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<NECキャピタルソリューション特集>vProを活用したソリューション「PIT-RemoteRescue」で販売会社の付加価値提案を支援
2012/07/11 19:55
「PIT-RemoteRescue」は、同一ネットワーク上にあるvProテクノロジー対応のパソコンを検出し、IT管理者などによるパソコンのヘルプデスク、障害対応、運用管理を効率化するソリューション。従来の運用管理ツールは端末台数ベースの課金体系が組まれているが、NECキャピタルソリューションの「PIT-RemoteRescue」は、導入クライアント台数にかかわらず1コンソールあたり月額5万2500円という低価格で提供し、リース事業と連携させることで、顧客に対して付加価値を高めた提案に取り組む販売会社を支援する。
NECキャピタルソリューションは、これまで主にNEC製パソコンのリース事業を展開してきた。「PIT-RemoteRescue」などを本格的に軌道に乗せることで、NECやデル、パナソニックと協業し、vProテクノロジー対応パソコンを対象にしたサービス分野に進出する。今後は、複数メーカーの製品を取り扱い、パソコン製品を取り扱う販売会社との連携を強化して顧客を増やす。
パソコンの調達から廃棄までをワンストップで提供
NECグループの販売金融子会社「NECリース」として1978年に創業したNECキャピタルソリューションは、メーカー系リース会社として事業を拡大し、2006年には東証1部に上場。08年には、事業領域を広げるために、社名を現在の「NECキャピタルソリューション」に変更した。12年3月期の連結業績は、売上高が前年度比2.3%増の2328億円、営業利益が81億円。リース取引の税制改正や景気低迷の影響を受けにくい企業体質にするために、「中期計画2011」でICT(情報通信技術)アセット事業分野の成長を打ち出し、新たな事業の創出を図っている。「PIT-RemoteRescue」は、法人向けパソコンに搭載しているvProテクノロジーを利用したリモート操作ツールだ。vProテクノロジーの中でも、管理機能に特化したAMT(アクティブ・マネジメント・テクノロジー)を利用している。AMTのリモートKVM(キーボード、ビデオ、マウス)機能を使うので、OSの状態に依存せず、エージェントレスでリモート操作ができることが大きな特徴である。AC電源が接続されていれば、どんな状態でも操作を開始することができ、その場で電源オン/オフ/リセットもできる。また、BIOS操作やISOイメージを使用したネットブートにも対応しているので、ハードウェアの初期診断やOS起動時のトラブル対応が可能だ。
「PIT-RemoteRescue」は、リース会社の特性を生かして、パソコンを含むさまざまなデバイスやソフトウェアなど、ICT資産の調達・展開から運用管理、資産処分に至るまでのライフサイクルマネージメントサービス「PITマネージドサービス」の個別サービスメニューとして提供している。「PITマネージドサービス」を利用すれば販売会社がパソコンを販売した後、面倒な資金の回収を含めた各種サービスをワンストップで提供できる。内藤保二事業部長は、「ファイナンス会社である当社に任せていただければ、10円単位からの資金回収や初期費用の平準化もできる」と、販売会社のメニューにライフサイクル全般に関わるワンストップサービスを加えることで、従来の販売方法ではかなわなかったメリットをユーザー企業に提供できるという。
パソコンの調達方法を効率化、代金回収までを支援
「PIT-RemoteRescue」を始めとするPITマネージドサービスは、国内外に多数の拠点をもつ企業をターゲットにしている。この規模の企業は、複数メーカーのパソコンを段階的に導入する傾向がある。パソコンを導入する際、販売会社に対してリース契約を伴うRFP(提案依頼書)を示し、機器などの調達を依頼する。これを受けた販売会社は、複数のパソコンメーカーかメーカー系のリース会社と契約し、パソコンを仕入れて顧客へ提供する。その際、販売会社かメーカーが顧客の提案をもとにソフトや各種設定をキッティングする。納品後は、販売会社かパソコンメーカーのヘルプデスクが障害対応などを行う。ユーザー企業のIT管理者は、複数メーカーが共存するパソコン環境をまとめて運用管理するために、高価な運用管理・遠隔監視ツールを導入することを強いられる。内藤事業部長は「従来のパソコン導入方法では、パソコンメーカー間で価格競争が起き、ユーザー側では複数社との契約になるなど、さまざまな管理工数が発生するという問題点がある」と指摘する。そして、「当社のPITマネージドサービスを活用すれば、こうした販売会社とユーザー企業の作業負担などを軽減できる」という。パソコンを企業に提供する販売会社+パソコンメーカーと顧客の間にNECキャピタルソリューションが入り、「シングルウィンドウ」で、パソコンの調達から廃棄までのライフサイクルを支援するのだ。これによって、「パソコンの価格競争は避けられ、販売会社の手間となっている作業や代金回収業務などを軽減できる」(内藤事業部長)というわけだ。
今回、デル、パナソニックと連携したことで、NECを含めた3社のvProテクノロジー対応のパソコンを、顧客の要望を受けた販売会社の指示に応じてNECキャピタルソリューションがキッティングなどを施し、販売会社を通じて顧客に納入するかたちの販売を拡大する。
「当社のリースビジネスのノウハウを使い、顧客に付加価値の高いパソコン提供を検討するパソコン販売会社などを介し、パソコンのヘルプデスク・障害対応など運用管理に悩む顧客に売り込む。販売会社は当社のソリューションを取り入れることで、余計な作業負担が減り、利益率を上げることができ、販売機会や提案範囲を拡大することで売上増につながる。しかも、障害対応などで顧客の業務効率向上を支援できる」と、内藤事業部長は話す。
クラウドコンピューティングの普及とパソコンの単価下落に伴って、パソコン販売は利益率の低い事業になり、単にパソコンを販売するだけでは成り立たなくなりつつある。しかし、NECキャピタルソリューションが提供する「PIT-RemoteRescue」を始めとしたPITマネージドサービスを使えば、パソコン導入、運用管理、廃棄、代金回収などの作業負担を減らしながら、顧客に適した付加価値の高い提案の機会を得ることができそうだ。
<協業に関するパソコンメーカーからのコメント>
・NEC パーソナルソリューション販売推進本部の橋本欧二本部長
当社は、NECキャピタルソリューションの「PIT-RemoteRescue」の販売開始を心よりお慶び申し上げます。「PIT-RemoteRescue」と当社のビジネスパソコン「Mate/VersaPro」のvProテクノロジー搭載モデルと組み合わせることで、企業にあるIT端末の運用管理の効率化とエンドユーザーの利便性向上というすぐれた価値が提供できることを歓迎します。当社は、今後もNECキャピタルソリューションと連携し、企業の生産性向上をさらに支援する商品・サービスを提供すべく、一層注力してまいります。
・デル マーケティング統括本部の原田洋次統括本部長
・パナソニック ITプロダクツビジネスユニット 国内営業グループの向坂紀彦グループマネージャー
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