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<ストレージメーカー座談会>まだまだ伸びるストレージ市場 ITビジネスの付加価値を高める有力商材に
2012/03/08 19:56
週刊BCN 2012年03月05日vol.1422掲載
ハンソン(ネットアップ) 「仮想化」「クラウド」は継続して重要なキーワードで、引き続きビジネスチャンスを創出する言葉だと思います。そして2011年に生まれた「災害対策」も、カギになるでしょう。震災で、ユーザーの災害対策と事業継続の考え方は、がらりと変わりました。その分野への投資は増えると見込んでいます。
「ビッグデータ」については、当社では「A」「B」「C」を定義しています。Aは分析、Bは帯域幅、Cはコンテンツ。それぞれに対してソリューションを提供していきます。そのためには、他社との協業も必要になってきます。
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「地方にも拠点をつくり、全国のユーザーとパートナーにネットアップをもっと知ってもらいます」 |
須永(NEC) ストレージが伸びる分野は、まだまだたくさんあると思っています。「ビッグデータ」は、やはり重要なポイントです。当社独自のオリジナル技術がありますので、今年はアピールしていきますよ。また、SMBにおいても、業種によってビッグデータを扱うケースがあります。SMBのユーザーは、いかに安価に大量のデータを保存するかを課題としているので、効率的でコストパフォーマンスのよいソリューションを提供していきます。それから「クラウド」に対しては、ハードだけでなく、ソフトとともに訴求していきます。
中山(EMCジャパン) EMCのテーマに、「ITトランスフォーメーション(ITの変革)」があります。ITインフラの仮想化やクラウド化を指しており、パートナーとともに具体的なソリューションをつくりあげていきます。それ以外のキーワードは「トラスト」と「ビッグデータ」。トラストは、RSAセキュリティのソリューションも絡めてサイバー攻撃に対する防御ソリューションを提案していきます。
──具体的にはどのような施策を進めていこうと考えていますか?
中山(EMCジャパン) やはり、パートナー支援です。営業部隊は、2チームに分けて効率よく展開するつもりです。一つは、協業体制を「会社対会社」で推進するチーム。もう一つは、とにかくディール(商談)を追いかけるチームです。業種別に営業部隊を編成し、地方を含む営業所と一緒にディールをつくっていきます。このチームを支援する部隊として、製品ごとの技術者を配置します。
ワールドワイドでのEMCの考え方が、パートナーとのビジネスを重視するという方向に大きく変わってきています。5月に「EMCワールド」というカンファレンスを開催しますが、4日間のうち3日間、初めてパートナー向けセッションを盛り込みます。
SMB向けには、新しいチャネルモデルを導入します。セグメント別にどのパートナーがどこに優れているかをマッピング。ディストリビュータと協力して全国で密な連携をとりたいと思っています。また、例年開催しているワークショップも東京ほか主要都市で開催していきます。
須永(NEC) マーケティング活動に力を入れます。製品軸、マーケット軸で需要を喚起するとともに、パートナー関係の強化も引き続き進めます。ストレージをもっと扱ってもらうために、ユーザーにとってストレージを導入するメリットを提供していき、ユーザーが必要とする機能を反映して次のバージョンを提供していきます。また、ストレージを扱える技術者も2倍くらいに増やしていきます。派手さはないですが、地道に活動を続けていきます。まずは「簡単さ」のアピールですね。実際に運用してみると簡単で、「もっと早く導入すればよかった」と言う声をいただくので。
ハンソン(ネットアップ) 当社は間接販売が100%ですので、パートナーとの協業が何より重要と考えています。まずはトレーニングに引き続き注力します。具体的には、パートナーに提供する無償トレーニング「TPA」を、東京だけでなく地方でも提供します。また新しい情報を迅速に届けることも重要です。
また、われわれはストレージに特化していますので、仮想化ベンダーやOSベンダーと密に技術的な連携を強化していきます。ストレージ専業ベンダーであるというニュートラルな立場を生かして、サーバーベンダーでも柔軟に組むことができますので、製品連携を多くの企業と行っていきたいと思います。
加えて、認知度を上げるための活動ですね。昨年11月に「デベロッパーズカンファレンス」というイベントを開催しましたが、非常に好評だったので、今年もやりたいと考えています。あとは、SMB・新規顧客の開拓、支店を含む地方開拓、二次店支援の強化。昨年からの継続施策ですが、とても重要だと思っていますので、今年も継続して推進します。
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