Special Issue
<金融機関向けソリューション特集>日立システムズ “全方位クラウド”が誕生 金融機関に適したソリューションを体系化
2013/10/03 19:55
週刊BCN 2013年09月30日vol.1499掲載
金融機関に最適なソリューション群
ワンストップ型クラウドを開始
金融事業グループ長
南部 栄一 氏
日立システムズは、幅広い規模・業種にわたる業務システムの構築と、データセンター(DC)やコンタクトセンター、ネットワークなどの多彩なITインフラを生かしたシステム運用・監視・保守を強みとし、金融機関向けのソリューションを手がける人材も豊富。DCの構築・運用経験を生かした高信頼なクラウドサービスを提供できる事業基盤もある。金融事業グループ長を務める南部栄一常務執行役員は、「プラットフォームサービスとソリューションサービス、そして多彩な人材が融合することで、強いサービスが続々と生まれている」と言う。
その日立システムズが今、金融機関向けビジネスをさらに強化するために、金融機関に適したクラウドソリューションを体系化した。さらに、事業基盤や強みのある製品・サービスを活用した新ソリューションを次々と企画・開発し、ラインアップを増強しようとしている。
金融営業統括本部長
和田 淳 氏
全要望に応えるメニューを用意
海外に照準、中国で新製品発売へ
日立システムズのソリューションは幅広い。セキュアで冗長構成のネットワークを配備したDCに、複数のプラットフォーム系クラウドサービスを用意。そのうえに、基幹系、バックオフィス系ソリューションを複数揃える。ITの提供だけでなく、長年手がけてきた金融機関向けのITサポートを通じて得た業務ノウハウを生かしたBPO(Business Process Outsourcing)サービスもメニュー化した。日立システムズが提供するソリューションだけでなく、ユーザーがこれまで運用してきたアプリケーションソフトやデータを移植できる準備もしている。 代表的な基幹系・バックオフィス系ソリューションとしては、「取引履歴検索システム TR/HD」をはじめ、債権回収業向け基幹業務サービス「債権回収なび2」、リース業向け基幹業務パッケージ「LeaseNavi」、「AGMate保険・共済トータルサポートサービス」などがある。
ターゲットは、国内だけにとどまらない。すでに海外に進出した日系ユーザー企業の現地ITサポートを手がけているが、今後は現地資本のユーザー企業に適したソリューションの企画・販売にも取り組む。今年12月には、日立建機の中国子会社と協業して、中国のリース業向け基幹システムを販売する予定。日立システムズが日本で約20年もの間手がけてきたリース業向けシステム開発のノウハウと、日立建機の子会社が中国で展開しているリース業の業務知識を組み合わせた。「海外でも当社のソリューションは適用できると自負している。リスクはあるが、緻密に計画を立てて、必要であれば(日立建機の中国子会社のように)現地企業と協業して世界に挑む」(南部常務執行役員)。
日立システムズは、他の業種にはない独特のニーズがあり、安定稼働に対する要求レベルも高い金融機関のITを支援し続けてきた。ワンストップ型クラウドと海外向けサービスを本格展開し、さらに他のITベンダーではなかなか代わることのできない強固なポジションを築こうとしている。
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