Special Issue
<バックアップソフトメーカー座談会>災害対策、仮想化、クラウドがキーワード
2011/07/28 19:56
週刊BCN 2011年07月25日vol.1392掲載
西倉(日本IBM) 仮想化対応の強化は昨年から取り組んでいるテーマなのですが、あまりフォーカスしきれていませんでした。今年3月上旬には仮想化に特化した「Tivoli Storage Manager for Virtual Environments」というFastBackのテクノロジー活用した製品をリリースしたのですが、大震災でマーケティング活動がストップしてしまったので、この製品を改めてプロモーションしていきます。
また、当社は日本で最もVMwareを販売しているので、販売を担当するSystem Xの事業部とともに、VMwareとバックアップ・ソリューションとを組み合わせて、お客様、パートナーに提供していきたいと考えています。バックアップに対するニーズは、ユーザーごとに異なり、千差万別です。ソリューションもそれだけ必要です。そこで異なるニーズにお応えできるよう、製品とサービス、サポートを含め、柔軟なソリューションの実現を目指します。
――2011年下半期の市場動向について、ユーザーのニーズを含めて岩上さんはどう分析しておられますか。
岩上(ノークリサーチ) 従来、バックアップはHDDの故障に対する備えという認識が多かったのですが、大震災以降はIT機器そのものが破損してしまった場合に他の機器にOSも含めた環境を復元する「機器に依存しないベアメタルリカバリ」へのニーズが高まると見ています。ただし、震災以外のニーズも重要です。例えば、中堅・中小企業は安価なPCサーバを部課単位でファイルストレージとして導入してきた結果、ファイルが複数個所に分散してしまっています。それらを仮想的に一つにまとめ、アクセス頻度の低いファイルをアーカイブしておくなどのソリューションも有効です。
――今年の施策とも関係しますが、改めて新製品について教えてください。
吉田(アクロニス) パーソナル向けと法人向けの製品投入を計画しています。リリース時期は未定ですが、パーソナル製品は、使いやすさ、リカバリーの容易さを重視しています。一方、法人向けは、すでに米国では6月にリリースしていますが、現行製品を全体的に機能拡張し、仮想環境、重複除外の機能などを目玉とするとともに、レッドハット様との協業を密にして、Linux対応を強化します。
山崎(サイオステクノロジー) 新製品の目玉としては、LifeKeeper/DataKeeper のクラウド対応になります。また、製品の特性からネットワークが絡むので、IPv6対応を強化します。
岡出(ストレージクラフト) 前述したように、パーソナル版を8月に発売するほか、MSP版を近いうちにリリースします。また、仮想環境向け製品を同じく7月末から8月にかけてリリースする予定です。クラウド対応を強化した製品も年末を目途にリリースする計画です。
西倉(日本IBM) これまで手を付けていなかったPCのバックアップを考えています。バックアップのほか、ソフトの配布、セキュリティ、節電、資産管理といった個々の機能を一つにまとめて提供するもので、SMB向けのエンドポイント管理ソリューションとして、パートナーを通じて、魅力的な価格での提供を考えています。
関連記事
<ストレージメーカー座談会>クラウドを見据え、ストレージ市場が好調