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<BCN AWARD 2013>We are No.1──シー・エフ・デー販売 DIY市場の底上げとモバイル端末対応を強化 自社イベントでユーザーのすそ野を拡大
2013/01/24 19:55
週刊BCN 2013年01月21日vol.1465掲載
品質への徹底したこだわりがブランド価値を押し上げる
山口社長は、2012年を振り返って「PCからタブレットへという大きな流れができた年であり、PC周辺機器には厳しい状況だった」としたうえで、「上期は対前年でマイナスだったが、それでもWindows 8の発売を見据えた商品開発をいち早く行っていたことで下期には盛り返し、年間を通じては前年並みの数字を達成できた」という。
この業績を支えたのが、PC電源とHDDケースだ。PC電源はラインアップを拡充し、販売増を達成した。シー・エフ・デー販売の「玄人志向」ブランドは、これまでは比較的低価格帯の製品としてユーザーに認知されていたが、昨年から品質に徹底してこだわった製品を提供してきたことでイメージが変わり、ブランド価値が大きく向上したという。例えば6月に発売した700WのATX電源ユニット「KRPW-PS700W/88+」は、80PLUS SILVER認証を取得し、高効率・静音・長寿命の三拍子揃った製品ながら価格を抑えたことで、ヘビーユーザーを中心に高い支持を得た。
一方、HDDケースは、PCを使わずにHDDのまるごとコピーができる「KURO-DACHI/CLONE」が大ヒットした。「グループポリシーの『ユーザーニーズの具現化』は絶対譲れない。『KURO-DACHI/CLONE/U3』は性能で妥協せず、細かいところまでこだわって造り込んだことが、本物を求めるユーザーの琴線に触れたと自負している。ドライブケース部門でのシェアを確実に5%は押し上げた」と山口社長は強調する。
初の自社イベントを開催「すそ野を拡大する余地はある」
山口英利 氏
DIY市場は、現状のままでは競合同士でのシェアの食い合いになるだけで、大きな伸びが期待できない。そこで必要になるのが第二のポイント、DIY市場のすそ野を広げる取り組みだ。その一つとして、同社は12月22日に秋葉原UDXで「玄人志向 大感謝祭 in AKIBA」を開催した。自社主催の大がかりなイベントは初めての試みだ。当日は、「改造バカ一台」こと高橋敏也氏のトークショーやパソコンアイドルのミニライブ、クイズ大会、抽選会など、盛りだくさんのメニューでお客様を出迎えた。「日本のDIY市場は、パソコンユーザー全体に占める比率で考えると欧米に比べて決して大きくない。すそ野を拡大する余地は十分にある。特にゲームユーザーに向けてDIYの楽しさを訴求して、全体の底上げを図っていく。自分たちが楽しいと思うものを製品化したい」と山口社長は力を込めた。
ドライブケースも、HDD同様、タイの洪水の影響を受けたジャンルだ。昨年初頭は販売台数前年比で2ケタのマイナスを記録していたが、夏以降は徐々に盛り返し、11月にはWindows 8効果もあって、前年比24.5%増と息を吹き返した。新OSの登場をきっかけに、パーツ市場のさらなる活性化を期待したい。(BCNアナリスト・道越一郎)
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