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<モバイルソリューション特集>スマートデバイスの需要は依然旺盛 端末管理が法人への普及のカギを握る

2013/02/28 15:49

週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載

 スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスの需要が個人・法人ともに伸びるとみられている。調査会社によれば、スマートデバイスはスマートフォン、タブレット端末ともに伸びるとの予測が出されている。とくに法人市場では、タブレット端末が急速に伸びる可能性があり、実際、さまざまな業種で導入が進んでいる。スマートデバイスをきちんと管理しながら、それを仕事に有効活用する企業の例も多くなってきた。ITベンダーにとっては、オフィスや店舗などユーザー企業に提案する際には、強固なセキュリティであることと、導入目的を明確にアピールすることがビジネス拡大につながりそうだ。

大幅に拡大する市場規模

 調査会社のIDC Japanによれば、スマートデバイスの需要は大幅に増えている。2012年第3四半期(7~9月)の時点で出荷台数は、スマートフォンが797万台(前年同期比50.2%増)、タブレット端末は101万台(106.8%増)という状況だ。

 スマートフォンは、携帯電話全体に占める出荷台数比率が72.1%にまで上昇。IDC Japanでは、市場拡大の要因として、先進ユーザーに限らず一般ユーザーにも着実に浸透していること、注目度の高い製品が相次いで登場していることを挙げている。OS別シェアでは、Android OSを搭載したデバイスが全体の74.9%。これは、ユーザーがiPhoneだけでなく、機能や操作性などで自分に合ったモデルを購入するようになっていることを物語っている。一方、タブレット端末はLTE(4G方式)の登場によって注目を集めるようになった。

 今後の見通しについて、IDC Japanは、スマートフォンの需要が引き続き好調に伸びる可能性が高く、タブレット端末はiPad miniのような人気のデバイスが登場することによって、需要が増えると予測している。そのため、16年にはスマートフォンが3806万台、タブレット端末が780万台まで拡大することを見込んでいる。

用途の広がりが需要を生む

 法人市場では、用途の広がりに伴ってスマートデバイスの需要が旺盛になりつつある状況だ。矢野経済研究所が法人を対象にスマートデバイスの導入目的についてアンケートをとったところ、「メールを除いた社内情報の閲覧」がスマートフォンで全体の69.3%、タブレット端末で59.0%だった。「メールの閲覧」は、スマートフォンで78.5%、タブレット端末で58.1%に達している。立ったまま移動中に使えるという利便性が業務効率化につながるということで導入が進んでいる。

 また、とくにタブレット端末の導入目的で目立つのが「販売カタログや販促用デモなど販売活動」(49.4%)という。端末自体を販促用として使うのは、タブレット端末ならではの用途といえるだろう。

 このように、ユーザー企業のスマートデバイスに対する導入意識が高まっているほか、用途も広がりつつある。ITベンダーにとっては、ニーズに即した提案を強化することが案件を獲得することにつながる。そのなかで、デバイス管理のMDM(モバイルデバイス管理)も重要となり、ユーザー企業のシステム管理者がデバイスを管理し、スマートデバイスの利用者である社員などにとって利便性が高いソリューションが需要を押し上げそうだ。ITベンダーには、スマートデバイスのセキュリティ上の問題を解決しながら、仕事上でうまく活用することが業務効率化につながるという提案の仕方が求められる。

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