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<電力対策ソリューション特集>今夏も節電対策が必須 IT機器の使用電力削減がカギ

2012/06/14 19:56

週刊BCN 2012年06月11日vol.1435掲載

シュナイダーエレクトリック
節電に貢献する次世代「Smart-UPS」
省エネ設計で効率97%を実現

 電力ソリューションを展開するシュナイダーエレクトリックは、オフィスや小規模データセンター(DC)向けのインテリジェントなUPS(無停電電源装置)「Smart-UPS」シリーズについて、省エネ設計で効率97%を実現する新製品を、5月28日から順次発売している。6年ぶりの新版投入で、「グリーンモード」を備えるなど、機能を強化したタワー型とラック型の合計9機種を発売する。同社は、夏に向けて全国各地で節電対策を今強化する動きがあることに対応し、“よりグリーン”を実現した新「Smart-UPS」で、電力事情の緩和に貢献することを目指す。

“よりグリーン”を実現した新「SmartーUPS」の製品群

 シュナイダーエレクトリックが「APC」ブランドで展開する「Smart-UPS」シリーズは、IT機器の電源トラブルを取り除き、ユーザー企業のサーバーやネットワーク機器に安定した電源供給ができるアプライアンスだ。今回のリニューアルでは、同シリーズの全機種を対象に、“よりグリーン”と“よりインテリジェント”をキーワードとして、エネルギー効率を高め、管理しやすくする機能を盛り込んだ。

エネルギー消費を見える化

ビジネスデベロップメント
HBNビジネスデベロップメント
神谷誠 マネージャー
 今回、シュナイダーエレクトリックがとくに省エネ設計の改善に注力したのは、今夏も企業が節電対策を求められていることに対応する取り組みだ。UPSは、停電時にIT機器に数十分間程度の電力を供給し、突然の停電による被害を防ぐために最適なツールだ。しかし、節電対策として、UPSそのものの電力消費を抑えることも、これまで以上に求められている。

 「Smart-UPS」の新製品群は、エネルギー効率を従来の93%から97%に引き上げ、エネルギー使用量をモニタリングする仕組みを備えることによって、消費電力の削減を可能としている。ユーザー企業は「Smart-UPS」を活用すれば、有効な節電対策を講じることができ、電気代の節約を図ることができるわけだ。

 「Smart-UPS」は、文字と数字を表示できるLCD画面(液晶ディスプレイ)を採用し、エネルギーの消費を見える化する。同シリーズはこれまで、エネルギー使用量といった情報を把握するために電源管理ソフトウェアやネットワークマネージメントカードを導入する必要があったが、新製品ではLCD画面であらゆるデータを提供し、本体から情報がわかるようになる。

 LCD画面は、UPS状態や推奨バッテリ交換日の表示、言語設定などができる「スタンダードメニュー」と、UPSや出力コンセントグループの詳細設定を実現する「アドバンストメニュー」の二つを用意する。


バッテリ寿命を4.5年に延ばした

 効率97%を実現する中核的な機能として、発熱量を抑える「グリーンモード」を備えている。「グリーンモード」は入力電圧が安定して電源状態がよいときは、自動電圧調整器(AVR)コンポーネントをバイパスすることによって、発熱量を減らすことができる。

 シュナイダーエレクトリックのビジネスデベロップメント HBNビジネスデベロップメントでマネージャーを務める神谷誠氏は、「AVRのバイパスでUPS内部の発熱が下がるので、冷却コストの削減につながる」と、「グリーンモード」のメリットを語る。加えて「Smart-UPS」は、バッテリの内部温度上昇を低く抑え、バッテリ寿命を従来の2.5年から4.5年に延ばしている。これによって、UPSの5年運用にあたり、数万円程度のコスト削減が可能になるという。

 また、“よりインテリジェント”を目指して、「Smart-UPS」は管理の効率化や使いやすさを図っている。そのために、例えば、出力コンセントグループごとに管理を可能にする機能をもつ。コンセントグループの個別管理によって、利用中のアプリケーションが停止し、反応しなくなった機器を、UPSを停止させずにリブートすることができるほか、時間差をつけた電源のオン・オフができる。さらに、「Smart-UPS」はログ機能を強化し、LCD画面からイベントログを確認することが可能となる。故障イベントの際に、問題を早期に診断することができるわけだ。

 神谷マネージャーは、「刷新した『Smart-UPS』の提供によって、ユーザー企業の節電対策を支援し、日本の電力事情の緩和に貢献したい」と意気込みを語る。

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外部リンク

シュナイダーエレクトリック=http://www.apc.com/jp