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闊利達(上海)有限公司(クオリティグループ) 中国市場開拓の先駆者 次のステージへ
2012/03/29 19:55
週刊BCN 2012年03月26日vol.1425掲載
新総経理体制で中国現地企業の開拓を
早くから世界進出を推進浦聖治董事長 (クオリティ代表取締役) |
特に最近活発に動いているのが中国だ。中国では、02年10月に闊利達(上海)有限公司を設立し、国内のソフト開発業務の請け負い(オフショア開発)に専念した後、06年から営業活動を開始。08年には、「QAW/QND Plus」の中国語に対応した国際対応版を発売した。代理店網を築き、日系企業を中心に100社以上のユーザー企業を獲得して、09年度(09年12月期)に黒字化を果たした。
昨年度からは“現地化”を推進している。現地の中国人スタッフを積極的に採用し、製品の企画や開発、マーケティングから営業に至るまで、可能な限り現地で行う体制に移行している。2011年10月には、初の“中国発”ソフト「QHM(Quality Hawkeye Monitor)」を発売。パソコンの操作ログ収集と、業務に不適切だったり情報漏えいを引き起こす可能性が高かったりする操作を制御するソフトで、プリンタの操作やウェブサイトへのアクセス、チャットツールの操作など、最大13種類のログを取得することができる。また、クオリティソフトの強みである、ハードウェアやソフトウェアの情報収集といったIT資産管理機能も装備している。 国内で実績を上げている技術を応用しながら、中国現地のニーズに合わせた機能を組み込んでいることが特色だ。日系企業だけでなく、中国企業のユーザーを獲得するための武器になっており、滑り出しは上々という。
新たな総経理が就任、現地化推進
クオリティグループは、国内では毎年1月に「VisionQ」という新春イベントを開催し、パートナーへの情報提供と関係強化の場を設けているが、中国でも同様の取り組みを定期的に行っている。今年2月24日には、上海市内のホテルで新年懇親会を開いた。闊利達(上海)有限公司の親会社であるクオリティの代表取締役で、闊利達(上海)有限公司の董事長を兼務する浦聖治氏が参加し、スピーチした。販売パートナーに対して2011年度の活動に感謝の意を表し、今年度も引き続きパートナーを支援することを約束した。
また、今年1月1日付で総経理に就任した徐國玲氏(クオリティの取締役を兼務)も登壇。「2011年度は、上海、天津、北京で新たな販売パートナーとして7社と協業関係を築き、合計で10社ほどのパートナーと良好な関係を築くことができた。製品開発では、中国『QHM』もリリースすることができ、非常に有意義な年だった。昨年度以上に販売パートナーへのサポートを強化し、すぐれた製品を提供する」と今年度の意気込みを示した。
日本のソフトメーカーのなかで、世界的にヒットしたソフトを生み出した企業は、ほとんどない。だが、クオリティグループは、その状況を打破しようと果敢に挑戦し、着実に成果を上げている。日系企業だけでなく、中国現地企業を開拓しようと、次の戦略を練る同社は、日本のソフトメーカーのなかでも特別な存在であることは間違いない。
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