Special Issue
<日立製作所「Hitachi IT Operations Director」導入事例>コスト削減とログの見やすさが決定打に 日立のツールでPC1台あたり3万円弱のコスト削減
2012/03/22 19:55
週刊BCN 2012年03月19日vol.1424掲載
取り扱いパートナー:九州日立システムズ
導入企業:豊資会グループ(加野病院)
ユーザーのIT事情:電子カルテなど最新ITを先行導入した実績
医療法人豊資会 統括本部本部長 加野 豊子 氏 |
同グループは、中核の泌尿器科に関していえば、専門病院として泌尿器科に関するほぼすべての疾患に対する診療治療が可能だ。最先端医療技術を使って、年間200件近くの手術を行うほどだ。
加野本部長は「業務を効率化するうえで、当時最先端のITを積極的に活用した。当グループに必要と思うITを導入し続けている」と語る。豊資会グループではこの30年間、2001年に初代の「電子カルテ」を入れているほか、02年に「病院機能評価」の審査で電子カルテを利用した自社開発による業務システム「i象」を入れてVPN(企業内専用回線)で分散する各施設をネットワーク化するなど、事務処理を効率化し、医療に転ずべく、ITの利活用を積極的に行ってきた。グループ拡大と歩調を合わせてITを拡張してきたわけだ。
豊資会グループがITの機能拡張を続けてこられたのは、グループ全体のシステム導入・運用・保守を担うシステム管理部の責任者である中島達也課長が、経営者の判断を受け迅速かつ正確にそれを実行してきたためだ。「当時最先端のITを他に先駆け導入してきた」と語る。そんな豊資会グループは、06年、転機を迎える。
ユーザーの悩み:病院施設の一部移転でシステム転機
医療法人豊資会 理事長医学博士 加野 資典 氏 |
豊資会グループ泌尿器科専門病院に通院する患者の多くは高齢者であるため、高齢者が利用する通所リハビリや小規模多機能型居宅介護事業所、高齢者専用賃貸住宅などを次々に開設。施設やグループ会社の増設と新設を繰り返してきたため、徐々にセキュリティを担保しIT全体を最適化する課題が浮き彫りになっていた。
そして、移転期日が具体化してきた10年5月の翌年には、計画に沿って順次移転に向けた作業に着手。中島課長は「移転に向けて、施設間の距離が以前よりも遠くなるため、光回線を敷いて介護と医療のデータ連携を行う必要性が高まった」と、移転に際し、サーバーや「Windows XP」を最新OSへ変更するPCなどインフラ刷新をする必要が出てきた。この費用増大への対処とシステム拡張とセキュリティ強化の観点からPC管理ツールをどうするかが、重要な課題となった。
12年には、移転を契機に電子カルテ、介護、給食の3システムを更新し、全システムを連携し医療と介護データの共有化を行う計画。だが、それに伴ってPC台数の増加が必要。現状の145台から次期システムでは、218台に拡張する予定だ。今後のシステム全体最適化を考えるうえで、情報漏えい防止やログ監視などの強化が求められていた。しかし、現在利用中のツールでは、コスト高のため、こうした課題解決に最適な「Hitachi IT Operations Director」への入替を決めた。
パートナーの提案とユーザーが得た効果:PC1台あたり3万円弱のコスト削減
医療法人豊資会 システム管理部 課長 中島 達也 氏 |
中島課長は「当初はコスト削減を主な導入理由としていたが、実際に使ってみると実運用でも、ログの閲覧が見やすくなり、その時間が10分から6分へと半減近くまでに短縮した。また、リモート操作も楽になった」と、標準でリモートメンテナンスを搭載しているほか、ユーザーインターフェイスや機能面の評価が高いことが、「Hitachi IT Operations Director」採用の決め手となった。一方で、コスト面では、同グループ試算で以前のツールに比べ、PC1台あたり、2万8000円の導入費用だけでなく、保守費/2700円も削減できた。当初目的のコスト削減も含め満足の結果が得られたのだ。「まだ豊富な機能をすべて使い切れているわけではないので、今後は豊富な機能を活用し、さらなる運用の効率化を図っていきたい」と語った。
九州日立システムズは「介護事業など福祉事業は、収益の出にくい事業体だ。提案時は、導入コストの削減とツールによる業務効率化を中心に訴求した」と、顧客の要望をよく聞いたことが実を結んだ。同社は同グループへの導入を契機に、「Hitachi IT Operations Director」を九州地区の病院へ販売を本格化する。
User Profile
http://www.houshikai.or.jp/
豊資会グループは1980年、加野資典理事長が「加野泌尿器科医院」として開設した医療機関を母体とする急性期病院だ。88年には入院施設を30床に増床し、現在の「加野病院」に移行。泌尿器科の実績は県下有数で、現在、「日本医療機能評価機構認定病院」に認定されている。
同グループが目指すのは「患者や利用者、家族が生き甲斐をもてる暮らしの支援と、地域に開かれた高齢者コミュニティの整備」(加野理事長)だ。治療に関しては、外来での投薬(膀胱炎などの炎症性疾患など)や日帰りでの結石治療、入院での前立腺肥大症や膀胱腫瘍に関する内視鏡手術などができる。最近では、地域の医療機関・福祉施設と連携し、転院・検査入院などの患者を積極的に受け入れている。
*1 管理対象1台に対して、1ライセンスが必要。管理用PCにインストールする「Hitachi IT Operations Director プログラム」を別途入手する必要があります。プログラムは、当サイトからダウンロードするか、要望に応じてプログラムを格納したCD-ROM(紙マニュアル付)を有償(税込:8505円)でご提供します。 *2 管理用PC1台に対して、必ずご購入が必要なライセンス製品です。管理対象100台までを管理できる100ライセンスをご提供します。100台を超える場合は、追加ライセンスパックをご購入ください。 *3 管理対象を10台追加するためのライセンスです。 *4 Hitachi IT Operations Director 基本ライセンスパックごとに必要です。購入ライセンス数の合計が500までの場合、1本ご購入ください(500ライセンスまでは定額サポートとなります)。 *5 購入ライセンス数の合計が500を超える場合、 Hitachi IT Operations Director 500ライセンスサポートに加えて、10ライセンス追加するごとに必要です。
- 1
関連記事
<先進事例>日立製作所 英国医療機関のITをサポート 海外先行発売の運用管理ツール
<日立製作所「Hitachi IT Operations Director」導入事例>三京ダイヤモンド工業 “手作業のPC管理”から脱却 導入後に管理工数は80~90%削減
<日立製作所「Hitachi IT Operations Director」導入事例>共和 使いやすさと低価格が導入の決め手に 他社製品からの乗り換えで350ライセンス一括納入