Special Issue
日立システムズ ワンストップサービスを大幅強化 地場有力ベンダーとの協業で実現へ
2013/03/28 19:55
週刊BCN 2013年03月25日vol.1474掲載
中国向けアプリを積極展開
日立システムズは中国で、クラウド/業務アプリケーション、プラットフォームサービス、DC/コンタクトセンターの三つの柱を打ち立てて、日系ユーザー企業や地場ユーザー企業向けのビジネスを推進している。クラウド/業務アプリケーションの分野では、同社が独自に開発した「福祉の森」シリーズの介護・福祉事業者向け業務管理システム「GNEXT養老事業管理システム」や、リモートアクセスソフト「S-Biz(国内販売名はSHIELDセキュアリモートアクセス)」などを、いずれも地場有力企業と協業するかたちで販売をスタート。養老事業管理は、上海の地場有力SIerの上海万序計算機科技と協業して、介護施設「上海宝山区金色晩年敬老院」をモデルユーザーとして開発してきたもので、「すでに複数の案件が進行中」(日立システムズの本澤浩之・グローバル事業統括本部中国事業推進本部第一部主管技師)と、引き合いの状況も上々だ。同システムでは上海市でのシェア50%を目指すという意欲的な目標を立てている。
「S-Biz」は、同じく上海有力ソフト開発ベンダーの上海微創軟件と共同開発したもので、中国当局による製品検証に合格。公開鍵暗号基盤(PKI)技術を活用して、日中間などの国際間でセキュアな通信環境を構築可能とするものだ。
中国各地でDCサービスを順次提供
プラットフォームサービスの分野では、SIやネットワーク構築、保守サービスといったITライフサイクルをトータルで支援していく。日立製作所グループや地場ビジネスパートナーを通じて提供するもので、例えば、広州の広東華智科技とは、日立システムズが開発する製造業や流通業向け在庫管理業務に特化した「TENSUITE」のクラウド型サービスの販売や、同社との合弁会社「広東華智立信軟件」を通じてDCサービスやBPOサービスを提供。一方、大連の大連創盛科技とは日立製作所などと共同で出資した合弁会社「日創信息技術」を設立し、大連でDCサービスやBPOサービスを提供すべく準備中だ。中国でのDC整備の取り組みでは、「海外データセンター認定制度」を通じて、地場有力ベンダーが運営するDCに日立品質を担保してもらう仕組みも導入した。数百項目の評価や技術支援を日立システムズが行うことで、「地場のDC運用会社との相互の深い信頼関係に基づいて日本国内と同様の高品質なサービスを実現」(日立システムズの若園淳・グローバル事業統括本部中国事業推進本部長)するものだ。すでに上海の上海有孚計算機網絡など2社が認定制度を活用しており、今後も順次拡充していく。
日立システムズでは、業務アプリケーションからクラウドサービスの基盤となる中国でのDCインフラやコンタクトセンターなどの基盤整備、保守サービス、BPOに至るITライフサイクル全域をワンストップで提供する体制を、中国でより強化していくことでユーザーニーズに応えていく方針だ。
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