Special Issue
<バックアップソフトメーカー座談会>災害対策、仮想化、クラウドがキーワード
2011/07/28 19:56
週刊BCN 2011年07月25日vol.1392掲載
アクロニス・ジャパン 吉田幸春 氏 |
仮想環境も含めたトータルな災害対策ソリューションを目指す |
法人と個人の販売比率ですが、8対2と法人が圧倒的に多くなっており、現在も法人の売り上げの伸びが目立っています。とくに業種・業態といった偏りはありませんが、専任の技術者のいないSMB、中堅企業を中心に導入していただいています。
山崎(サイオステクノロジー) 当社は、HA(高可用性)クラスターソフト「LifeKeeper」とデータレプリケーション・ソフト「DataKeeper」を事業継続ソリューションとしてラインアップしています。LifeKeeperはLinuxとWindowsに対応、DataKeeperはWindowsのみに対応する製品です。
LifeKeeperにおけるLinuxとWindowsの販売比率は9対1とLinuxが圧倒的ですが、これはもともと、当社がオープンソースのソフト事業からスタートしたということが大きく影響していますね。販売については、2009年と10年の比較ではノード数で12%と2ケタ成長を達成しました。分野としては、通信事業者、官庁系が多く、ほかにも多くのサーバーを所有してサービスを提供される事業者さんなど、とくにLinux環境を積極的に導入している企業を中心に採用していただいています。
ストレージクラフト 岡出明紀 氏 |
リカバリースピードと容易な操作でビジネスの継続性確保を支援する |
米国でも中小企業ユーザーが中心ですが、昨年から今年にかけての実績では、案件単価が倍になっており、今後は中堅・大企業の大規模ユースへの対応も充実させていきます。実際、ある自治体でサーバー150台、PCライセンス6000台の導入例もあります。また、パーソナル市場も開拓していきたいですね。
西倉(日本IBM) 当社は、大企業向けの「Tivoli Storage Manager Family」と中堅企業向けの「IBM FastBack」という二本立てのラインアップです。Tivoli製品は、10年以上前から提供している製品で、ディスク、テープに関係なく統合的に管理できる製品です。IBMのUNIX-OSであるAIXのデフォルト製品であり、当社のほとんどのユーザーに採用していただいています。
FastBackは、この2~3年、とくに力を入れている製品で、ターゲットとするユーザーの特性から、ディスク・バックアップに特化し、リカバリーの速さを特徴としています。ただ、大手のお客様の採用も少なくありません。ほとんどをパートナー販売で展開しており、対前年比では大幅な売り上げの増加を達成しました。
日本IBM 西倉 誠 氏 |
FastBackを核に大企業からSMBまでの様々なニーズに応える |
西倉(日本IBM) 大震災の影響は少なからずありましたが、ただ、すべての案件がストップしてしまうというほどのことはありませんでした。実際、1Q(1-3月)は対前年比でも伸びていますし、2Q(4-6月)は震災の影響がむしろバックアップ・ソフトにはプラスに働いているとみています。具体的には、ハイエンド分野ではテープライブラリをサポートする製品が伸びており、ローエンドは災害対策機能を標準装備していることもあり、FastBackが伸長しました。FastBackはライセンスを通常のプロセッサ課金ではなくサーバー課金にしてかつ思い切った低価格で提供する販促キャンペーン製品を現在展開中で、これも功を奏しているようです。
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