Special Issue
<BCN Conference 2013>データ・アプリケーション 複雑・広域化するデータ連携 求められるサプライチェーン全体の可視化
2013/12/12 19:55
週刊BCN 2013年12月09日vol.1509掲載
データ連携の問題点 従来型EDI/EAIは限界に
セールスコンサルグループ
西川茂彦
グループマネージャー
従来型EDIについては、「全銀(全国銀行協会連合会)/JCA(日本チェーンストア協会)手順では、モデムの調達が難しくなっている。また、NTTは2025年にPSTN(公衆交換電話網)を廃止する。従来型EDIは、多様なデータ形式にも、インターネットにも対応していない」と、限界が近づいていることを説いた。Web-EDIについては、「自社オンラインと取引先オンラインの融合が進んでおり、リアルタイムの相互データ取引が増えている。一方、受注側が年間で一相手先あたり150万円程度のコストを強いられるケースが多い。発注側は、受注側のコストや苦労を考慮することはないが、受注側は、発注側のお客様にあわせてWeb-EDIの仕組みを構築しなければならない。とくに流通業では問題となっていて、平日だけでなく、土日や年末年始、お盆でもデータ受信に追われている受注側の企業は多い」と問題点を指摘した。一方、企業内のデータ連携(EAI)については、「受注、設計、生産、在庫、販売など、各業務システムが個々に独立していて、インフラを担うミドルウェアがすべて別製品で構成されている。そのため、システムの構成は複雑化している」とした。
仙台のセッションでは、中井氏がデータ連携の進化について、「企業間・企業内のデータはシームレスに連携し、受発注から出荷、支払・請求といった一連の流れが、切れ目なくつながっている企業が増えてきた」と説明。データの連携先については、2次請けや3次請けまでの情報連携を行う企業や、素形材産業から製品のサポート産業までを含んだ業界横断型のデータ連携を進めている企業が増えてきていることを挙げた。データの対象については、「画像や図面、音楽、電子書籍、生産進捗、荷物の追跡、材料・成分情報、原産地証明など多様化している」とした。
柔軟にデータ連携できる環境が必要
セールスコンサルグループ
中井基雄
コンサルタント
データ連携のあり方について、西川氏は、「これまで企業間データ交換を『EDI』、企業内データ連携を『EAI』と区別して管理してきたが、これからのデータ連携は、こうした概念では対応できない。今まで以上にシームレスで広い範囲でのデータ連携が必須となる。企業が次のアクションをとるために大事なことは、サプライチェーン全体のデータを可視化することだ。当社では、これをSCV(Supply Chain Visualization)と呼んでいる」とした。
セッションの最後には、自社商材をアピール。EDIパッケージ製品「ACMS」シリーズやデータ変換ツール「AnyTran」を紹介した。西川氏は、「『ACMS』シリーズは、1600社6600サイトを超えるシステムで稼働している。製造業・流通業・サービス業などあらゆる業種で導入されており、代表的な導入企業としては、TDKや住友商事、丸紅など、採用しているのは各業界の大手企業ばかりだ」とアピールした。
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外部リンク
データ・アプリケーション=http://www.dal.co.jp/
「BCN Conference 2013」=http://biz.bcnranking.jp/sp/conference2013/