Special Issue
<IT業界の主要各社が展開する“次の一手”>デル 変革し続けるデルの戦略とは
2011/10/07 19:55
週刊BCN 2011年10月17日vol.1403掲載
松原大助 公共・法人マーケティング本部 本部長 |
デルは、お客様へのソリューション提案を推進しながら「Efficient Enterprise」をキーワードとして、お客様のIT改革に取り組んできた。これは、既存システムの非効率性を排除して、IT投資を「維持管理」ではなく「変革」へと変えていくという試みだ。この「Efficient Enterprise」を実践するなかで蓄積してきた多くのベストプラクティスを、同社独自のソリューションとして提供している。デルの提案するソリューションは、世界規模で自ら実際に活用したソリューションをベースとしているだけに、その信頼性は高い。
さらにデルは、オンリーワンソリューションを持つ企業のM&Aを積極的に展開し、これらのソリューションを自社のラインアップに加えることによって、ソリューションプロバイダとしての総合力を強化している。
こうして生まれた数多くのソリューションは、「ソリューション・ドメイン」として、いつくかの領域に分類されている。具体的には、「Intelligent Data Management(IDM)」「Next Generation Computing Solutions(NGCS)」「Networking」「End User Computing(EUC)」という四つと、いくつかのサービスが「ソリューション・ドメイン」としてまとめられている。パートナーは、この中からユーザーの要望に最適なソリューションを選び、提供することができる。
この取り組みからもわかるように、デルは現在、特にパートナー施策に注力している。パートナーと協力することで、顧客に提供する価値を最大化することができると考えているからだ。「当社は、ソリューションを含めたTCO全体の最適化をご紹介していくことで、当社が提供するソリューションの価値をパートナーの皆様にご理解いただけると自負しております」(松原氏)。
また、デルはミッドマーケットにも注力しようとしている。多くの大規模企業にはオーダーメイドのソリューションが提供されているが、中堅・中小規模企業がオーダーメイドのソリューションを導入することは容易ではないからだ。こういった企業に対しては、パッケージソリューションをカスタマイズすれば、各企業のニーズにあったソリューションを適切な価格で提供することができる。デルは、こうした施策によってこの分野の事業を拡大しようとしているのだ。
ソリューションプロバイダに大きく変革を遂げているデル。パートナーとのエコシステムを構築することで、さらなる可能性が広がっていくだろう。ワールドワイドでIT業界をリードするデルの今後の展開に注目したい。
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