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<仮想化ソリューション特集>ネットワンパートナーズ 国内初となる「UCS」でBTO開始 新製品のメインターゲットはSMB市場
2013/08/01 19:55
週刊BCN 2013年07月29日vol.1491掲載
多くのパーツを選択肢に加えて
多様化するニーズに対応
プラットフォーム営業部担当
田中 拓也 氏
これまで、同社の「Cisco UCS」向けサービスでは、受注仕様に応じてメモリ/HDD/NICなどの主要部品を追加して組み込む「注文仕様生産(Configure to Order:CTO)」を展開してきたが、ニーズが多様化するのにつれて、すべてをカバーすることは困難になりつつあった。
そこで、BTOではさらに一歩踏み込んで、シャーシ/ブレード/CPU/メモリ/HDD/NICと、さらに多品種のパーツを社内在庫として保有することで、ユーザーからの細かなカスタマイズの要望に応じるとともに、組み込みと出荷検査作業を国内のグループ会社内で実施することにした。
これにより、多くのカスタマイズ要件への対応が可能になっただけでなく、納期を従来の数週間から1週間へと大幅に短縮することができるようになった。さらに、「BTOでは、お届け日を明確に提示できるようになった。『いつ手元に届くのかわからない』というお客様の不安を取り除くことができて非常に好評です」(田中拓也・執行役員)と、手応えを感じている。また、シスコ製品を長年取り扱っている実績から、ネットワーク機器などの導入支援やサポートも大きな強みとなっている。
ハイブリッドストレージで
コスト減とパフォーマンスを実現
7月からはこれまで扱ってきた中~大規模向けの「Vblock」、中~小規模向けの「VSPEX」といった製品に加え、SMB市場向けにティントリ社の仮想化環境専用ストレージ装置「Tintri VMstore」の販売を開始する。 この製品は、VMware社の仮想化ソフト「vSphere」専用のストレージで、フラッシュメモリを使ったSSDとHDDを組み合わせたハイブリッドストレージを採用。I/OをSSDで行い、HDDに記憶させることで、オールSSD製品と比較して価格を抑えながらも遜色のないパフォーマンスとともに、13.5テラバイト(TB)の大容量が得られるのが特徴となっている。
データの書き込み処理では、すでに存在するデータブロックを検知して書き込まない重複排除機能とデータ圧縮機能を搭載。必要なディスク容量を削減しながら、アクセス頻度の少ないデータを自動的にHDDに移動させて記憶する独自のファイルシステムによって、I/Oを高速化している。
導入面では、従来製品はストレージをどのように設計するのか、どのようにネットワークを構築していくのかなど、同社でサポートを行ってきたものの、パートナー企業でも取り扱いが難しかった。また、納入後も管理が複雑で運用方法がわからないという声もエンドユーザーから聞かれた。これらに対し、VMstoreはVMwareに特化することで、一般的なストレージシステムに必要とされるマッピングや複雑さを除外できる。ストレージ層での意思決定が可能になり、一般的なストレージシステムより高度な自動化と最適化を実現できるという。
ネットワンパートナーズでは、VMstoreのようにニーズを補完できる製品ラインアップを増やすことで、顧客対応力をさらに向上させる考えだ。
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