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セキュアソフト NECとの協業で「SecureSoft Sniper IPS 10G」の拡販に注力

2011/10/06 19:55

週刊BCN 2011年10月03日vol.1401掲載

 情報セキュリティのけん引役として、日本市場でその存在感を高めているセキュアソフト。昨年10月に販売を開始したIPS(不正侵入防御システム)のハイエンドモデル「SecureSoft Sniper IPS 10G」が今、急速に売れ行きを伸ばしている。その理由は、近年、企業ネットワークにおけるトラフィックが増大しており、10Gbpsに対応するIPSが注目を浴びているという事情があるからだ。今年1月、セキュアソフトは、日本市場でのシェア拡大の強力な推進役であるNECと販売代理店契約を結んだ。両社の協業体制や、今後の販売戦略について、セキュアソフトの姜昇旭社長と、NECの柳川泰二氏、荻原博氏に話を聞いた。

セキュアソフトの迅速で柔軟な対応に好感示すNEC

企業ネットワーク増大で
ハイエンドIPSの需要が高まる


セキュアソフト
姜昇旭 社長
 スマートフォンなどの普及により、企業ネットワークのトラフィックが増大しているなか、高性能なIPSの需要が旺盛になっている。このニーズをうまく捉えて、急成長しているのが、10Gbpsの高速通信に対応した、セキュアソフトのIPS(不正侵入防御システム)「SecureSoft Sniper IPS 10G」(以下、Sniper IPS 10G)だ。

 セキュアソフトの姜昇旭社長は「販売を開始した昨年と比べて、売り上げを2.3倍も伸ばすことができました。『Sniper IPS 10G』は、性能面でも機能面、及びサポート面でもハイエンドな製品ですので、ユーザー企業が真剣に製品を選定しています。そのため、導入までの期間はかかりますが、満足のいく成果を上げることができました」と手応えを語る。

 競合製品がひしめくIPS市場で「Sniper IPS 10G」が選ばれる理由は、その確かな品質と代理店及び顧客に対するサポート力だ。実際にベンチマークテストによる評価を行った結果、機能や性能だけでなく、サポート力でも他社製品に勝る「Sniper IPS 10G」が選定されるケースが増えている。

NEC
企業ネットワーク
ソリューション事業本部
柳川泰二
UNIVERGEサポートセンター長代理
NEC
プラットフォーム販売本部
ネットワーク販売統括グループ
(SP金融販売推進チーム)
荻原博 グループマネージャー
 今年1月、セキュアソフトは大手顧客を多数抱えるNECと販売代理店契約を結び、「Sniper IPS 10G」の大規模顧客への導入を本格化させている。NECでは、「Sniper IPS 10G」の性能や開発・サポート体制に絶大な信頼を寄せる。「Sniper IPS 10G」の製品を担当する、NEC 企業ネットワークソリューション事業本部 柳川泰二UNIVERGEサポートセンター長代理は「われわれの顧客が10GbpsのIPSを探していた。顧客のビジネスの生命線を握る部分であり、万が一にも障害が起きてはいけない。そのため、技術者を育成して、評価も一緒に実施し、この製品ならば大丈夫だという確証を得たうえで販売しています」と評価する。

 「Sniper IPS 10G」の販売促進を担うプラットフォーム販売本部 ネットワーク販売統括グループ(SP金融販売推進チーム)の荻原博グループマネージャーは、「NECは複数社のIPS製品を取り扱っていますが、ハイエンドのIPSはセキュアソフトの製品に最も力を入れて販売していく方針です。評価機や保守部品を準備したり、人材投資を行い、社内で顧客に対するサポート体制・保守体制を構築しました」と話す。代理店契約準備期間1年、そして代理店契約を結んでわずか半年で、最大手のオンラインゲーム会社や、スマートフォン関連事業を展開する顧客への導入を実現するなど、「Sniper IPS 10G」の売上高の6割ほどをNECが担っている。

 NECがセキュアソフトと販売代理店契約を結んだ理由の一つは、綿密な開発・サポート体制にある。とくに販売代理店からあがってくる開発面の要求を、小回りをきかせて製品にフィードバックするスピードは、どの競合ベンダーと比較しても圧倒的に勝る。NECから要求として上がったのは第一に性能面であり、また顧客のビジネスの「生命線」に導入するために絶対ネットワークを止めない仕組みを組み込むことだった。障害に際して、すぐに管理者に通知するとともに、ネットワークに影響を与えないようバイパスに切り替わる機能を新たに強化した。セキュアソフトの姜社長は「パートナーが常に安心して製品を販売することができる環境を整えるため、開発・サポートには常に力を入れています。NECさんは当社とのビジネスに非常に投資をしてくださっています。品質が高く売りやすい製品を提供していくことで、その尽力に応えるのが、メーカーである当社にとっての大きな責務です」と力強く語る。「セキュアソフトさんが親身になって要望を汲み取ってくれることで顧客のビジネスをともに成功させようという気持ちが伝わってきます。その真摯な姿勢に、当社もこれから『Sniper IPS 10G』大きくしようと士気を高めています」と、NECの柳川氏はいう。

スマホ、DCが大きな商機
将来、海外展開も視野に


 今年、累計販売台数にして約100台を目指すセキュアソフト。NECでも年間50~60台販売していくことを目標としている。ビジネスのトリガーとして期待を寄せるのが、スマートフォン関連の需要や仮想化データセンターへの導入、そしてクラウドでのサービス提供だ。

 分散したコンピュータリソースを仮想化しデータセンターに集約するトレンドは、震災後のバックアップ需要も相まって加速している。効率的にリソースを活用するためには、大容量の回線が必要になるので、データセンター事業を展開する顧客に対して「Sniper IPS 10G」を訴求する。また、携帯キャリアのゲートウェイや、スマートフォン導入した顧客、インターネットサービス事業者に対しても拡販を進めていく方針だ。NECは「企業向けにはクラウドサービスも提供しています。ネットワークの中核として『Sniper IPS 10G』を組み込んで展開したいと考えています」(荻原氏)という。SIを得意としているNECは、顧客の個別要望に応じた製品の組み合わせによるソリューション販売や、サービスも含めて、アピールしていく。

 セキュアソフトでは、顧客が自社の環境に合わせた運用を行うことによって製品の性能を120%引き出すことができるよう、コンサルティングサービスに力を入れる。

 今後、両社は協業関係をさらに拡充する方針だ。NECではIPS製品に加えて、ニーズの高いDDoS攻撃対策専用アプライアンス「Sniper DDX」を取り扱う予定。セキュアソフトは、国内市場だけでなく、グローバル企業であるNECの販売ネットワークを活用した、海外進出にも意欲をみせる。「当社が提供する高品質な製品と、NECさんの営業力、技術サポートを組み合わせ、顧客も安心して導入できるベストな環境づくりに、引き続き注力していきます。これからも親密にお互いの足りないところを補完しながら日本のシェアを高めるとともに、アメリカ、東南アジアへの進出も計画しています」(姜社長)。

 姜社長の発言に対して、NECは「われわれも日本国内だけでなく、顧客の海外進出に乗じて、製品のグローバル展開を図っていければいいと考えています」(荻原氏)と呼応する。

「SecureSoft Sniper IPS 10G」
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外部リンク

セキュアソフト=http://www.securesoft.co.jp/