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<情報漏えい対策特集>ワンビ 遠隔データ消去技術がビジネスを加速する 持ち出しパソコンを解禁する「トラストデリート」
2013/05/23 19:55
週刊BCN 2013年05月20日vol.1481掲載
情報をアクティブに活用する時代
リスク回避の決め手はデータ消去
こうしたスマートデバイスには、常に紛失や盗難のリスクがつきまとう。また、1万台以上のノートパソコンを所有する企業では、管理が行き届かず、端末が行方不明になってしまうケースもある。現在のセキュリティ技術は、パスコードロック、暗号化、個人認証などがトレンドだが、端末の紛失・盗難で手が届かない状況になったときには、これらのセキュリティが破られる可能性がある。情報漏えいの可能性をゼロにするには、紛失や盗難の可能性が生じた時点で、データの消去が必要になるのだ。
このニーズに応えて、遠隔データ消去というシンプルかつ明快な回答を提案するのが、世界で唯一の機能を搭載した遠隔データ消去ソリューション「トラストデリート」だ。スマートデバイスにあるデータをすべて消去できることが強固なセキュリティを生み出し、はじめて安心して情報を持ち歩くことができるようになる。
遠隔データ消去ソリューションの専門として特化
「トラストデリート」は、セキュリティポリシーのレベルに応じて3段階の製品を用意している。ハイエンドレベルでは、携帯電話網のショートメッセージ(SMS)を利用し、電源が入っていないパソコンを起動させてデータの消去ができる。この技術はパナソニック社の「Let's note」で採用しているものだ。また、社内で紛失してしまい、見つかるかもしれない場合に活用できる起動ロック機能をインテル アンチセフト・テクノロジーを用いて実現している。さらに、特別なハードウェア技術が搭載されていなくても、ソフトウェアのみで遠隔からデータ消去できるラインナップをそろえており、盗難・紛失時の情報漏えい対策に死角がない。現在のユーザーは、情報資産を大切にする企業が中心で、グローバルで展開する企業も多い。絶対に情報漏えいを許さないという姿勢が、「トラストデリート」を選ばせている。また、遠隔データ消去ができるということで、管理・運用面の時間やコストも削減できる。
ワンビは、データ消去ソリューションを国内だけではなく世界規模で展開するために、「MDD」という名称とカテゴリの認知向上活動をグローバルで展開する。またWindows 8と通信機能を搭載したタブレット端末の普及により、「トラストデリート」の通信機能との親和性の高さをマイクロソフトが評価しているという。今年の夏以降、具体的な協業案が出るのは、時間の問題かもしれない。
加藤貴社長は、「来年4月のWindows XPのサポート終了によって、ハードウェアのリプレースが進む。今夏にリリースを予定しているインテルのスマートコネクトと連動したデータ消去を、トレンド技術としてアピールしたい」という。この技術は、レジューム中に通信し、タイマー機能で消去やロックを行うことで、より確実に消去することができる。「今後は、パソコンメーカーや通信キャリアとの協業の拡大も視野に入れている」と意欲的だ。
ワンビの遠隔データ消去技術は、より安全に持ち出しでの利用を意識してOSやハードのリプレースを促進することができ、ビジネスのスピードやスタイルも変えて、タブレットPCやWindows 8の市場拡大につながっていくかもしれない。
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