Special Issue
<クラウド・ホスティングサービス事業者座談会>急成長するクラウド 市場開拓の最前線
2011/06/02 19:56
週刊BCN 2011年05月30日vol.1384掲載
青山 当社GMOクラウドは、1996年からホスティングを手がけ、03年にはセキュリティサービスも併せて主力事業としてきました。皆さんのお話の通り、クラウド市場は震災の打撃にも屈することなく、力強く伸びています。当社においてもクラウドサービスへの取り組みを数年前から検討、準備を重ねた結果、2011年4月に社名を旧GMOホスティング&セキュリティから、今のGMOクラウドへと変更しました。「GMOクラウド」はクラウドの主力サービスと同じ名称であり、当社がどれだけクラウドに力を入れていくかお分かりいただけると思います。
高倉 ビットアイルはDCスペースの一部を貸し出すコロケーションを主力としていますが、09年からクラウドビジネスに参入、10年12月にはクラウド基盤を刷新し、次世代クラウドサービス「サーバオンデマンドNEXT」を投入しています。10年秋頃から、クラウド案件が多くなっていますが、ユーザーニーズは単純でなく、柔軟な対応が必要という認識です。当社の特徴は、自社DC内でコロケーションとクラウドの両方を手がけていることで、ユーザーニーズやユーザーのビジネス形態に合わせて、最適なインフラを構築・運用いただけるよう、柔軟かつきめ細かなサービスを用意することが基本的な姿勢です。
岡田 きょう集まっているみなさんは、ホスティングやキャリア系がメインですが、私ども日本ラッドは、唯一のSIerです。ここ2年余りを費やして空調を使わない超低消費電力DCを開発してきました。昨年10月には、空気の流れのみで冷却する排熱型DCの商用サービスを始め、DC全体の消費電力をIT機器のそれで割ったPUE指数で1.1以下を実現しています。ストレージシステムも抜本的に見直し、2011年3月には、月額390円固定から利用できる企業向けの高品質、高信頼のクラウドサービス「インダストリア」を投入。圧倒的なコストパフォーマンスの実現で、クラウドサービスのユーザー数が前月比ほぼ倍増のペースで増えています。
主力サービスの特徴とは
NTTコミュニケーションズ ビジネスネットワークサービス事業部 販売推進部担当部長 中山幹公 氏 |
NTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部 技術開発部部長 伊藤琢巳 氏 |
小川 IIJ GIOは、海外の大手パブリッククラウドサービスと同じような位置づけで語られることが多いのですが、成り立ちやアプローチがかなり違います。一般的なパブリッククラウドは、インターネット側からのアクセスを重視する傾向が見られIIJ GIOも当然柔軟にリソース増減をできるのですが、当社はさらに社内からのアクセス急増に対して基幹業務システムのリソース増減が可能であり、またインターネットゲートウェイの実績が多い。このため、ユーザー企業は、大規模な基幹業務システムを安心して当社に預けていただくと同時に、快適なインターネット接続環境を享受することができます。
中山 NTT Comは、通信事業者としての強みを存分に活かしています。例えば、「BizCITY」はVPNからクラウド基盤に帯域フリーで直接接続できるアーキテクチャを持っており、企業の広域ネットワークからシームレスに、センター回線不要でセキュアでストレスないクラウドの利用が可能です。この部分は特にVPNを利用する大~中規模企業から高い評価を頂いています。世界に支社支店を展開しているグローバル企業の業務を支えるクラウド基盤に使われている高機能なものから、コストパフォーマンスの高い汎用サービスまで、幅広いラインナップは国内随一といえます。
伊藤 NTT comが大規模システムをメインとしているのに対し、NTTPCのクラウド戦略は、海外大手のパブリッククラウドと同じ領域でシェアを伸ばしていく考えです。もともとインターネット接続プロバイダ(ISP)として発展してきた経緯もあり、接続サービスの「InfoSphere」、ホスティングサービスの「WebARENA」などは、国内のネット世界でとても知名度が高い。幅広いユーザー層に当社のサービスをご活用になってほしい。
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外部リンク
インターネットイニシアティブ(IIJ)=http://www.iij.ad.jp/
NTTコミュニケーションズ=http://www.ntt.com/bizhosting-basic/
NTTPCコミュニケーションズ=http://www.nttpc.co.jp/