Special Issue
<プロジェクター特集>ユーザー企業の間で使用頻度が高まる メーカー各社は新しい用途を提案
2012/08/02 19:55
週刊BCN 2012年07月30日vol.1442掲載
意識の共有やプレゼンに最適
企業がプロジェクターを使うのは、従来は比較的大きな会議室で、ある程度まとまった人数が集まる場でというケースが多かった。ところが最近は、小会議やミーティング、打ち合わせなど、情報を共有する場面でプロジェクターを使うことが多くなっている。それだけ、使用の頻度が高まっているわけだ。会議でプロジェクターを使うメリットは、参加者が手元の資料に目を落とすことなく、全員が一つの画面に視線を集中できるということにある。プロジェクターに映し出すことによって、発表者がどのような流れや意図で話を進めているかがわかりやすくなる。静止画だけでなく動画も使って説明し、参加者がより理解しやすいように工夫するユーザーが増えた。
このようなことから、プロジェクターは少人数のミーティングや打ち合わせなどでも積極的に使われている。「相手に情報を伝えて、意識を共有する」ためのツールとして、注目を集めているのだ。
また、紙で資料を作成して配布すると、会議などの参加人数が多ければ多いほど、準備だけで相当な手間と時間がかかってしまう。プロジェクターがあれば、その労力を減らすことができるだけでなく、ペーパーレス化にもつながる。この点も、プロジェクターの使用頻度を高める要素となっている。
社内の会議だけでなく、取引先との商談でも大きな効果が期待できる。動画を用いれば、紙の資料では伝えきれないことがしっかり伝わるプレゼンテーションができるので、モバイル型のプロジェクターを持ち歩く営業担当者が多くなっている。
ニーズに合わせた機能の強化
企業がプロジェクターを頻繁に使うようになったのは、メーカーがユーザーニーズを汲んで、製品の機能を強化していることの現れだ。プロジェクターを使う場所は大会議室だけではないので、限られたスペースで大画面を投写できる「超短焦点」機能や、どこに設置しても画像の歪みを補正する機能などは不可欠だ。モバイル型のプロジェクターについては、小型・軽量化はもちろんのこと、スマートフォンやタブレット端末など、スマートデバイスとの連携が主流になりつつある。スマートデバイスに保存している資料やインターネットのコンテンツをワイヤレスでプロジェクターに映し出すなど、質の高いプレゼンができるようになる。また、昨年の東日本大震災の影響で電力供給不足の状況が続き、今年も節電の機運が高まっていることから、「省エネ」をキーワードにした製品がユーザー企業の購入を促す決め手にもなる。
解像度については、XGA(1024×768ピクセル)対応、SVGA(800×600ピクセル)対応、WXGA(1280×768ピクセル)対応など、さまざまなモデルが各メーカーから発売されている。小型や軽量、操作性など、プロジェクターに必須の機能は引き続き追求しながら、新しい用途に向けた機能が強化されており、プロジェクターはさらに進化を遂げている。プロジェクターを販売するディーラーにとっては、製品を拡販できる環境が整いつつある。
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