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<x86サーバーメーカー座談会 2011>今年度はどう売るのか

2011/06/30 19:56

週刊BCN 2011年06月27日vol.1388掲載


 ――各社ともに好調であることは共通していますね。どのような施策を打ったことが奏功したのでしょうか。

日立製作所 高群史郎氏
企画、開発、設計、製造、フィールドサポートに至るサーバー事業の全般を手がける事業部で、パートナー企業への販売推進・マーケティングを担当。
 高群(日立製作所) パートナー企業への支援に力を注ぎました。09年後半に、サーバーを中心としたプラットフォーム関連製品の販売強化プロジェクトを発足。営業とSEが一体となってサポートをする部隊を設置しています。正直にいえば、それまでは、パートナー企業への営業支援や技術支援などの取り組みが十分ではありませんでしたが、これにより、ようやくパートナー企業経由の販売が伸びてきました。成果を感じています。

 宮本(日本HP) 大規模システム向けでは、ブレードサーバーと運用管理ソフトなどを組み合わせた「HP BladeSystem Matrix」の提案を強化しました。一方、中堅・中小規模システム向けでは、小型・静音・低価格が特徴のマイクロサーバー「HP ProLiant MicroServer」の拡販に力を注ぎました。顧客の規模を問わず、パートナーとの協業は継続的に強化しており、昨年、約50社に納入した「BladeSystem Matrix」のうち、その半分をパートナー経由の案件が占めています。最先端のテクノロジーの展開についても、まずはパートナーとの協業が基本です。パートナーの力が大きいことを実感しているところです。

 小林(日本IBM) 強化点は主に四点。一つはストレージやソフト、サービスを組み合わせた総合提案です。二つ目はDC事業者へのアプローチ強化。三つ目が組み込み機器ベンダーに対しての提案促進です。そして最後が、SMB市場に強いSIerとの協業。既存・新規問わず、「PCサーバー販売フォーラム」などのセミナー・イベントを地道に開催し、それを通じてパートナーとの連携をより強めてきました。新規のパートナーが増え、既存パートナーの取扱い量も増えており、かなり手応えを感じています。

デル 木口弘代氏
コンシューマとSMB(中堅・中小企業)市場に向けた製品のマーケティングを担当。パソコンやサーバー、ストレージなどの販売促進業務を手がける。
 木口(デル) 仮想化とデータ保護をキーワードに、サーバーだけでなくストレージやネットワーク機器、ソフトとサービスをまとめたソリューションとしてお客様に提案することにとくに力を注ぎました。ソリューションについては、まだ強化すべき点は多いですが、施策に応じた成果は着実に現れつつあります。パートナーとの協業については、まだ他社様に比べて弱い部分もありますが、今年2月にパートナー開拓・支援組織を増強しており、これからさらにさまざまな施策を強化するつもりです。

 末永(シスコ) シスコの得意分野は、やはりネットワークなので、それを含むサーバーシステムをご提供出来るポジションを目指しています。ネットワーク機器とサーバーを組み合わせた提案が強みです。加えて、ソフトウエアメーカーやストレージメーカーなどと組んで、一つのソリューションとして拡販することにも力を注ぎました。ヴイエムウェアとEMCジャパンとのソリューションである「VBlock」や、NetAppとのソリューションである「FlexPod」はその代表例です。先ほど話したように、パートナーの開拓にも取り組み、パートナーイベントを東京と大阪で開催し、シスコのサーバーを知ってもらえたと思っています。

 浅賀(NEC) 「仮想化」「クラウド」「エコ」など、ユーザー企業からの引き合いが強い旬のソリューションモデルをつくり、それをパートナーが容易に販売できる環境づくりを強化しました。また、パートナーの販売・営業力を高めてもらうために、技術認定制度を引き続いて推進しています。「ブレード」「ft」「仮想化」など製品軸とソリューション軸のメニューを揃え、累計で約3000人の認定者を育成することができました。とくにブレードは、パートナー経由の販売が一気に伸び、NECの支援策がパートナーの販売拡大に貢献できたかな、と感じています。

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