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インフォテリア 軌道に乗り始めた「Handbook」 スマートデバイスのニーズが旺盛

2013/10/03 19:55

週刊BCN 2013年09月30日vol.1499掲載

 インフォテリアでは、スマートデバイス向けコンテンツ配信ソフト「Handbook」の中国市場での販売が軌道に乗り始めている。今年7月、上海市内で「Handbook」をテーマにした2回目のイベントを開催。初回を大幅に上回るおよそ150人の来場者があり、インフォテリア中国の油野達也董事長は、「スマートデバイスの活用に旺盛なニーズがある」と手応えを感じている。事実、中国では2012年後半から「Handbook」のライセンス販売が急速に伸び始めており、インフォテリアでは向こう3年で中国でのライセンス販売数は日本を上回るとみている。

スマートデバイスの活用、日本上回る

インフォテリア中国
(樱枫天(上海)贸易有限公司)
油野達也 董事長
 インフォテリアは、データ連携ミドルウェア「ASTERIA」シリーズや「Handbook」など、さまざまなソフトウェア製品を開発している。中国市場へ進出する取り組みは、ここ4年ほど続けており、綿密な市場調査を行ってきた。この過程で中国のスマートデバイス活用が急ピッチで進んでいる点に着目。インフォテリア執行役員で、同社中国法人の樱枫天(上海)贸易董事長を兼務する油野達也氏は「上海では日本を上回る勢いでスマートデバイス活用が進んでいる」とみる。

 JETROの調べによれば、上海市は2007年頃から流通・小売業やサービス業を中心とする第三次産業が、製造業を中心とする第二次産業を大きく上回り始めた。2012年には第三次産業の構成比が全体の60%に達している。「Handbook」は営業担当者のプレゼンテーションや、小売業やサービス業の接客などでの活用を想定しており、上海の第三次産業の急速な発達は、スマートデバイスを業務で使う機会を増やし、スマートデバイス向けのコンテンツ配信ソフトである「Handbook」への潜在需要の拡大につながっているのだ。

 インフォテリアでは、スマートデバイス向けアプリケーションは、即納、即活用が原則と捉えている。従来のクライアント/サーバー(クラサバ)型のシステム開発は、要件定義から始まり、システム設計→調達→運用→評価と段階を経てきたが、スマートデバイスは、要件定義やシステム設計は簡素に行い、その分、コンテンツ作成→運用→評価のサイクルに重点を置く方式に変わるとみている。

 つまり、スマートデバイス市場には、クラサバ時代のシステム開発アプローチではうまくいかず、採用したその日から使える「Handbook」のような手軽なスマートデバイス向けアプリケーションソフトがユーザーから高く評価されることになる。油野董事長は「Handbookの主な適用先であるタブレット端末は、コンテンツの閲覧に非常に適しており、ユーザーはコンテンツ中心の運用を重視する」と、コンテンツの管理やスマートデバイスの配信に特化した「Handbook」こそ、スマートデバイス時代に求められるコンテンツプラットフォームだとアピールする。


中国市場での販売は日本以上を目指す

 「Handbook」の中国での販売に手を挙げたのは、香港に本社を置いてモバイルソリューションを手がけるKDDIグループの「DMX Technologies Group」と、上海に本社を置く「ドコモチャイナ」の2社。いずれもスマートデバイス、関連ソリューションの販売に積極的な通信キャリア系販社だ。

 今年7月に上海で開催した「Handbook」活用セミナーには、予想を上回るおよそ150人の来場者があった。「中国で販売力がある有力SIerからの引き合いも増えている」と、当日、「Handbook」を使ったプレゼンテーションに臨んだ油野董事長は顔をほころばす。「Handbook」の日本国内での納入社数は累計500社超、ライセンス数はおよそ6万ユーザー数に達しているが、「中国では向こう3年で日本での販売数を上回る」と捉えて、高い目標を掲げる。
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外部リンク

インフォテリア=http://www.infoteria.com/jp/