Special Issue
戦略的新機軸を打ち出す2012年の応研
2011/12/08 19:56
週刊BCN 2011年12月05日vol.1410掲載
社会福祉法人市場での大きなビジネスチャンスで
販売パートナーの拡大を
新会計基準移行により一斉に高まる需要 取締役営業部長 岸川 剛 氏 |
同社開発部の団野勉・リーダーは、この新会計基準への対応について「現在は事業内容ごとに異なる会計基準での決算処理が必要だが、新会計基準では一元化が図られ、会計業務を大きく変更する必要がある。この移行には平成27年3月31日までの猶予が認められているが、この移行には必然的に会計システムの更新や新規導入が伴うことになり、そこにいち早く対応した『福祉大臣NX』を投入する」と語る。
現行製品にもすでに新会計基準の「評価版」機能を搭載しており、既存顧客の社会福祉法人は本格的な会計移行前のシミュレーションが可能となっているが、近く、正式な新会計基準や顧客の要望によってさらに強化された『福祉大臣NX』の新バージョンをリリースする計画があるということだ。
「現在の会計基準から新会計基準へのデータ移行をサポートするツールのほか、内部取引消去、事業の合算、伝票予約などの強力な機能を搭載する」と団野リーダーはアピールする。
「新会計基準は、社会福祉法人が行う社会福祉、公益、収益事業のすべてが適用範囲になる。社会福祉にまつわる事業にとどまらず、収益事業を行う施設は増加傾向にあり、民間企業の会計管理に近い概念が求められてくる」(上野取締役)と、一般企業の基幹系システムで培った同社の技術・ノウハウを社会福祉法人向けに生かすことができると強調する。これまで、社会福祉法人では、これら事業別に会計処理を手作業で行っていた。『福祉大臣NX』の新バージョンではこの部分を補い、的確な会計処理を実現する製品となる。
国内の社会福祉法人数は現在3万前後(約56,000事業所)であり、現行『福祉大臣』は約11,000ライセンスが導入されている。まずは、この既存顧客を中心に攻め、新規需要の取り込みを狙う。
社会福祉法人向け販社の取り込み開始
近年『大臣シリーズ』は顧客数を大幅に伸ばしている。製品面の充実とともに、首都圏を中心に販売エリアも拡大してきた。
今回、次年度に向けて『福祉大臣NX』の販売を強化する理由は、新会計基準への対応はもちろん、新たな販売網を築くきっかけにもする方針だ。岸川取締役は「社会福祉法人の販社は、当社の販売・財務・給与などの製品を販売するパートナーとは異なる。絶対的なシェアを誇る当社の『福祉大臣NX』を担いでいただき、パートナーに収益を上げてもらいながら、一般企業向けの販売でもパートナーリングの幅を広げたい」と話す。
『大臣ERPシリーズ』のリリース後、「ODDS(OHKEN Direct Database Server)」を介して連携するパートナー制度を拡充。ソリューション販売ベンダーの数は飛躍的に増えたが、『大臣シリーズ』をメインで販売するパートナーは、依然としてコピーを販売する訪販系の販社が中心だった。
「給与計算システム『給与大臣NX』と人事管理システム『人事大臣NX』のセットで、40~90クライアントライセンスの大型案件が増えてきた。社会福祉法人をはじめ医療系に強みをもつSIerにとっても、こうした顧客を獲得できるのは魅力的だとみている」(岸川取締役)と、『福祉大臣NX』のパートナーリング強化と合わせ、一般企業への販売展開も支援するという。
導入先の大型化に伴い、首都圏エリアの営業強化が課題となってきた。応研の新東京本社ビルは、これまで手狭だったセミナールームを広く確保し、販売パートナーを多く招いて研修を積む機会をつくることができる。
「来年度は、今年以上に新製品の開発に力を入れている。発売前のサンプル製品をパートナーに事前に操作してもらい、早期に営業体制に入れるようにする」(岸川取締役)と、東京本社の役割は大きく様変わりする。社会福祉法人向けのシステムインテグレーションを手がけるベンダーの獲得を含め、同社の販売網はさらに広がりをみせそうだ。
営業体制を拡大
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