Special Issue
<IIJの「クラウド」「モバイル」「スマートデバイス」戦略>「使う」「つなぐ」「管理する」の機能で、スマートデバイスの最適な利用環境を実現
2012/05/31 19:56
週刊BCN 2012年05月28日vol.1433掲載
3分野を網羅するソリューションを提供できるのはIIJだけ
スマートデバイスが本格的な業務利用の段階に
マーケティング本部 プロダクトマーケティング部長 神田 恭治氏 |
クラウド分野でIIJが提供する「IIJ GIO(ジオ)」は、IaaSやSaaSなど1000種類以上の組み合わせ可能なサービスラインアップを揃えている。IIJは「クラウド」というキーワードが普及する以前から、10年以上にわたってネットワーク経由でのサービス提供を行ってきた。多くの企業のITシステムを構築・運用を通じて蓄積してきた技術とノウハウがIIJ GIOに生かされているわけだ。
2011年12月末時点では、IIJ GIOの導入実績は1000件を超えている。主なターゲットとしているのは中堅から大手企業で、ユーザー層に偏りはなく、ソーシャルアプリケーションプロバイダによる大規模利用のほか、一般企業によるウェブサービス基盤や社内情報システムなどで利用が増加しているという。
「LTE」対応で高速、低遅延のデータ通信を実現
スマートデバイスやモバイルPCの利活用を促進すると期待されているのが、高速通信規格「LTE(Long Term Evolution)」だ。2010年12月にNTTドコモがLTEサービスを開始して以来、サービス提供エリアは順次広がってきている。高速モバイルデータ通信のサービスが拡大するなか、IIJではMVNO(仮想移動体通信事業者)としてNTTドコモから回線を調達し、2012年2月27日からLTE対応の法人向けモバイルデータ通信サービス「IIJモバイルサービス/タイプD(LTE)」の提供を開始している。LTEは、現行の3G回線(7.2Mbps)に比べて通信速度が大幅に向上している。対応エリアでは、下り最大速度が75Mbpsの高速通信が可能。伝送遅延が数分の一程度に短縮されるのも大きな魅力だ。これにより3Gのモバイル環境では利用しにくかった本格的なビジネス・アプリケーションの活用が可能となる。LTE未対応のエリアでは、既存の3G回線に自動的に切り替わってデータ通信を継続する仕組みでエリアに関する課題を解決できている。
社外からスマートデバイスやノートPCで通信する際、これまでの3G回線では速度遅延の問題から、メールやスケジュールの確認といった作業でしか利用しないユーザーが多い。だが、LTEを使えば、社外からクラウド上の仮想デスクトップ環境にアクセスしたり、社内の業務アプリケーションを利用するケースでも、快適にアクセスできる。「いつでも、どこでも必要な情報に安定してアクセスし、社内のデスクトップと変わらないやり取りが実現することで、ワークスタイルの変革を促進できる」と、神田部長は語る。
ビジネス用途に欠かせない高セキュリティと利便性を両立
ビジネスにモバイルを活用するうえで欠かせないのがセキュリティだ。IIJは、ビジネス上で安全にスマートデバイスを利用できるよう、さまざまなソリューションを用意している。盗難・紛失時の遠隔ロックやデータ消去、設定の一括管理などが行えるクラウドサービス「IIJ Smart Mobile Managerサービス」や、スマートデバイスからアクセス可能な通信先を制限する「IIJモバイルBiz+(ビズプラス)サービス」がある。さらに、社内へ閉域接続(インターネットを介さず社内に限定して接続)する「IIJダイレクトアクセス」などをラインアップしている。「当社には、200社以上のパートナーがいて、多くのすぐれたアプリケーションを提供してもらっている。スマートデバイスから高速データ通信サービス、デバイス管理、セキュリティ、そして各種アプリケーションを利用できるクラウドサービスまで、トータルなソリューションを提供できるのは当社だけだと自負している。今年度(2013年3月期)は、クラウドだけで前年比で倍以上の売上高を、モバイルについても2ケタ成長を目指す」と意気盛んで、通信事業会社としての経験とノウハウを生かし、時流に乗った戦略を打ち出している。
IIJの強みであるネットワークサービス、クラウドサービスをベースに、パートナーの情報系アプリ、業務系アプリを組みあわせることで新しいビジネスモバイルの形を提案していきたいとしている。
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