Special Issue

<日本ヒューレット・パッカード×オートノミー 特集>時代に即した最適なバックアップを提供 データ保護だけではない新しい試みへ

2012/04/26 19:55

週刊BCN 2012年04月23日vol.1429掲載

 ビジネス統合に向け準備を進めている米ヒューレット・パッカード(HP)とオートノミー。日本では、両社の統合効果を発揮していくための枠組みを構築中だが、そのなかでバックアップソリューションを強化するための道筋がみえてきた。データを保護するだけでなく細かい分析も可能な製品を抱えるオートノミーと、すぐれたソフトウェアやハードウェアをもつ日本HPとのコラボレーションで、従来の枠を越えた新しい製品・サービスの提供を試みようとしている。

新しい時代のバックアップとは

日本ヒューレット・パッカード
インフォメーション・マネジメント統括本部
統括本部長 東アジア担当 春木菊則氏
オートノミー
セールスディレクター
徳久賢二氏
 日本HPは、2011年にバックアップソフトウェア「Data Protector」をバージョンアップし、仮想化対応など機能を強化した。話題を呼んだのはライセンス体系の大幅な見直しだ。日本HPの春木菊則・インフォメーション・マネジメント統括本部長東アジア担当は、「Windows、Linux、UNIXに対応するData Protectorは、バックアップ対象サーバーの数が何台でもライセンスの増額はありません。クラウド環境で仮想サーバーがどれだけ増えても、ライセンスにかかるコストは増えない。あらゆるシステムでクラウド環境が浸透してきているなか、当社は新しい時代に合わせたサービスを展開しています」と自信をみせる。

 バックアップというのは、データを守るうえで不可欠なものではあるものの、それ自体が企業の利益拡大に貢献するわけではない。にもかかわらず、企業規模の大小を問わずバックアップにかかるコストは軽視できない水準に達している。サーバーが何台であってもコストが増えない日本HPのライセンス体系は、企業が積極的に仮想化を活用するなかで頭を悩ませていた「TCO増大」といった問題を解消するものだといえる。

 一方、オートノミーは「意味ベースコンピューティング」という、構造化、非構造化のあらゆるデータの内容までも理解して自動的に関連づける技術で名高いメーカー。データの理解に加え、管理も行うバックアップ製品ももっている。同社の製品・サービスは、世界で50PB(ペタバイト)以上のデータを管理しているという実績がある。ソフトウェアに加えて、クラウドサービスも提供し、ワールドワイドで多くのユーザー企業を獲得している。

データは「情報資産」

 「バックアップをできるだけ低コストで、というお客様がこれまで多かったのですが、最近は少し傾向が変わってきました。バックアップしたデータをビジネスにどう生かすかというテーマでわれわれに意見を求めるお客様が増えてきたのです。データを情報資産として明確に位置づけているわけです。そこで『意味ベースコンピューティング』が組み込まれたサーバー向けの『Autonomy LiveVault』、PC向けの『Backup for PC』など当社の製品が評価されているのです」と語るのはオートノミーの徳久賢二・セールスディレクターだ。「Backup for PC」は、ノートPCだけでなく、iPadなどのタブレット端末やスマートフォンに対応して、どのデバイスからもデータにアクセスできるほか、自動的に各デバイスの同期をとり、多くのデータを保護することができる。「Autonomy LiveVault」は、強力なクラウドバックアップ・15分毎のバックアップ機能を搭載しているほか、低コストで容易に災害対策を強化できることが特徴。日本HPの春木統括本部長は、「両製品とも、従来のバックアップの概念を覆します」と、高く評価している。

 ユーザー企業からは、「PCやタブレットに保管したデータをこまめにファイルサーバーにコピーするのではなく、自動でバックアップできるようにしたい」「保管したデータを関連づけて幅広く有機的に検索し、セキュアの環境でビジネスに活用できるようにしたい」といった要望が、ビッグデータ時代を迎えて出てきつつある。バックアップに対して、これまで以上の役割が求められるようになっているなか、オートノミーと日本HPのコラボレーションは、新しい時代のデータ活用をユーザー企業に提示することになる。

  • 1

関連記事

日本HPのバックアップ/リカバリ新製品、仮想環境の対応を強化、低価格を実現

<バックアップソフトメーカー座談会>再認識されたバックアップの重要性 SMBの拡大はSIerの提案力がカギ

オートノミー、「マーケティングコミュニケーション基盤」発売へ、マーケティング施策の効果を分析

外部リンク

日本ヒューレット・パッカード=http://www.hp.com/jp

オートノミー=http://www.autonomy.co.jp/