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<スマートデバイス時代のネットワークソリューション特集>キング・テック 見やすく扱いやすい手頃な価格のタブレット「IMPRESSION KT-V10シリーズ」 “パソコンに代わるもの”として納入実績拡大中
2013/12/26 19:55
週刊BCN 2013年12月23日vol.1511掲載
「高画質、高機能、低コスト」で業務用途にも進出
OSにAndroidを搭載したタブレット端末「IMPRESSION」シリーズは、キング・テックが日本での独占販売契約をメーカーと結び、日本向けに「技適マーク」を取得し、日本語入力アプリケーションを導入した端末である。2012年以来、組み立てパソコン用パーツ専門店のドスパラで、店舗や通販サイトを通じて販売されている。「強みは、高画質、高機能、低コスト」と王氏は断言する。プロセッサやメモリなどのスペックは十分で、画面には視野角が広くて斜めからでも見やすいIPS液晶を採用。さらに実売1万数千円程度と、国産のタブレット端末に比べて低価格を実現している。画面サイズは5インチ、7インチ、9インチ、10インチの4モデルをラインアップしており、これまでにシリーズ全体で数万台の販売実績があるという。
この「IMPRESSION」が、ある案件でPOSレジに代わる「動かせるレジ」としてカード決済システムの端末に大量採用された。端末にカードリーダーを取り付け、無線LANを通じて決済を行う仕組みである。「極端な言い方をすると、ユーザー側からみれば端末は何でもいいのです。POSでもパソコンでもタブレットでも、必要とする機能を果たすことができれば問題ありません。ただし、導入コストはそれぞれによって大きく異なります。今回の案件では、『IMPRESSION』を採用したことで、POSレジを使った場合に比べて半分くらいのコストに抑えられたはずです」と、王氏は説明する。
普及にはソリューションがカギ 実績を足がかりに横展開
キング・テックは、もともとストレージ関連の製品販売やサービスを主力事業としてきた。例えば、同社の「データコンバージョンサービス」は、旧式の媒体や形式のデータから新たなシステムへの移行を支援するサービスで、豊富なノウハウをもち、さまざまな案件で引き合いが多い。その法人向け事業を主に手がけてきた同社が、初めてコンシューマ向け事業に挑戦したのが「IMPRESSION」の販売だ。ところが、「コンシューマ向けの販売は利益が薄い。とくに、タブレット端末は人気商品で、どの量販店でもプライベートブランドで独自商品を売り出すようになって競争が激しくなっています。その一方で、一人ひとりのお客様へのサポートが必要になるなど販売側の負担は小さくありませんし、リピーター客もあまり期待できません」と、王氏は実情を打ち明ける。そんななか、2012年の暮れ頃、同業他社が法人に対してタブレット端末を販売するケースを知って、BtoBへの展開を考えるようになったという。王氏は、「業務でのタブレット利用を普及するために必要なのは、“ソリューション”です。だからわれわれは、上流側、すなわちソリューションをつくっているベンダーにアプローチしました。BtoBなら保守料も入るし、ベンダーが間に入ってくれることでサポート対応を一本化することができます。システムを販売したいベンダーと、端末の販売やサポートでビジネスを展開したい当社の、双方にメリットがあると考えました」と経緯を語る。
こうして業務用端末の商談に取り組み、カード決済端末としての導入にこぎ着けた。現在では、中古車査定システムの端末として、数千台が見込まれる案件の商談も進行中という。どちらの案件も、システムを開発・販売しているベンダーと組んでのビジネスである。「製品の仕様だけでなく、十分なサポート対応スタッフを確保していることや、製品の品質管理なども重要な評価ポイントとされましたが、そこにコンシューマ市場での実績やBtoB事業での技術力などがプラス要因として働いたのではないでしょうか」と、王氏は捉えている。
加えて、「コンシューマへの挑戦は無駄ではなかったと思います。今後も、拡大はしないものの、続けていく考えです。とはいえ、大きく期待しているのはBtoB市場。今回の実績を足がかりに横展開を進めていきます。タブレットは、やり方によっては何でもできる端末なのだと思います。決してパソコンを完全に代替するものとは考えていませんが、タブレットは今後、コモディティな端末となり、とくに業務用で大きな存在になっていくと考えています」と、王氏は将来像を語る。
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