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<x86サーバーメーカー座談会 2011>今年度はどう売るのか
2011/06/30 19:56
週刊BCN 2011年06月27日vol.1388掲載
日本IBM 小林泰子氏 |
x86サーバー「System x」の拡販における全業務を統括する。国内の製品発表からプロモーション、技術も含めた営業の部隊を統括する。 |
木口(デル) まず、4月に「PowerEdgeR210II」「同 T110II」という、低消費電力で、静音性の高いSandyBridge搭載のエントリーモデルを発売開始しました。そして大規模システムに向けては、ブレードにおいてI/O仮想化機能を強化したことと、クラウド・プロバイダー向けの「PowerEdge Cシリーズ」新製品がトピックと言えます。この製品は、極めて高密度なフォームファクタで、3Uの筐体に1ソケットサーバーを最大12個積める集積性を持っています。
末永(シスコ) 「UCS Bシリーズ」のブレードサーバーと、ラックマウント型の「同 Cシリーズ」。SMB向けには、ラックマウントでありながら高集積メモリを積み、仮想化に特化した製品を出しています。大規模向けはブレードサーバーですが、「VBlock」や「FlexPod」などサーバー・ストレージ・仮想化インフラを組み合わせて事前検証済みの、そのまま使える構成のソリューションを展開しています。
浅賀(NEC) 実装技術にNECは強みがあります。部品をきょう体に収める実装技術については差異化できる部分が多い。スリムサーバーや外気温40℃でも稼働するサーバーなどは、NEC独自の実装技術がそれを実現しています。きょう体内で熱がどう動くか、それをどう外に逃がせば効率的に冷却できるか、どのような配置にすればもっと小型化できるかなど、日々研究しています。まだそれらに改善の余地はありますので、もっと魅力的な製品を投入できると思っています。
――最後に、意気込みを示す意味を込めて今年度の目標を教えてください。
浅賀(NEC) パートナーのご協力なくしてExpress5800は成り立ちません。パートナーとの協業と特徴ある商品投入を従来以上に推進して結果としてNo.1を継続できればと思っています。また、ブレードサーバーはパートナーでの導入が着実に進んでいるので、ブレードでも、トップシェアを取れたらと思っています。
末永(シスコ) まだシスコはチャレンジャーですから、まずは認知度をもっと高めること。そして、具体的な数字はいえませんが、昨年度の2倍は出荷台数を伸ばします。また、「仮想化といえばシスコ」と思ってもらえるようにもしたいと思っています。
木口(デル) サーバーを含めたエンタープライズソリューション全体の売り上げにこだわり、昨年度に比べてさらなる成長を狙います。また、パートナー経由の販売についても大きく伸ばしたいと思っています。
小林(日本IBM) 前期の売り上げを必ず上回り続けることにこだわりたい。また、日本IBM製品の取扱い量が少ないパートナーに、前年度以上に販売してもらえるように、その比率にもこだわっていきたいと思います。
宮本(日本HP) 以前から打ち出している目標を変えていません。台数シェア30%を獲得して、念願のNo.1を奪いたい。年初に「サーバーPlus戦略」を打ち出しました。HPのサーバーとの組み合わせで日本市場の固定観念を変えるような、よい意味で「驚き」をユーザー企業とパートナーに届けたいと思っています。
高群(日立製作所) 「BladeSymphony」は、日経コンピュータのパートナー満足度調査でNo.1を4年連続堅持しています。5年連続、そして、金額シェアNo.1、x86サーバー全体でもパートナー満足度No.1を目指します。
――けっして楽観できる市場環境ではありませんが、皆さんの力強い意気込みがひしひしと伝わってきます。本日は長時間ありがとうございました。
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