儲かるソリューションとはいえないですね。

大澤(ブラザー販売) 前述の「ブラザーオンライン」を立ち上げて、製品と連携したサービスを提供していますが、いろいろと試行錯誤している段階です。

沢田(キヤノンMJ) 当社は、自社のデータセンターも展開していますが、クラウドをプリンタだけで考えるのは無理と思います。システム全体としてトータルで価値を提供するモデルが必要です。また、訪販が中心なので、月額課金のサービスを売るメリットを訴える難しさもあります。

本体、サプライ、保守までを含めてご提案できる仕組みを、当社、パートナー様、お客様というBtoBtoBを考慮した流れとして構築していく。


キヤノンマーケティングジャパン
ビジネスソリューションカンパニー
BSマーケティング統括本部
オフィスデバイス企画本部
ページプリンタ企画部
部長
沢田 泰一 氏

ページプリンタ、カートリッジ、保守関係など、オフィス向け製品とサービスの企画を担当する。



LBP9660Ci
A3カラーレーザープリンタ
カラー:31枚/分
モノクロ:31枚/分
標準価格:208,000円(税別)

LBP8730i
A3モノクロレーザープリンタモノクロ:40枚/分標準価格:148,000円(税別)

カラー/モノクロレーザープリンタ、複合機を「Satera」ブランドで展開。省エネ性能にも強みを持ち、新基準となった国際エネルギースタープログラムにもすでに多くの機種が適合。

──最後に、プリンタビジネスが今後も継続して成長していくためにどのような取り組みをされるのか、パートナーへのメッセージを含めてお話しください。

細谷(リコージャパン) コンパクト、スピード、耐久性など、お客様が求められる要望にしっかりとお応えするとともに、パートナー様と一緒になって知恵を絞り、価値のあるソリューションを提供していきます。

大澤(ブラザー販売) コストパフォーマンスの向上が最重要課題です。そのため、当社の強みとする高機能やコンパクトをさらに追求していきます。同時に、さまざまなニーズにお応えするプリンティングサービスの提供を目指します。

松本(日本HP) 世の中のペーパーレス化の流れにあえて反発したいですね。実際、極端に需要が減るとは考えていませんし、新たなプリントの機会を創造していきたいと思います。

沢田(キヤノンMJ) 本体、サプライ、保守までを含めてご提案できる仕組みを、当社、パートナー様、お客様というBtoBtoBを考慮した流れとして構築していきたいと思います。

鈴村(エプソン販売) お客様のプリンタに対するお困りごとは、突き詰めればコスト。それを当社の強みであるインクジェットを通じて解決していきます。

──長時間にわたる有意義なお話を、ありがとうございました。

関連記事

キヤノンマーケティングジャパン 「Satera」レーザービームプリンタ 21年連続国内シェアNo.1※

<プリンタメーカー座談会 2013>2013年は本格的な回復を目指す年になる!

BtoB体質への転換を打ち出すエプソン 新プリンタヘッドの投入で巻き返し

日本HP オフィス向けプリンタに本格参入 パソコンの代理店網で拡販を図る

ブラザー販売 ビジネスに特化したイベントを開催 新製品や業種別ソリューションを展示

外部リンク

エプソン販売=http://www.epson.jp/

日本ヒューレット・パッカード=http://www8.hp.com/jp/

ブラザー販売=http://www.brother.co.jp/

リコージャパン=http://www.ricoh.co.jp/

キヤノンマーケティングジャパン=http://cweb.canon.jp/