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<有力ベンダーが語るビジネス戦略とパートナー施策>レノボ・ジャパン 成長施策をパートナーに訴求

2011/11/17 19:55

週刊BCN 2011年11月14日vol.1407掲載

 レノボ・ジャパンの茂呂美千博・執行役員パートナー事業担当は、「BCN Conference」で「レノボ・ジャパンの今、そして今後の展望」と題するセッションを行った。演台では、レノボの事業戦略とパートナーへの支援体制について説明した。

<2011.10.14開催 BCN Conferenceレポート>

レノボ・ジャパンの茂呂美千博 執行役員パートナー事業担当
 レノボは企業認知度を高めるために、「FOR THOSE WHO DO.」というキャンペーンを展開している。キャンペーンには「『行動する人』をテクノロジーで支援する」という意味が込められている。

 PC市場で大躍進ぶりをみせるレノボは、7期連続で競合ベンダーを圧倒する成長率を示している。調査会社のIDCが発表した2011年第3四半期の速報値によれば、出荷台数でデルを抜いて世界第2位に躍り出た。

 この高い成長を支えたのは地道な活動によるものだそうだ。「当社は『プロテクト&アタック』『イノベーション』『パートナーフォーカス』の三つに焦点を置いてビジネスを展開している」と、茂呂執行役員は説明する。

 一つめの施策である「プロテクト&アタック」では、シェアナンバーワンの中国市場と、「成熟市場」と位置づける米国、欧州、日本の法人マーケットのビジネスを維持(プロテクト)し、新たに、モバイルインターネット・デジタルホームに投資(アタック)を行う。モバイルインターネット・デジタルホーム事業グループを新設し、クラウドソリューション、スマートフォン、タブレットPCなどに注力していく方針だ。また、中堅・中小企業市場や消費者向け市場への投資も強化する。「日本には開発拠点を設置していることや、競争が激しくて高品質なものづくりが求められていることから、特別な市場とみている。先般のNECとの合弁も、投資強化の一環だ」(茂呂執行役員)と話す。

 二つめに挙げた「イノベーション」では、PC、ワークステーション、サーバーなどの製品を米国・中国・日本の3拠点体制で開発している点を挙げた。直近のリリースでは、コンシューマユース、ビジネスユースのタブレットPCにも注力し、「ThinkPad Tablet」などは、店舗でのフロント業務向けの専用端末にもなるとメリットを話す。今後は中国で展開しているスマートフォンの日本展開を検討している。

 三つめの「パートナーフォーカス」では、2年前から力を入れているパートナーとの協業に言及した。サービスもプリンタについても、パートナーとの協業を推進する。現状では、各種提案活動の9割をパートナーとともに進めるビジネスが占めるとしている。

 レノボ・ジャパンでは、「ビジネス計画」「営業活動」「テクニカル」の面からパートナーを支援している。「ビジネス計画」では例えば、パートナーの中国進出なども支援していく構えだ。茂呂執行役員は「パートナーの成功なくして、われわれの成功はない。まだまだパートナー支援をする体制は十分ではないが、パートナーに選ばれるための地道な活動を続けている」と力を込めた。
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外部リンク

レノボ・ジャパン=http://www.lenovo.com/jp/ja/

「BCN Conference」=http://biz.bcnranking.jp/sp/conference/