Special Issue
<ユーザーに安心・安全を届ける フィルタリング大特集> #3 ウェブフィルタリングの必要性が高まる
2012/05/10 19:56
週刊BCN 2012年05月07日vol.1430掲載
#3 ウェブフィルタリング編
本紙は、フィルタリングに焦点をあて、数回にわたって特集を組む。本欄はそのシリーズの一つである。情報漏えい対策とネットワーク負荷軽減に寄与
「生産性向上+α」の効果が見込める
ウェブフィルタリングとは、URLフィルタリングともいわれる情報セキュリティ技術のことで、有害なウェブサイトにアクセスさせないようにすることを目的に生まれた。製品は、ソフトウェアベースのものと、アプライアンス(専用機器)タイプのものがあり、個人向けと法人向けに何社ものメーカーが商品化している。
法人が導入する主な目的は、仕事に不適切なサイトの閲覧を禁止することで、仕事の効率を上げることにある。だが、最近では、導入する目的が多岐にわたってきている。
一つには、不正プログラム対策がある。ウェブサイトに不正プログラムを仕込み、ユーザーがそのサイトを閲覧しただけで情報を盗み出す手口が、最近急増している。この場合、一般的なウイルス対策ソフトでは防ぎきれないケースが多い。その防御策として、ウェブフィルタリング製品を導入するユーザー企業・団体が増えている。
二つ目は、Facebookなどのソーシャルメディアやオンラインストレージなどのウェブサイト・サービスへのアクセス規制だ。無料・有料を問わず、ウェブブラウザベースのアプリケーションが増えており、従業員がこれらを通じて情報を漏らしてしまうケースも少なくない。その対策としてウェブフィルタリング製品に助けを求めているのだ。
そして三つ目の目的は、サービスへのアクセス速度の向上を図ること。動画コンテンツやHTTPS(暗号化)サイトが増加していることで、企業内ネットワークには従来以上に負担がかかっている。業務に関係のないサイト・サービスへのアクセスは、業務の生産性低下につながり、ネットワークに多大な負担をかけてしまうことになる。それを防ぐツールとして、ユーザー企業・団体はウェブフィルタリング製品に注目し始めた。
業務の生産性向上だけでなく、セキュリティ対策、ネットワークへの負荷軽減という新たな目的で、導入を検討するユーザー企業・団体は多くなってきた。ウェブサイト・サービスへの依存度は今後さらに高くなるのは必至なだけに、ウェブフィルタリング製品への関心もさらに高まりそうだ。まだ市場規模は小さいが、必要性はウイルス対策ソフトと同等のレベル。セキュリティ関連製品・サービス市場をけん引する役割を担う可能性が高く、有望分野として期待が高まっている。
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