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サイボウズ 青野社長と中原営業本部長が2014年の抱負を語る ――クラウドで日本のSIビジネスを変革! パートナー連携でエンタープライズを攻める
2013/12/27 19:55
週刊BCN 2014年01月06日vol.1512掲載
高まる「cybozu.com」の存在感
「cybozu.com」は、中小規模システム向けのグループウェア「サイボウズ Office」、大規模向けの「Garoon」、業務アプリの開発環境を提供する「kintone」、グループメーラー「メールワイズ」の4種類のサービスで構成される。2011年11月に提供を開始して以降、有料契約数は5500社を突破。毎月200~300社のペースで顧客を獲得している。青野社長は、「どのサービスがとくに好調というのではなく、『cybozu.com』のポートフォリオ全体が成長している」と説明する。「サイボウズ Office」は、毎月およそ200社ずつ新規顧客が増えており、「オンプレミス版を発売して以来15年が経過した製品が、今でもこれだけ売れているのは驚き」という。内訳をみると、「Garoon」は従業員数1000人以上の大企業の顧客が増加。「kintone」はサービス単体の有料顧客数が1000社を超えた。販売が順調に伸びるにつれて、「cybozu.com」の存在感がユーザーの間で高まってきている。例えば、13年11月に開催した自社イベント「cybozu.com カンファレンス 2013」には、1000人を超える来場者があり、ユーザーの注目が急速に高まっている。また、中原執行役員が、「米国でもウェブサイトを立ち上げて、『kintone』の販売実績が出てきただけでなく、クラウドサービスを専門で販売している中国では、顧客数が350社に到達した」と実績を誇るように、海外でもブランド力が高まってきている。
SIパートナーの拡充に力を注ぐ
「cybozu.com」が好調な理由としては、これまでのグループウェア市場での販売実績とブランド力、国内のDCで運用しているクラウド基盤の安定性や、月額定額制の料金体系が高く評価されていることが挙げられる。2013年には、販売戦略として、パートナーとの協業によるエコシステムの構築に力を注いだことが成果につながった。とくに「kintone」については、サービス上で提供するビジネスアプリを開発するベンダーや、「kintone」と連携するソリューションを提供するベンダーとの協業を積極的に進めてきた。この結果、「kintone」のアプリマーケット上で提供する新規ソリューションの数は50製品まで増えている。連携ソリューションの種類は、オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供する販売管理システムの商奉行・蔵奉行シリーズや、アプレッソのデータ連携ソフト「DataSpider Servista」、ウイングアークの帳票ソフト「SVF」、OSKの販売管理システム「SMILE BS 2nd Edition 販売管理」などさまざまだ。青野社長は、「IT業界の“カテゴリーキラー”ともいうべきソリューションを提供するベンダーとの協業を実現している」と自信をみせる。中原執行役員は、「連携ソリューションを提供するベンダーのパートナー企業が『kintone』を取り扱ってくれるようになっており、販売のすそ野が広がっている」と、協業の効果を語る。
しかし、青野社長は、「これではまだ物足りない」と本音を漏らす。「kintone」の顧客は、中小企業だけでなく、大企業が増えており、しかもそうした企業は「kintone」をカスタマイズして、自社用につくり込んで使いたいというニーズをもっている。そこで、両氏は、「2014年は、『kintone』を軸としたSIビジネスに力を入れる」と明言する。具体的には、「kintone」のアプリストアから顧客に対して適切なアプリを提供できるパートナーと、APIを利用して顧客に合わせたアプリを開発するパートナーを積極的に拡充していく。支援体制として、コミュニティサイトの開設と運営、開発者向けアカウントの提供、技術サポートなどを14年4月から順次開始していく予定だ。また、「kintone」の価格体系を「Light」と「Standard」に切り分ける。APIを提供する「Standard」は、価格を1ユーザーあたり1500円に引き上げて、SIパートナーが利益を得やすいようにする。
SIerにとって、「kintone」のパートナーとなるメリットは大きい。「kintone」のカスタマイズは、簡単に短期で開発できるという特徴がある。これをうまく生かせば、従来の一括請負型のSIビジネスではなく、サポートやメンテナンスを含めた継続的なサービスとして提供できる。多くのSIerにとって喫緊の課題となっているストックビジネスを手がけることが可能なのだ。
青野社長は、「日本のSIビジネスは停滞している。これを変えて、日本を元気にしたい。そのために、SIerにはクラウドインテグレータになっていただきたい」と、2014年の抱負を熱く語った。
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