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<スマートデバイス時代のネットワークソリューション特集>エス・アンド・アイ 「スマートフォン内線システム」と「クラウドストレージ」でスマートデバイス時代のワークスタイルを強力に支援

2013/12/26 19:55

週刊BCN 2013年12月23日vol.1511掲載

 ここ数年で急速に普及したスマートフォンやクラウドサービスは、従来の携帯電話やネットワークサービスにはなかった機能と利便性を備え、企業にとって魅力的なコミュニケーションツールとなった。エス・アンド・アイは、スマートデバイスをさまざまなビジネスシーンで活用できるソリューション・サービスを開発し、利用者から高い評価を得ている。とくに、スマートフォンで会社番号での発着信を可能にする「uniConnect 3」と、ユーザー企業・団体のデータを預かるクラウド型ストレージ「sactto! ファイリング」は注目度が高い。同社では、いずれの商材もビジネスパートナーを通じて提供しており、いま新たなパートナーのさらなる開拓に踏み出している。

【uniConnect 3】
音声回線利用時もVoIP通話時も、FMCを実現
スマートフォン内線化ソリューション

 「uniConnect」は、エス・アンド・アイが2009年10月に発売したスマートフォン内線化ソリューションだ。固定電話回線とLAN回線を収容して通話を制御するサーバーと、発着信や保留・転送などの操作を行うスマートフォンのアプリケーションソフト(uniConnectダイヤラー)で構成。スマートフォンから会社の電話番号で相手先と通話したり、内線通話をしたりすることができる。uniConnectダイヤラーは、保留/転送/ピックアップなどの一般的な内線電話機と同じ機能を持つほか、共有アドレス帳やボイスメール、リモートワイプなどスマートフォンならではの機能も備えている。

執行役員 マーケティング本部
本部長 増田隆一氏
 2013年10月16日に発表した「uniConnect 3」は、4年間も改良を続けてきた成果が凝縮された最新バージョン。従来からの携帯電話網を通じた通話に加え、新たにVoIP(Voice over IP:IPネットワークを使う音声通話技術)による通話方式にも対応した。それによってスマートフォン以外にも、携帯電話網との契約が付随しないスマートデバイス(白ROM端末)や、iPod touchなどの高機能デバイスでも利用できるようになった。

 スマートフォンから発信する際には、uniConnectシステム側からコールバックする接続方法を選択することもできる。従業員が私物として所有する端末を業務に使うBYOD(Bring Your Own Device)の場合でも、私用通話にスマートフォン固有の電話アプリ、業務通話にはuniConnect のダイヤラーを使うことで“公私”を明確に区別でき、通話料金の自動分計も可能だ。

 マーケティング本部・執行役員の増田隆一本部長は「会社貸与のフィーチャーフォンと、個人でスマートフォンの『2台持ち』の人が増えていますが、『uniConnect 3』ならば、業務とプライベートの両方をスマートフォン1台に集約できます。uniConnectは、固定回線からの発信になるので、すべての通話が携帯電話よりも安くなります」とメリットを説明する。

マーケティング本部
高畠慶一氏
「VoIPにも対応したことで、携帯電話契約をしない『白ROM』スマートフォンやiPod touchなどの一部の高機能デバイスを通話端末として使うことができるので、『電話機』として使うデバイスの選択肢が広がりました」
 「uniConnect 3」では、サーバー側システムにもさまざまな改良を施した。ウェブブラウザで、わかりやすく簡単に利用できる管理コンソールが用意され、専門のエンジニアでなくても設定・管理ができるようになった。ユーザーアカウントや共通連絡先の一括登録、端末ごとのスケジューリングやピックアップ設定(代表番号などの着信時に優先して鳴る電話機の設定)、端末ログや利用状況取得、さらにはモバイル機器にありがちな紛失・盗難に備えたアプリケーションのロックやワイプといった多彩な管理機能を手軽に使うことができる。

 また、中堅・中小企業の規模での採用が多いことを受け、シスコシステムズの統合型ルータを採用した一体型の構成、つまりアプライアンスサーバーも新たに選択できるようにした。

 販売するITベンダーにとっては、アプライアンス化したことで構成がシンプルになり、導入・設置の作業を大幅に軽減できるようになった。uniConnect担当の高畠氏は「アプライアンス化は良い意味での『ブラックボックス化』です。スキル要件が減ったことで、ほとんどのITベンダーが、ユーザーに提案できるようになりました。かつてないレベルでお取り扱いしやすい商材になったと自負しています」と、uniConnectを販売するパートナーにとってもメリットが大きいことを強調する。

 既存のPBX(構内交換機)を併用したいユーザー企業のための「PBXビハインド型構成」も可能で、PBXのリース期限が先の場合や、いまお使いの固定電話をそのままにスマートフォンを内線網に追加したいというニーズにも対応できる。また、「uniConnect 3」の導入に際し、初期費用をできるだけ抑えフラットな経費として扱いたいというニーズにあわせて、契約期間に機器の利用料とライセンス費用を分割で支払う月払いモデルも用意した。100本の電話番号を利用するモデルケースでは、5年契約で「月額9万7000円+電話料金」になり、コストパフォーマンスは高い。



