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クオリティソフト 「QNDシリーズ」を全面刷新 「IT資産管理ツールにイノベーションを」
2013/02/28 19:55
週刊BCN 2013年02月25日vol.1470掲載
キーワードは「結合」
社長
クオリティソフトが主力製品を強化した背景には、ユーザー企業において情報システム担当者の“疲弊”を感じたという事情がある。多くのユーザー企業では、システム部門のスタッフが増員されず、IT投資額も削られている状況とみられる。クオリティソフトは、このような閉塞状況を打開するために、システム担当者のIT資産管理業務を従来以上に効率化する支援をしたいという思いを抱いているのだ。
久保社長は、今回のバージョンアップについて「キーワードは『結合』」と明言する。「システム部門にはIT運用コストの削減が強く求められているが、それを実現するには、イノベーションが不可欠。イノベーションという言葉を広めた人物と言われる経済学者のJ.A.シュンペーターは、『イノベーションとは(現在あるものの)結合である』と語っているように、ゼロからまったく新しいものを生み出すことがイノベーションではない。既存の技術を組み合わせて、新たな価値をユーザーに提供することがイノベーションだと私は思っている。多くのテクノロジーをもっていて、それらを結合できるのはクオリティソフトの強み。新たな『QNDシリーズ』で、ユーザーのIT資産管理業務にイノベーションを起こす」と力説する。
30億円のビジネスチャンスを生む
新しい「QNDシリーズ」は、「販売パートナーにも多くのビジネスチャンスをもたらす」と久保社長はみている。ライセンスの販売だけでなく、バージョンアップに関連するサービスビジネスやアップセル/クロスセルの機会が増える。クオリティソフトの試算では、「少なく見積もっても、パートナーには30億円ほどの売り上げ創出効果がある」(久保社長)としている。この需要をパートナーとともに早期に獲得するために、営業体制も強化した。パートナーの見積書作成の相談や、ライセンスプログラムの確認などに対応するための専門部隊を2012年10月に新設。パートナーの問い合わせに迅速に対応する体制を整えた。この施策は自社の営業担当者の業務効率化にも貢献し、ユーザー企業への訪問回数は1.5倍ほどに拡大したという。
パートナーへの支援策では、同社の強みであるリードジェネレーション(見込み顧客を顕在化させる活動)を継続。ウェブサイトでの情報発信やイベント/セミナーの開催を通じて獲得した見込み顧客情報のなかで、受注に結びつきやすい案件をクオリティソフトが選定したうえでパートナーに提供する仕組みをもって支援する。パートナーに提供した見込み顧客のうち、39%は受注に結びついており、着々と実績を積み上げている。さらに、今年は動画を活用したウェブコンテンツを強化することを計画している。
パートナーとユーザー企業向けの教育制度も開始した。パートナーには、2013年1月にハンズオントレーニングを開始し、2月にはユーザーのシステム担当者向けに操作実習を中心とした「導入支援講座」を開催した。すでに技術トレーニングは、1月に6回開催し、すべて満席と好評。2月上旬の開催予定も定員を超えたため、追加開催を決めた。
久保社長は、「今年、当社はグローバルカンパニーへの第一歩を踏み出す。すでにユニコード対応や、日英中の3か国語対応を済ませた。上海とソウルで5年間のテスト販売の実績があり、5社ほどの販売パートナーとの協業にもめどが立っている。これまでの経験を生かし、アジア展開を加速させる」と語る。大幅に強化した新「QNDシリーズ」を国内だけでなく、海外にも拡販しようと意気込んでいる。
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