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<Windows Server 2012 特集>シスコシステムズ合同会社 システム全体を仮想化環境に最適化 仮想マシンのDC間移動を容易に
2012/11/19 19:55
週刊BCN 2012年11月26日vol.1458掲載
仮想化特有の要件が運用を複雑化
SEマネージャー
葛貫信次・データセンターソリューションSEマネージャーは、「これまでのケースの多くは、仮想化を導入する目的がハードウェアリソースの統合や効率化だけにとどまっていて、導入後の運用にまで目が向けられていなかった。しかし、それでは仮想化の真のメリットを享受できない」と指摘する。
例えば、ライブマイグレーションで仮想マシンが自由に動き回ることでリソースの最適化やDR対策を実現することができる。
しかし、それを実現するためには、ネットワークの仮想化対応が必須である。仮想マシンが複数の物理ホストを自由に動き回ると、ネットワーク全体のセキュリティ、設定、運用管理の一貫性と可視化が重要となる。仮想マシンの移動時にネットワーク設定を変更しても、運用工数の増加と潜在的なリスクを引き起こす。運用工数を抑え、システム構成の自由度を高めるという仮想化の本来のメリットを活かすことが次世代データセンター構築の鍵を握る。
仮想化に最適なプラットフォーム
システムズエンジニア
2009年に登場したCisco UCSは、開発当初から仮想化、クラウドを見据えて設計されており、運用をシンプルにすることを重視している。その特徴の一つに、物理サーバーリソースをプール化する機能「サービスプロファイル」がある。これは各種設定情報(UUID、MACアドレス、BIOS設定など)をソフトウェア情報(パラメータファイル)として管理するものだ。佐藤寛道システムズエンジニアは、「サーバーの増設やハードウェア障害時にも、数分で新しい物理サーバーにサービスを移行できる」と説明する。
VM-FEXは物理ネットワークスイッチ内に、仮想マシンごとに仮想ポートを提供する(最大256ポート)ことで、ハイパーバイザー内の仮想スイッチを不要にする。このスイッチが仮想マシンのスイッチングとポリシー適用を担い、仮想と物理ネットワークに対して一貫した処理を行う。物理ポートを越えた仮想マシンの移動時にポリシーが追従できないという課題に対しても、「Cisco Nexus 1000VとVM-FEXを活用すれば、再設定することなく移動先でもそのまま運用が可能」(佐藤システムズエンジニア)となる。
また、Cisco UCSが搭載する「Cisco UCS Manager」は、単一の管理ポイントからの統合的な管理機能を提供。シスコでは、「UCS Manager」と「Microsoft System Center 2012」との連携ツールを提供しており、System CenterからUCSの全コンポーネントを一元的に管理・設定することができる。
「Cisco UCSとSystem Centerとの連携で、リモート環境から仮想マシンの作成、立ち上げを行うとともに、一元的な運用管理を可能とし、システムの自動化を実現できる。今後は、データセンターを跨いだ仮想マシンの自在な移動を実現した真のクラウド環境を目指していく。それができるのもネットワーク業界をけん引してきた当社ならではの強み」と、葛貫SEマネージャーは自信をみせる。
(写真/津島隆雄)
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