Special Issue
<セキュリティソリューション特集>バリオセキュア 「出口対策」こそが標的型攻撃への有効な対抗策 取引先や関連団体も攻撃のターゲット
2013/04/25 19:55
週刊BCN 2013年04月22日vol.1478掲載
SMBでも大企業並の対策が必要に
飛世絵梨 グループリーダー
しかしSMB(中堅・中小企業)の場合は、セキュリティに多くの予算を割くことができず、専任の管理者が配置されていないこともあって、導入はあまり進んでいない。とはいえ、SMBは標的型攻撃の対象とならないかといえば、そうではない。実際、ターゲット企業と関連のある取引先や団体などを狙い、その企業のパソコンやシステムを経由し、ターゲット企業へのサイバー攻撃を行う事例もある。そうなった場合、取引先に多大なる損害を与えてしまう可能性が高い。こういったリスクを防ぐためにも、取引先のことを考慮して、なんらかの対策を講じなければならないだろう。
ユーザーを識別し、可視化する「VCR」
バリオセキュアでは、SMB市場をターゲットにした出口対策ソリューション「VCR-Vario Communicate Router」を提供している。VCRは、ユーザー・アプリケーション識別ベースのUTMで、アプリケーションの制御やウェブ通信の制御、ウイルスチェックやスパムフィルタなどの機能をもつアプライアンスだ。入口対策や出口対策に加え、アプリケーションソフトやウェブ通信の制御、外出先から安全に社内ネットワークに接続できるVPN機能などを装備している。ユニークなのは、IPアドレスではなくユーザーを識別し、適切に管理しているという点だ。IPアドレスは、環境によって変わってしまうので、問題が生じたときに誰から発信されているのかを特定できないケースもある。しかしVCRの場合、独自のユーザー認識を行うため、どの部署の誰がどのパソコンを使ってどのような通信を行っているのかということも可視化し、制御できるようになっている。
また、VCRは国内市場を強く意識しており、デザインやインターフェースも国内向けにカスタマイズされている。ダッシュボードを活用すれば、経営者や管理者が「今」のネットワーク状況を数クリックで把握することも可能だ。詳細を知りたければ、ドリルダウンしていくこともできる。
さらに、業務に関連しないウェブやアプリケーションを自動的にブロックすることで、業務効率の改善やセキュリティリスクの低減にも寄与している。「例えば、FacebookやTwitterなどのSNSは、広報・PR活動にとっては有効なツールになりますが、無関係の部署が会社の信用にかかわることを発信し、問題視されるケースもあります。VCRは、こういったSNSに対して約350以上のシグネチャ、全体のアプリケーションでも2000以上のシグネチャがプリセットされており、簡単に制御することができるようになっています。また、誰がどのアプリケーションを利用できるかということも細かくコントロールもできます」と、オペレーション本部VCR事業グループリーダーの飛世絵梨氏は語る。
VCRは、SMB市場をターゲットとして拡販してきたが、大規模企業の部署や拠点などへの導入も進んでいるという。「大企業の出口対策については、部署ごとの細かいチューニングが必要となっています。VCRは簡単・安価に導入でき、部署ごとに合わせたチューニングも容易です。また、導入しやすく、部署単位であればパフォーマンスの問題もないため、採用が進んでいるようです」と飛世氏は語る。このように、VCRは、中堅・中小企業から大企業の部署や拠点など、幅広く活用され始めているのだ。
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