Special Issue
<クラウド特集>「クラウドサービスの強化」が活発に 顧客ニーズを捉えてビジネスを伸ばす
2012/03/01 19:55
週刊BCN 2012年02月27日vol.1421掲載
ビットアイル
Windows環境に最適化されたクラウドサービスが始動
中規模~大規模システムへの対応力を大幅に強める
データセンター(DC)サービスのビットアイル(寺田航平社長兼CEO)は、Microsoftのサーバー仮想化技術「Hyper-V」とITシステム運用管理ツール「System Center」を採用したクラウドサービス「CLOUD CENTER for Windows(クラウドセンターフォーウィンドウズ)」のクローズドβサービス提供を2月28日からスタートする予定だ。主にMicrosoftアーキテクチャを使うユーザー企業のシステムのクラウド化を担うサービスとして投入。ネットワークやサーバー、ストレージなどサービス基盤はすべて多重化して可用性を高めるなどして、中規模~大規模システムへの対応力を大幅に高めるとともに、運用の効率化でコストを抑えているのが特徴だ。 多重化で可用性を高める
福澤克敏 マーケティング本部 サービス開発部部長 |
鎌田健太郎 マーケティング本部 サービス開発部主任 |
基本構成は多重化したサーバー部分と、論理的に独立した管理コンソールを担うサーバー、Windowsベースのシステムに不可欠なユーザー管理機能「Active Directory(AD)」を担うサーバー、これに加えて超高速のFibre Channel over Ethernet(FCoE)ネットワークに接続するストレージで構成されている。ユーザー企業が独自にエンタープライズクラウドやプライベートクラウドを構築する場合、これらすべてのシステムを自前で揃えなければならず、どうしてもコスト高になる。
ビットアイルでは、サーバー部分はユーザーごとに物理的に独立しているものの、管理コンソールやADなどは共有環境のなかから論理的に独立させる方式を採用。ストレージ部分はすでにサービスを提供しているクラウドサービス「サーバオンデマンドNEXT」で実績があるシステム構成を「CLOUD CENTER for Windows」に応用してユーザー企業同士でシェアすることで、コスト削減に努めた。
Windowsユーザーの需要を掴む
Windowsアーキテクチャは、多くのユーザーやそのシステム構築を担うSIerに馴染みが深い。今回、Windows環境を効率的に管理できるSystem Center 2012を採用することで、プライベートクラウド環境にとどまらず、データセンター内にある物理ラックのサーバーも監視対象としたり、オンプレミス環境とセキュアな回線で結ぶことで、社内にあるWindowsサーバーを管理対象としたりすることも可能になる。Windows OSに特化した統合管理ツールをセットにしたクラウドサービスを打ち出すことで、「Windowsベースのシステムを運用するユーザーニーズを取り込む」(福澤部長)ことに狙いを定める。
クラウド化の最大のメリットは“管理・運用の最適化”にある。ユーザーがプライベートクラウドを構築するにあたって、設計・構築するコストに目が行きがちだが、構築後のシステム維持のためのコストにこそ目を向けるべきである。
「システムの維持管理にかかるソフトウェアライセンス費用や運用に携わる人材のコスト、機材の故障などトラブル時の対応などを鑑みると、サービス提供型プライベートクラウドでありながら自由度の高い「CLOUD CENTER for Windows」のほうがコストの計画が立てやすく、ビジネス基盤として安心して利用できる」(鎌田健太郎・マーケティング本部サービス開発部主任)と胸を張る。ビットアイルの堅牢なデータセンター(DC)設備を使うことから、事業継続計画(BCP)の観点からも有効だ。
販売に当たっては、Windowsベースのシステム構築を得意とするSIerと積極的に協業していく。ビットアイルのCloud ISLEサービスでは、2011年10月にパートナー支援制度を開始した。パートナーとの営業連携や技術支援を緊密に行うという内容だ。12年1月にはパートナー向けの情報発展・共有を目的とした「パートナーポータル」を開設するなど連携を深めている。「CLOUD CENTER for Windows」においても、仮想化ソフトのVMwareを活用した「サーバオンデマンドNEXT」と同様に、「営業や技術面をはじめとするパートナー支援に力を入れる」(福澤部長)ことで、ビジネスを大きく伸ばしていく。
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