Special Issue
<プリンタメーカー座談会 2014>2014年は回復から成長を目指す年に パートナーと一緒になって新しいソリューションの構築を目指す
2014/02/27 19:56
週刊BCN 2014年02月24日vol.1519掲載
松本(日本HP) 昨年11月にギネスブック認定の世界最速をうたう「HP Officejet Pro Xシリーズ」という新しいカテゴリの製品を発売しました。ビジネスインクジェットは、この製品を中核に販売していきます。また、ハードだけでなく、サプライ品にも注力していきます。当社には「インク定額パック」という、サプライ品とプリンタの保守サービスをセットしたサービス製品があります。これを新しいビジネスモデルとして確立したいと考えています。プリンタの製品自体には自信があるので、あとは販売面でどのような提案をするかを検討していきたいと考えています。
沢田(キヤノンMJ) 昨年末に発売したA3カラー・A3モノクロの新製品が国際エネルギースタープログラムの新基準にいち早く対応しました。この製品を年度末の商戦に向けて拡販していきます。ただし、多様化するお客様のニーズに対応するためには、プリンタ単体の商品力だけでなく、ソリューションへの注力が不可欠です。
鈴村(エプソン販売) 以前から言い続けていることですが、ビジネスインクジェットを打ち出していきます。お客様に感動を与えられるようなソリューションを実現したいと考えています。
──収益確保には、ソリューションが一つのキーになると思いますが、そのなかでプリンタをどう位置づけ、どのような施策に取り組みますか。
鈴村(エプソン販売) プリンタは本来、誰もがストレスなく思い通り使えることが重要です。つながる相手がパソコンからタブレット端末などへと変化するなかで、パソコンにつないだとき以上の使いやすさを実現できるかどうかがカギを握ると考えています。それを実現するものとして「Epson Connect」の深化をさらに進めますが、昨年には、よりセキュアに活用できるようオンプレミス版の「メールプリント for エンタープライズ」を出しました。これを軸に展開します。
沢田(キヤノンMJ) ハード単体でできることは限りがあります。そこで、いかに価値あるソリューションと組み合わせて提供できるかが重要になります。それによって当社製品を継続して使っていただくことにつながり、最終的な収益に結びつくと考えています。
松本(日本HP) パートナー様との連携は一つのカギです。「インク定額パック」はお客様向けだけでなく、パートナー様にも利益を取っていただき、お客様を囲い込む大胆な施策を可能としておりますので、担ぎやすいサービス製品となっています。また、タブレット端末からのワイヤレスダイレクトによる出力なども、パートナー様とともにソリューションとして販売することを検討していきたいと思います。
大澤(ブラザー販売) お客様のニーズとして、接続性は重要なキーワードです。例えば、「Brother iPrint&Scan」はタブレット端末などへの接続性の一つの解決策になると考えています。Google Cloud Printなど、すでに対応しているクラウドサービスもありますが、今後も対応サービスを増やしていきます。また、高速インクジェットプリンタを展開していくなかで、プリントに関する要望が多いこともわかりました。インクジェットの強みを生かして、ニーズに対応していきます。
細谷(リコージャパン) 三つの視点で考えています。一つ目はお客様の業務課題を解決するソリューションとしてプリンタを組み込み提供すること。二つ目は、プリンタをより便利にお使いいただくために付随するソフトウェアやサービスの拡充。三つ目は、減少している収益を改善するための新しい収益源の確保です。その三つの視点から、それぞれ適切な施策を打っていきます。
●パートナーとの連携で
儲かるソリューションを実現
──パートナーの方々との関係をどのようにお考えですか。また、関係を強化するために、どのようなアプローチを考えておられますか。
鈴村(エプソン販売) 業種・業務向けソリューションを実現するうえで、特定業種のシステムを担当されているSE(システムエンジニア)の方々と、どう関係を築いていけるかは大きなポイントです。お客様と接するSEの方々に、当社の製品の良さを分かってもらうことが重要です。当社といえば「お得祭り」と思われていますが、パートナー様に向けた技術支援も昨年から積極的に取り組んでいます。その取り組みを通じて、SEの方々へのアプローチを強化したいと考えています。
沢田(キヤノンMJ) 当社は、メーカー系販社であることに加えて商社という側面もあります。実際、会社の方針として「Beyond CANON, Beyond JAPAN」を掲げて、グループに留まらない連携を推奨しています。パートナーの方々にも、直販部隊のノウハウを共有したり、エリアごとの販売戦略を一緒になって構築していこうと考えています。また、当社の主力商品のオフィスMFPや、その他多くのプロダクトがあるなかで、プリンタをどう位置付け、パートナーの皆様の収益につなげられるかは課題です。施策面では、チャネル別に適切な手を打っていくことが大切で、今年は価格面、プロモーションなどもチャネル別のプログラムを展開していく予定です。
マーケティング推進部長 兼
戦略事業推進プロジェクト
プロジェクトマネージャー
大澤敏明 氏
ビジネス向け複合機、インクジェットプリンタ、レーザープリンタなど国内向け商品の企画と広報宣伝を担当する。
A4レーザー複合機
モノクロ:22枚/分
カラー:22枚/分
用紙サイズ:A4
参考価格:70,000円(税込)
A3インクジェット複合機
モノクロ:約22ipm
カラー:約20ipm
用紙サイズ:最大A3
参考価格:65,000円(税込)
「JUSTIO」ブランドのレーザー20機種と、「PRIVIO」ブランドのインクジェット21機種をWORKS、NEO、BASICの3シリーズで展開。一昨年に100ppmを実現したモノクロ高速インクジェット製品を発売した。
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外部リンク
日本ヒューレット・パッカード=http://www8.hp.com/jp/
ブラザー販売=http://www.brother.co.jp/