Special Issue
<SMB向け商材特集>中堅・中小企業にクラウドは最適 市場環境は厳しいなかで成長見込める分野
2013/12/19 15:49
週刊BCN 2013年12月16日vol.1510掲載
SMBマーケット全体はほぼ横ばいの見通し
調査会社のIDC Japanが2013年5月30日に発表した「国内中堅中小企業IT市場予測」によると、中堅・中小企業(SMB)IT市場の対前年比成長率は、「2013年は横ばい、2014年はマイナス成長」となっている。SMBをメインの顧客とするシステムインテグレータ(SIer)や販売会社にとっては厳しい予測だろう。市場全体の成長が見込めないなかでビジネスを伸ばすために、SIerやIT販売会社は付加価値のあるIT製品・サービスを積極的に取り揃えることが求められている。そこで武器になるのがクラウドサービスだ。クラウドは、低コストで導入でき、運用・管理の手間も少ないという利点がある。そのため、SMBがシステムの構築・リプレースを行う際は、まず最初にクラウドを検討する機運が高まっている。調査会社のMM総研が2013年8月28日に発表したプレスリリース「企業の情報投資行動が大きく変化 『クラウド』利用を最優先 ─国内クラウドサービス市場、需要動向調査まとまる─」では、「企業のIT投資総額に占めるクラウドへの投資比率は増加傾向。2012年度に2.1%だったクラウド投資比率は、2017年度に8.2%まで増加し、国内クラウド市場規模は2兆円を超える」と予測した。SMBのITマーケット全体が伸びないなかで、クラウドは伸び盛りなわけだ。
クラウドにチャンス セキュリティはとくに有望
さまざまな種類があるクラウドサービスのなかで、取り扱うクラウドを選定しているSIerやIT販社には、クラウド型のセキュリティサービスがおすすめだ。セキュリティは、企業規模や業種をとわず、すべての企業や団体に必要なソリューションで、業務アプリケーションソフトと他のクラウドとの組み合わせも容易。自社製品・サービスの付加価値を高めるとともに、クラウドビジネスへの足がかりとしても有効なサービスだからだ。IT調査・コンサルティング会社のアイ・ティ・アール(ITR)が公開しているホワイトペーパー「クラウドが導く 新時代のセキュリティ対策 ~『Security as a Service』の価値 ~」によると、クラウド型アンチウイルス製品の導入状況は、「(1)すでに導入している」が24.7%、「(2)未導入だが今後に向けて導入を検討している」が36.0%、「(3)未導入であり、今後も導入予定はない」が39.3%となっている。その他のクラウド型セキュリティ製品の導入状況は図の通りとなっている。メール・セキュリティなど、クラウド型セキュリティ製品の導入が進んでいる分野もあるが、多くの分野で提案の余地が残されていることがわかる。
SMBのなかには、すでにセキュリティ製品を導入している企業も存在するが、管理者の不在といった理由から、セキュリティの管理・運用まで手が回っていないケースも非常に多い。クラウド型セキュリティ製品はその課題解決に有効なソリューションだ。クラウド型セキュリティ製品を顧客提案の「ドアノックツール」として活用しているSIerや販売会社もある。
また、セキュリティを切り口に顧客企業の課題を見つけることができれば、別のソリューション提案なども可能になる。本特集では、SIerやIT販社がもつクラウド型セキュリティ商材の強みや販売戦略を紹介する。
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