●「提案しやすい」商材になって販売チャネルの拡大を積極的に推進

 「uniConnect 3」のリリースと同時に、エス・アンド・アイは新たな販売パートナーを募集している。「スマートフォンの企業利用が拡大するのと同時に、ユーザー様の引き合いが爆発的に急増していて、今年9月から販路拡大に積極的に取り組んでいます。uniConnectアプライアンスで、ITベンダーの提案メニューに加えやすい商材となりました。また、ディストリビュータや携帯販社などシステム構築の苦手なパートナー様の販売支援のひとつとして、全国規模で導入と保守業務を手がけるオムロン フィールドエンジニアリング様が導入実務を担う仕組みを用意しています。安心してuniConnectをお取り扱いいただけます」(増田本部長)。

uniConnectはオフィスの無人受付(iPad)との連携も容易だ

【sactto! ファイリング】
お求めやすい価格で、安心の容量無制限
法人専用クラウドストレージの販社を募集

 「sactto! ファイリング(サクットファイリング)」は、容量無制限で利用できるクラウドストレージサービスだ。Windows/Mac OS X/iOS/Androidなど複数のプラットフォームに対応して、社内外とのファイル共有が便利に利用できる。

 クラウド型のストレージサービスは他社も提供しているが、その多くは預けるデータ保管容量に上限があるのに対して、「sactto! ファイリング」は容量無制限。加えて、1IDあたり月額900円(税別)という低価格で、法人の利用に欠かせない暗号化はもちろん、管理者機能やセキュリティ機能、共有機能を備えている点が特長だ。ユーザー1人(1アカウント)で複数の端末を使い分けることができ、例えば、会社のPCでアップロードしたファイルを、外出先ではタブレット端末やスマートフォンから利用できるなど、モバイルワークを推進している企業から高く評価されている。

マーケティング本部
疋田和可奈氏
「『sactto! ファイリング』は、どれだけ使っても定額なので、アイデア次第でさまざまな使い道がみつかります。ぜひお客様への提案に盛り込んでいただきたいですね」
 「昔からオフィスで行われてきた、紙の書類を分類して整理をして、みんなと共有するという行為と同じように、電子データの分類・保管・共有をクラウドで手軽にできるようにしたいというコンセプトです。使い始めると、あまりに便利で手放せなくなる」と増田本部長は説明する。

 「sactto! ファイリング」の概念はシンプルだ。データの格納場所としてPCのドライブに相当する「Vault」(ボルト:「金庫」)を設定し、そのVaultのなかにフォルダをつくってファイルを管理する。ウェブブラウザ経由で直接クラウド上にあるファイルにアクセスするという方法と、専用アプリケーションでPCのローカルドライブとクラウド上のVaultを同期させて、ローカルに保管されたファイルを使用するという2つの方法がある。後者ならオフライン状態でも使用できる。もちろん、ローカルデータを含むVault内のデータは、すべて自動的に暗号化されている。また、PCの紛失/盗難時には、リモートから同期されたローカルデータの遠隔消去を実行できる。

 「クラウドに保管する容量は無制限ですが、同期させたVaultは、PCの内蔵ドライブの容量によって制限を受けることになるので、Vaultによって役割を分けるのが使いこなしのコツです。頻繁に更新されるファイルは、PCとの同期を行うVaultに保管しておき、『滅多に使わないけれどなくなったら困る資料』は、保管専用のVaultにまとめて、クラウド上にどんどん保管してPCから追い出していく、といった使い方ができます」(疋田氏)。

 また、「sactto! ファイリング」のファイル共有の方法は多彩。Vault単位、フォルダ単位、ファイル単位で共有ができる。メールに添付できないサイズのファイルを共有する場合にも、相手にダウンロードリンクを通知するだけでよい。例えば出版会社なら、デザイナーと編集部、印刷所で「sactto! ファイリング」を使えば、ファイルサイズを気にせずに大量の写真や原稿、入稿データのやりとりが容易になる。広告代理店なら、過去何年分ものクリエイティブデータを個別のVaultに保管したり、制作チームと営業とでファイルを共有したり。膨大な数の図面を保管する建築会社なら、災害対策としてクラウドにデータを保管しておくなどにも使える。低価格なサービスでありながら、初めてクラウドストレージを利用するユーザー向けに、毎週木曜日に『便利な使い方講座』を開催するなど、ユーザーが利用しやすい環境づくりにも余念がない。

 増田本部長は「sactto! ファイリング」も積極的に販売パートナーを募集したいと語る。「『sactto! ファイリング』は、ごくごくシンプルなクラウドストレージなので、特別なスキルは必要ありませんから、どなたにでも販売ができると考えています。便利なうえに低価格なので、パートナー様がお持ちの製品・サービスと組み合わせながら、商談を膨らませていただきたい。例えば、デジタル複合機と組み合わせれば、スキャンやFAXで受信した書類を自動でVaultに保管したり、外出先からスマートフォンで確認したり、外部と共有するといった使い方が簡単にできるようになります。コピー機や複合機系の販社様のプラスアルファの訴求ポイントとして使っていただけるでしょう。また、教育機関では、教職員用に持ち帰り資料の管理や共有、教職員と学生との間での資料共有、あるいは学生たちに開放してサークル活動などに活用してもらうなどの使い方が考えられ、販社様はタブレット端末やノートPCとセットにした売り方もできます。なんといっても、大学4年間を通じて学生がとことん便利にストレージを活用しても、1人あたり約4.3万円ですから(笑)」。

 ユーザーのニーズを最優先に考えソリューションを提供し続けるエス・アンド・アイは、ユーザーだけでなく、再販するITベンダーのメリットも考えて製品・サービスを企画・開発している。スマートデバイスとクラウドビジネスを拡大させたいと考えているITベンダーにとっては、両製品を取り扱う価値は十分にある。

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外部リンク

エス・アンド・アイ=http://sandi.jp/