Special Issue
<Windows Server 2012 特集>「Windows Server Essentials」登場 日本マイクロソフトのマーケッターと販社に聞く――日本マイクロソフト 安価・シンプル・使いやすいを特色とする新版
2012/11/19 19:55
週刊BCN 2012年11月26日vol.1458掲載
ユーザーの利便性とSIerの手間軽減を両立
藤本浩司
サーバープラットフォームビジネス本部
Windows Server製品部マネージャー
SBS 2008は、「Windows Server」と同じサーバーOSではあるものの、ソフトウェアの構造が違う。そのため、Windows Serverの上で動作しているアプリケーションソフトでもSBS 2008で動くとは限らず、個別にアプリケーションの動作検証を行う必要があった。しかし、今回のWindows Server 2012 Essentialsは、Windows Serverと同じ構造で、「Windows Serverの『Standard』『Datacenter』版で動作すれば、Windows Server 2012 Essentialsでも動く」(藤本マネージャー)。評価・検証する時間と手間を大幅に削減することができる。パートナーは、従来よりも手間いらずでユーザー企業に販売できるというわけだ。
Windows Server 2012 Essentialsでは、最大25人まで、デバイス数では50台までの利用に適した小規模向けサーバーで、SBS 2008よりも搭載する機能をあえて少なくしている。その理由について藤本マネージャーは、「SBS 2008では、パートナーが、多くの機能について問い合わせに対応する必要があって、サポートの手間を増大させていた」と話している。そのうえで「SBS 2008では、小規模企業が初めて使うサーバーという位置づけで、『Exchange』など、複数の機能を搭載していたが、Windows Server 2012 Essentialsではサーバー運用に必要な機能だけに搭載するものを絞った」と説明している。
機能を厳選して使いやすさを追求
最低限必要な機能の搭載にこだわったWindows Server 2012 Essentials。そのなかでも、藤本マネージャーが「ユーザーにぜひ使ってもらいたい機能」とアピールするのが、「ダッシュボード機能」と「バックアップ機能」、そして「リモートウェブアクセス機能」だ。
サーバーの運用状況や制御を行うための中枢機能であるダッシュボードでは、サーバーの導入・運用に詳しくないユーザーでも、簡単に取り扱うことができるように、わかりやすい操作画面を用意している。バックアップでは、日単位での自動バックアップのほか、クライアント端末ごとにバックアップデータを作成する頻度や範囲を細かく設定することができる。
一方、リモートウェブアクセス機能では、インターネット回線に接続されている環境であれば、場所やデバイスを問わず、サーバーにアクセスすることができる。ファイルは、オフラインアクセス用に自動的にキャッシュされ、サーバーに接続できる環境に入ると自動的に同期を行うのも特徴。このほか、クライアント端末の最新OS「Windows 8」もサポートしており、サーバーとクライアント端末を最新環境に一気に変えることも可能だ。
価格は25ユーザーまでで8万1700円。藤本マネージャーは「10万円以下でファイルをインターネットを通じて複数人が共有することができて、バックアップ環境も構築することができる。そして何よりもシンプルで使いやすい。サーバーを導入したことがない小規模事業者には、自信をもって提供できる。パートナーにとっても、手離れがいいので、売りやすいはず。価格は安いので、Windows Server 2012 Essentialsビジネスでは儲からないかもしれないが、これをドアノックツールにしてユーザーとの関係を築き、販売拡大につなげてほしい」と勧めている。
(写真/横関一浩)
- 1
関連記事
<Windows Server 2012 特集>事業のリード役に聞く 新OSの利点とビジネスチャンス、チャネル支援策は――サーバービジネスのキーパーソン 梅田成二 業務執行役員 本部長
<Windows Server 2012 特集>事業のリード役に聞く 新OSの利点とビジネスチャンス、チャネル支援策は――パートナー戦略立案・推進の要 佐藤恭平 業務執行役員 統括本部長
<日本マイクロソフト パートナー特集>「パートナー オブ ザ イヤー 2012」受賞企業決定 30部門で25社が栄冠、勝者の顔ぶれを一挙紹介
日本マイクロソフト、「Windows Server 2012」の提供を開始、約180の新機能で強化