Special Issue
<垂直統合型システム特集>クラウド構築の基盤として注目浴びる 外資・国産ともに製品をラインアップ
2013/01/17 15:49
週刊BCN 2013年01月14日vol.1464掲載
あらゆるコンポーネントを一つの機器に統合するという情報システムのアーキテクチャは、決して新しいものではない。昨今登場している垂直統合型システムの“前身”として、1960年代頃に普及が始まった「メインフレーム」を挙げることができる。メインフレームは、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、1台のマシンで複数の業務処理を行うことができる汎用コンピュータである。構成がシンプルでかつ性能が高いことを強みとして、1990年代まで多くのユーザー企業で使われてきた。
運用・管理の煩わしさを解決
しかし、メインフレームは高い性能を誇る反面、高価格であるというデメリットもあり、1990年代からシステムアーキテクチャの流れが変わってきた。新たに、サーバーとクライアントと呼ばれる複数のパソコンを接続し、処理を分担して動作する「クライアント&サーバーシステム」が登場した。クライアント&サーバーシステムは、メインフレームと比べて安価に構築することができ、拡張性にもすぐれるので、普及が進んだ。その動きと軌を一にして、メインフレーム時代は幕を閉じた。ところが、拡張性にすぐれているという本来の強みは、ここ数年の間に、クライアント&サーバーシステムのネックとなってきた。というのも、拡張すればするほど、システムが複雑になり、ユーザー企業はシステムの運用・管理に多くのリソースをかける必要が生じたからだ。企業は、IT予算の大半を運用・管理に使わなければならなくなり、経営改善や事業拡大を図るアプリケーションの導入をはじめとする「活用」には、ほとんど予算を回すことができない実状がある。
「水平分散」から改めて「垂直統合」へ
そんな状況にあって、昨今登場している垂直統合型システムは、設置のしやすさを実現するだけでなく、運用・管理の煩わしさを解消することをコンセプトに掲げ、IT活用によってユーザー企業の価値を生み出すことを重視している。そして、システムアーキテクチャの主流を「水平分散」から、改めて「垂直統合」にシフトさせようとしている。米国では、垂直統合型システムの本格普及が始まっており、2013年は、日本でも導入事例が増えることが予測される。この特集では、各社が展開している垂直統合型製品を紹介する。さらに、ディストリビュータとして垂直統合型製品を取り扱っているネットワンパートナーズの動きにスポットを当てる。
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