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<プロジェクター特集>高機能化が進むビジネスプロジェクター 法人や文教市場で新規需要を開拓

2013/01/31 15:49

週刊BCN 2013年01月28日vol.1466掲載

 ビジネスプロジェクターは、会議、プレゼンテーション、教育用途などで市場が拡大している。以前は、ホールや大会議室での活用が中心だったが、限られたスペースで大画面を投写できる「短焦点」機能の強化や省スペース化などで、最近は小会議やミーティング、打ち合わせでも頻繁に使われるようになってきた。また、これまでのように、情報を一方向で伝達するだけでなく、双方向で情報を伝えるインタラクティブ機能の搭載も進んでいる。

「短焦点」「エコ」などが注目を集める

 企業がプロジェクターを活用するのは、これまで大きな会議室などで、ある程度まとまった人数を対象にすることがほとんどだった。しかし最近では、小会議やミーティング、打ち合わせなどにもプロジェクターを活用する機会が増えている。それに伴って、持ち運んで利用することを目的とした小型・軽量の製品開発も活発で、この動きがプロジェクター市場の活性化に寄与している。

 小会議や打ち合わせでは、限られたスペースで大画面を投写できる「短焦点」機能が欠かせないが、レンズ式やミラー反射式で短焦点を実現した製品がメーカー各社から投入されている。

 短焦点化によって、これまでプロジェクターの設置が困難だった小さな会議室でも使えるようになったほか、教室での活用など文教分野でも需要が高まっている。また、画像の歪みを補正する機能や、使用時の排熱や眩しさ、騒音を抑制して快適な利用ができるように配慮された製品が小会議やミーティング、教育用途などでユーザーに歓迎されている。

 もう一つ、注目を集めているのが「エコ」を重視した機能だ。2011年の東日本大震災以降、あらゆる電子デバイスに低消費電力化が求められており、プロジェクターも長寿命のLED採用や独自のエコモード搭載など、大幅な省エネ化や環境負荷の軽減を実現した製品が登場している。

インタラクティブ機能の搭載が進む

 さらに効果的で効率的な会議やプレゼンテーションの実現、教育や研修での理解度向上に向け、プロジェクターにも従来のような一方向の情報伝達だけでなく、インタラクティブな情報共有・伝達を実現する機能の搭載も目立ってきた。電子ペン操作への対応や、電子黒板機能の搭載など、新しいモデルが登場しているのだ。

 スマートフォンやタブレット端末などスマートデバイスとの連携も進む。会議に必要な資料は、あらかじめスマートデバイスに配布しておくことで、従来の紙資料を使った会議と比べると準備の手間や時間を節約することができる。会議中に必要なデータや画像も、参加者のスマートデバイスをWi-Fiで接続して、直接、プロジェクターに映し出すなど、効率的で質の高いプレゼンができるようになっている。

 また、プロジェクターに接続するパソコンがワイド画面になっていることから、現在のXGA対応の4:3パネルに代わってWXGA対応やフルHD対応のワイドパネル製品の比率が急速に増えている。このような製品は、ホールや会議場、ホテルで既存製品の置き換え需要が期待できる。

 機能の強化が進むプロジェクター。販売するディーラーにとっては、新規需要の開拓ができる環境が整いつつある。

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