Special Issue
日立製作所 「Hitachi IT Operations Director」がバージョンアップ 中堅・中小企業向け運用管理を支援
2011/08/04 19:55
週刊BCN 2011年08月01日vol.1393掲載
使いやすい運用管理の決定版
ユーザーの要望を受けて新機能追加
ソフトウェア事業部 販売推進部 主任技師 雨宮廣和 氏 |
「Hitachi IT Operations Analyzer」は、導入するだけで、ネットワークに接続されている機器の接続関係と状況を確認できる。あらかじめ設定した、しきい値を超えたときには通知を受け取ることができるので、予兆検知に役立つ。しきい値は日立の経験を元にした数値がデフォルトで設定されているので、基本的には細かな設定作業は不要。また、障害が発生したときには、ログを解析して原因の候補を表示してくれる。このため、専門知識がなくてもシステムの安定稼働が可能となる。
一方、「Hitachi IT Operations Director」は、セキュリティ対策とIT資産管理の二つの面から企業を支援するツールで、ネットワークに接続されているPCや機器を自動検索し、セキュリティやライセンスの状況を一元管理できる。問題を検知した場合はアイコンで表示されるので、その項目をクリックしていくことでドリルダウンが可能。その場で対策を打つことができる。セキュリティ診断やPC操作ログの取得などによって、情報漏えいリスクの検知や、禁止操作の抑止にも対応する。「機能だけをみると、他の製品と同じだというような印象をもたれるかと思いますが、Hitachi IT Operations シリーズは『2010年度グッドデザイン賞』および『IDEA2010:銀賞』をいただきました。これは使いやすさとデザインの良さが評価された結果だと思います」と雨宮氏はアピールする。
実際に導入実績も多く、例えば「Hitachi IT Operations Director」を導入した社員約60人のある企業では、導入や操作の容易性はもちろん、セキュリティ強化やコストの最適化も実現している。
今年6月30日には、「Hitachi IT Operations Director」の最新バージョンを提供開始。新たに追加された機能は「リモートメンテナンス」「管理対象外PCの遮断」「OS更新プログラムの配布」の3点だ。リモートメンテナンスは、PCに発生した不具合を遠隔操作で回復する。これまで、OSの再インストールが必要な障害の場合は出張や回収といった作業が必要であったが、「Intel vPro」搭載のPCであれば、遠隔からOSのインストールやBIOS設定などを実行できる。手元のマシンのCD-ROMを遠隔のマシンにマウントすることも可能だ。
管理対象外PCの遮断は、ホワイトリストやブラックリストによってPCの社内ネットワークへの接続をコントロールする。たとえ許可されたPCであっても、ウイルス定義ファイルが更新されていないなどセキュリティポリシーに合致しないときには遮断する検疫機能も搭載している。これにより、持ち込みPCや持ち出しPCによるウイルス感染や情報漏えいのリスクを低減させることができる。
OS更新プログラムの配布は、社内PCのセキュリティパッチ適用を徹底するもので、日立製作所のサポートサービスサイトから自動的に提供されるリストに従って更新プログラム適用有無のチェックを実施し、未適用のPCを見つけると自動的に更新プログラムをダウンロードして配布する仕組みとなっている。「この三つの機能を追加したことでスペックを強化でき、Hitachi IT Operationsシリーズの競争力を上げることができました」と雨宮氏は強調する。
トップ画面でほぼすべての状況を把握できる
500ライセンスまでサポート定額
個別サポート窓口でサポートを強化
「Hitachi IT Operations Director」は、サポートや販売支援も特長的だ。まずはサポートライセンス体系だ。一般的なソフトは、ライセンス数に応じてサポート費用も増加していく。しかし「Hitachi IT Operations Director」の場合は500ライセンスまでを定額サポートとしている。500ライセンス以下の企業はサポートライセンスのコストを意識する必要がなくなり、500ライセンスを超える場合も、10ライセンスごとの追加ライセンスパックが用意されているので、コストを計算しやすい。 このため、他社サービスに比べて割安感を出すことができるとともに、ランニングコストを抑えることが可能となる。
また、サポート窓口も「Hitachi IT Operationsシリーズ」のみに限定した個別の窓口を用意している。これまで日立製作所のサポート窓口は、製品やサービスは異なっても日立製作所として統一された窓口で総合的にサポートしてきた。個別の窓口を用意したのは、「Hitachi IT Operationsシリーズ」への意気込みの現れといえるだろう。「サポート費用だけでなく、頻繁に使う機能に絞り込んだワンパッケージ製品とすることで低価格化を実現しています」と雨宮氏はアピールしている。
試用版から正規版への容易な移行
パートナーの手離れがいい商材に
「ライセンスキーの販売方式」という販売手法もユニークだ。日立では、「Hitachi IT Operationsシリーズ」のウェブサイトにあるダウンロードページで90日間、100ライセンスでの利用が可能なフル機能の体験版を提供している。試用の結果、お客様から製品版を購入したいという申し出があったときには、試用版にライセンスキーを入力することで、そのまま製品版に移行できる。エンドユーザーはインストールからやり直す必要がないため、手間なく素早い移行が可能となり、設定内容もそのまま移行できるというメリットがある。また販売パートナーにとっては、ライセンスキーの通知書を封書で配送するだけで済む。 雨宮氏は「導入や運用作業が容易なため、エンドユーザーや販売パートナーに負担をかけないとういう特長もあります。また、独自技術による機能の拡充により、一貫した操作性を実現しており、管理者に負担をかけないことも差別化のポイントとなっています」と、この狙いを語る。
マニュアル、販促資料も充実
ユーザーとパートナー向けに
販売支援についても、「Hitachi IT Operationsシリーズ」用に多くのツールが用意されている。ツールを社内・パートナー向けとで分けて提供していることも特長だ。製品紹介資料やリーフレット、マニュアル、カタログデータは当然だが、マニュアルは家電製品を意識して作るなど工夫されている。また、「Hitachi IT Operations Director」のインストール後にメニューから参照できるチュートリアルも提供している。これは初めて使うユーザー向けの手引き書で、目的別などで使用方法を知ることができる。さらに、東京で開催している無料セミナの様子を撮影した製品紹介ビデオも提供されており、とくに地方で活用できる販売支援ツールとなっている。その他にも、面白い試みとして、ショートムービーで製品を紹介している。アメコミ風のアニメ動画で製品を紹介するというものであり、「Hitachi IT Operations Director」が役立つシーンや、代表的な機能が分かりやすく紹介されている。 販売パートナー向けには「環境構築パラメータ・ヒアリングシート」も用意されている。これは「Hitachi IT Operationsシリーズ」をチューニングする際に役立つもので、お客様への説明や実際のチューニング作業などに活用できる。「ツール類はさらに拡充を図っており、さまざまなツールを揃えています。ぜひアクセスしてみてください」と、雨宮氏はアピールしている。
>>「Hitachi IT Operations Director」試用版ダウンロードはこちら
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