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<日本マイクロソフト「Windows SBS 2011」特集>日本の中小企業向けに生まれ変わったSBS パートナーを軸に中小企業へアプローチ

2012/01/19 19:56

週刊BCN 2012年01月16日vol.1415掲載

ITシステム提案の「ここがPoint!」
ベストな選択はクラウド対応型サーバー
将来を見越した、拡張性の高い社内システム構築を目指す

ナレッジネットワーク
森戸 裕一 社長
 国内にクラウドコンピューティングが普及し始め、IT業界では、中小企業の社内システム再構築の機運が一気に高まるとの期待がある。しかし、「現段階の中小企業が求めるシステムは、クラウド主体のシステムではない」ようだ。こうした論を展開する「一般社団法人日本中小企業情報化推進協議会(JASISA)」の発起人で、中小企業特有の経営課題をユニークな視点で解決し続けているナレッジネットワークの森戸裕一社長に、中小企業に向けたITベンダーの情報化提案に関するベストなアプローチプロセスは何かを聞いた。そのプロセスは、日本マイクロソフトが提供するサーバー製品「Windows Small Business Server 2011 Essentials」の製品コンセプトに見出すことができる。

クラウドではなくオンプレミスを好む

 国内の中小企業は、全企業数・421万の99.7%を占めている。日本経済を“元気”にするうえで、産業界を下支えする中小企業の活性化は国家的な課題だ。世界の先進国の中小企業と比べても、日本の場合は、企業成長に不可欠なITの利活用率が低い。その状況に風穴をあけそうなのが、安価で簡単に導入できるクラウドコンピューティングだ。

 森戸社長は、こう指摘する。「現在、オンプレミス(企業内)のサーバーシステムで業務を運用する中小企業の多くは、社内サーバー中心のシステムにするかクラウドシステムにするかを迷っている。もっと言えば、社内サーバーをやめなければ、クラウドは導入できないという意識さえもっている。その結果、新規導入の付加価値が見出せないクラウドも使わないし、サーバーも入れ替えない、現状維持が実情だ」。

 一方ITベンダーは、従量課金で収益を得るビジネスモデルのクラウドを販売しても「儲けが少ない」と感じ、オンプレミス型の旧来モデルの提案形態から抜け出せない。これでは、ITシステムを「買う側」も「売る側」もクラウドの付加価値を得ることができない。この膠着状態を打破するため、森戸社長は、東日本大震災以降、次のような話をする。

 「例えば、未曾有の大地震に備えて事業継続を図るためには、緊急時、即座に事務所を別の場所に移すシミュレーションを行うなどの準備が必要だ。それだけではなく、人材の確保が困難になっているなかで、社内の優秀な人材を辞めさせないためにも、柔軟な対応の必要性が出てきた。家族の介護や育児などの要求にも在宅勤務で対応できる『テレワーク』も検討が必須になってきている。社会情勢の変化に対応するための自社の将来像をシミュレーションすると、先々はクラウドシステムが必要となるのは当然だ」

 この言葉に、多くの中小企業経営者は喉のつかえが取れるそうだ。全社員が同一の職場で仕事する従来型の職場環境を継続するならば、クラウドは不要だろうが、不況下の日本でいまやるべきことは、優秀な人材の確保や社外に出て顧客と数多く接点をもつことだろう。

 「データセンターに社内情報を預けるというその場しのぎの対応だけでは、ワークスタイルを変えようとする意欲は削がれる。それよりも、段階的に自分の会社内(オンプレミス)のサーバーにリモートからアクセスできるようにして、社外からでも社内と同等にシステムやデータを安全に使いたい」のが社員の本心だと森戸社長は言う。

スマホも、提案次第で響かない

 ITベンダーは、このところ、スマートフォンやタブレット端末とクラウドを融合した提案さえ行えば中小企業にも受け入れられると考えている節がある。しかし、「中小企業がスマートフォンやタブレット端末を活用して課題解決するイメージを、ITベンダー側で描けていない。仕事の進め方がスタイリッシュになるというだけでは中小企業には響かない」。

 さらには、例えば、クラウド・サービス「Microsoft Office 365」を提案し、中小企業に断られる。いったん断られると、次は旧来型のオンプレミスを再提案することになる。

 「これでは中小企業に付加価値を与えられないばかりか、クラウドが拡大するなかにあって、ITベンダーのビジネスモデルも転換できない。ドラスティックに変革を求めて一気にクラウドを提案するのではなく、“間”を取ってまずはサーバーを入れ、将来的にクラウドを使える状況にする。クライアントに将来的な準備という付加価値を感じてもらう手法が肝要だ」

 こうした中小企業が抱える課題を解決するうえで、マイクロソフトの「Windows Small Business Server 2011 Essentials」は、将来的なクラウド全盛の時代を考えるとベストな選択であり、ITベンダーにとっても収益を生む商材になると力説する。

Essentialsは、将来を見越したベストな選択

 「Essentialsには、『リモートWebアクセス機能』があり、固定IPアドレスやVPNなどの細かい設定をしなくても、社外から自社サーバーにセキュアな状態でアクセスできる。また、電子メール、情報共有やシステム管理基盤、Office製品などはクラウドベースのサービスを追加して使うことができる。クラウド展開を見越したEssentialsの提案・導入は、将来的な商談拡大のための大きなビジネスチャンスになる」と森戸社長。

 大震災の影響もあり、現段階ではまず、事業継続性を柱とした商談を目指したい。決してクラウドを前面に押し出すのではなく、クラウドが中小企業のIT活用の“主戦場”になる、本格的ワークスタイル変革時代を見越し、クラウド連携機能をもった拡張性の高いサーバー提案で商談を継続することに注力したい。

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