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<特集 ビッグデータソリューション>NTTコミュニケーションズ BIGデータの保管場所を安価に提供 堅牢性は“12ナイン”、ギガバイト単価21円の安さで10TBから利用可能
2011/09/29 19:55
週刊BCN 2011年09月26日vol.1400掲載
10TB、21万円(税込み)から利用可能
クラウドサービス部ホスティング& プラットフォームサービス部門 担当部長 中山幹公 氏 |
ディスク領域は、VPN(Virtual Private Network)上で運用しているために高度なセキュリティが保たれているほか、汎用的なプロトコル(NFS=Network File System)マウントのクラウド型サービスであることから、アプリケーションサーバーのバックエンドとして手軽に利用できる点も特徴の一つだ。利用する企業は、使い慣れたVPNとの直結で、自社と同等のセキュリティ環境でペタバイトを超える大容量のデータを保管することができる。その他、NTTComが提供するクラウド型ホスティングサービス「Bizホスティング」との併用で、インターネットからの利用も可能だ。
また、「Bizシンプルディスク」は、国内電気通信設備で運用しているので、データを国外に出すことがない。同社によれば、「海外サーバーを利用した外資系のクラウド型サービスで似たモデルがあるが、利用者側での開発・運用の手間が発生する。当社のサービスは、海外サーバーよりも低いレイテンシ(データの転送要求などのリクエストを発してから、リクエストの結果が返ってくるまでにかかる遅延時間)でデータ転送できる」(中山幹公・クラウドサービス部ホスティング&プラットフォームサービス部門担当部長)と説明し、現状では同等のサービスはないという。
バックアップや大容量データの保管でストレージコストの最適化を実現可能
国内の企業では、ICT(情報通信技術)利活用の進展によって、保有するデータ容量が増え続けている。中山担当部長は「企業が保有するデータは、1~2年で2倍程度に膨らむ。このビッグデータを保管するため、企業ではストレージやファイルサーバーなどの機器を増設したり、その刷新や運用に伴うコストや人的負担が発生している」とみる。NTTComは、こうしたビッグデータの保管場所として、安価で信頼性のあるクラウド型ストレージサービスを開始し、企業のコスト削減と運用負担の軽減を支援する。このサービスは、開始早々に多くの企業やベンダからの引き合いがきており、すでに利用が決定している企業もある。利用用途は、資産管理系ログデータや自社製品の販促用デジタルコンテンツ等の大容量データ、重要情報のバックアップデータの保管用途など様々であり、中には現在利用中のテープバックアップからの切り替え案件もあるという。NTTComでは、このサービスの利用用途を次のように想定し、販促活動を開始している。「EC(電子商取引)のログデータやPOSデータ、製造業の設計図や図面、医療関係では電子カルテ、監視カメラなど様々な動画コンテンツ、PC操作やWebアクセスのログデータの保管場所として、さらにはファイルサーバーや各種重要データーのバックアップ利用など様々な用途を期待している」(中山担当部長)。そのほか、ファイルサーバーの階層化(一般企業のファイルサーバーのデータを、頻繁に取り出して利用するデータとアクセス頻度の低いデータとに分け、後者の保管場所としてこのサービスを利用すること)で、ストレージコストの最適化ソリューションとしての導入も促す。
NTTComでは、大企業中心に本サービスを自社で販売する他、SIerやITサービスベンダとの本サービスでの協業ビジネスも積極的に展開したいとしている。例えばSMB向けの様々なサービスとして、SIerが自社のシステムやサービスにこのサービスを組み込んで提供する形態を促進し、NTTComでも販売やプロモーションの支援を行っていくとしている。ビッグデータの保管、分析などの利活用に注目が集まるなかで、時宜を得たサービスとして「Bizシンプルディスク」は企業に浸透しそうだ。
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