Special Issue
チェック・ポイント、SMB市場に本格参入 MSSを切り札に新たなセキュリティを提案
2013/11/11 19:55
規模を問わずに企業のシステムが狙われている
今年創業20周年を迎えるチェック・ポイントは、次世代ファイアウォールやエンドポイントセキュリティなど、数多くの新しいセキュリティソリューションを開発して、ファイアウォールのパイオニアとして世界的に知られている。真田ディレクターは、サイバー攻撃の現状を、「これまでは大企業が保有する情報資産を狙ったものが多かった。ところが、ここ数年はSMBも標的になっている。不正アクセスによって会社の資金を引き出されたり、大企業を狙った標的型攻撃の踏み台やスイートスポットにされたりするケースが増えている」と説明する。例えば、重工業関連の企業が受けた標的型攻撃のケースでは、業界団体のパソコンがウイルスに感染して機密情報が流出した。これほど大規模ではないにせよ、不正アクセスによる情報漏えい事件は後を絶たない。ネットワークの脅威に対抗するために、大企業はセキュリティシステムを導入した段階で、専任の管理者を用意して継続的な運用・管理を行っている。しかし、SMBの場合は、セキュリティアプライアンスは導入するものの、専任の管理者を用意できず、本格的な運用・管理までは手が回らないのが実情だ。
販売パートナーのサービスと組み合わせて価値を生み出す
このようなSMBの抱えるセキュリティの課題に応えるために、チェック・ポイントは、セキュリティシステムの運用・管理を請け負うMSSの提供に踏み切った。他社に比べると後発ではあるが、「エンタープライズで培ったノウハウやコストの点で他社と差異化する。また、エンタープライズ・レベルの強固なセキュリティをSMBがMSSによって利用できる」と、高橋チャネル・マネージャーは自信をみせる。チェック・ポイントは、現在、販売パートナーを通じてMSSをユーザー企業に提供する販路を構築しているところだ。販売パートナーにとっては、MSSを商材の一つに組み入れることで、チェック・ポイントのセキュリティ運用ノウハウを自社のサービスメニューに組み込むことができる。これによって、例えば次世代ファイアウォールのアプライアンスと組み合わせることで、ファイアウォールのリプレースを提案しやすくなるなど、ユーザー企業に対する提案の幅が広がる。
「SMB向けのUTMには競合製品が多く、差異化を図るのが難しい商材。しかし、MSSをメニューに取り入れることで、販売パートナーは、ユーザー企業に運用・管理を一貫して提供するという価値を生み出すことになる。また、当社がMSSとして提供している無料のセキュリティ・リスク分析サービス『3D Security Report』は、販売パートナーとユーザー企業の接点を増やすツールになるはずだ」と、高橋チャネル・マネージャーはアピールする。
販売パートナーにはアプライアンスやサーバーをレンタルで提供
チェック・ポイントは、販売パートナーに対して、MSSとともに販売するアプライアンスやサーバーの貸出しも行っている。販売パートナーにとっては、初期投資の必要がないレンタルサービスによって、ユーザー企業に対する導入コストを抑えた提案、また少ない投資でストック型のビジネスモデルを構築することができる。チェック・ポイントは、今後、SMBを主要なユーザー企業として捉える販売パートナーが増えると見込んで、販売支援セミナーや勉強会などを全国で開催していく予定だ。真田ディレクターは、「IT関連の総合展示会など、全国で開催されているイベントに積極的に参加し、販売パートナーと触れ合う機会を増やしていく」と意欲をみせる。セキュリティをベースに、新たなビジネスへの着手を模索しているディストリビュータやインテグレータ、サービスプロバイダなど、販売パートナーになり得るベンダーにとって、チェック・ポイントのMSSは魅力的な商材といえそうだ。
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